特別企画

【年末特別企画】冬休みに作りたい「キャラクタープラモデル」5選

今年も各社から豊富なプラモデルがリリース。新たなシリーズも登場

 ここ数年加熱しているガンプラブームと並行して、各社のキャラクタープラモデルもよく売れて、その需要に応じて今年もたくさんのアイテムが発売された。業者対象だったものの、2年ぶりとなる静岡ホビーショーも5月に開催され、筆者も現地まで取材に行き、コロナ禍でのユーザーの期待に応えようとするメーカー関係者の熱意を弊誌にて伝えることができた。

 本稿で紹介するのは、今年発売されたガンプラ以外のキャラクタープラモデルである。今年もたくさんのヒット商品が生まれ、現在も入手困難なものも存在しているが、ここでは12月22日現在、供給が比較的安定しているキットを紹介していきたい。

「HG 1/72 バンイップ・ブーメラン」やられメカとしての味わいを備えた、「境界戦機」オセアニア連合の無人機

  • 発売日:2021年10月09日
  • 価格:2,640円(税込)
  • メーカー:BANDAI SPIRITS

 SUNRISE BEYONDとBANDAI SPIRITSのタッグによる新作アニメ「境界戦機」の中で、劇中の各勢力が使用する人型機動兵器「AMAIM(アメイン/Auto Mobile Artificial Intelligence Mount)」のプラモデルが、BANDAI SPIRITSより続々と発売されている。工業デザインのリアリティを取り入れたこれらの登場メカは、見た目はもちろん、その構造なども、これまでのアニメに登場したものとはひと味違うテイストを備え、プラモデルではそれを作って楽しめるようになっている。

 主役機の「HG 1/72 メイレスケンブ」は弊誌にてレビューさせてもらったが、敵として登場する機体もかなり個性的で面白いものとなっている。この「HG 1/72 バンイップ・ブーメラン」は、劇中ではオセアニア連合が使用する無人機で、第1話で主人公アモウが乗り込んだケンブに複数機が破壊されてしまう、いわゆる「やられメカ」的な存在として登場した。変形機構を備えたデザインは、プラモデルとして作ってみると実に面白く、やられメカとしての可愛さもあり、複数を揃えて、ケンブと対峙させたくなる機体である。

「MODEROID ブライガー」その昔、太陽系でイキに暴れ回ったブライガーが、差し替え変形可能なプラモデルに!

  • 発売日:2021年9月
  • 価格:7,500円(税込)
  • 全高:170mm
  • メーカー:グッドスマイルカンパニー

 グッドスマイルカンパニーのモデルシリーズ「MODEROID」は、他社があまり立体化していない新旧のメカやキャラクターをプラモデル化し、売り場を賑わわせている。筆者も今年いくつか弊誌にてレビューをさせてもらっているが、今年3月に発売された「MODEROID バルディオス」は、番組の懐かしさとともに、過去に作ったことのない機体という斬新さの両方を味わえる商品であった。

 この「MODEROID ブライガー」は、1982年放映の「銀河旋風ブライガー」の主役メカをモデル化したもので、バルディオスの5カ月後に発売された。バツグンのプロポーションと、差し替えによる2種のメカへの変形を可能としている。成形色と塗装、シールによって、素組みでも劇中に近い姿を再現でき、その姿に似合う外連味のあるポージングが可能な可動も大きな魅力だ。

「VF-1J アーマード バルキリー」ハセガワの技術を結集した、マッシブなシルエットのバルキリー

  • 発売日:2021年12月22頃
  • 価格:4,400円(税込)
  • 全高:196mm
  • メーカー:ハセガワ

 今年創立80周年を迎えた老舗ハセガワの航空機のスケールモデルのノウハウを詰め込んでプラモデル化された「マクロス」シリーズがスタートしてから早20年が経過する。シリーズは現在も新作・再販ともコンスタントに続いていて、2022年2月には敵であるゼントラーディの戦闘ポッド「リガード」が、同社初の接着剤不要のモデルとして発売予定だ。

 この「VF-1J アーマード バルキリー」は、先頃発売されたばかりのキットで、アーマー着脱などのギミックはあえて導入せず、プロポーションやディテールを重視した、これまでと同様のコンセプトを持つ商品として登場した。アーマードバルキリーの特徴である装甲に内蔵されたミサイル群のハッチの開閉はパーツの差し替えによって再現。同社のスマートなバトロイドと比較すると、マッシブで力強い姿がインパクトのあるキットだ。

「SMP ALTERNATIVE DESTINY 『トップをねらえ!』 ガンバスター」食玩プラモデルとしてのコンセプトをさらに攻める、SMPの新ブランドがスタート

  • 発売日:2021年11月15頃
  • 価格:7,500円(税込)
  • 全高:約240mm
  • メーカー:バンダイ

 ブランド名を「スーパーミニプラ」から「SMP [SHOKUGAN MODELING PROJECT]」へと改めたバンダイの食玩プラモデルのスピンオフカテゴリー「SMP ALTERNATIVE DESTINY」(SMPAD)より、「トップをねらえ!」に登場する「ガンバスター」が、11月15日に発売となった。

 「ミニプラ」シリーズから受け継ぐ、プラモデルによる変形や合体を実現するSMPシリーズだが、このSMPADはあえてそれらを採用せず、スタイリッシュな造形と、自由度の高い可動を重視した商品となる。プロダクトデザインにメカデザイナーの宮内利尚氏を迎え、3D造形でのデザインが施され、このキットならではの新たなディテールが追加されている。塗装済みパーツやアンダーゲートなどを採用し、素組みでも完成度の高いガンバスターが完成する。今後の展開にも期待ができるシリーズ第1弾アイテムだ。

「フレームアームズ・ガール ハンドスケール 轟雷 with 迅雷アーマー」フレームアームズ・ガールとフレームアームズが合体し、新たな遊びを提案

  • 発売日:2021年11月
  • 価格:5,940円(税込)
  • 全高:約173mm(轟雷約75mm)
  • メーカー:コトブキヤ

 プラモデルオリジナルのガールズキャラクターのジャンルは、近年で大きく発展し、各社がこぞってその技術力を導入して、自らの手で作り上げる可愛いキャラクターの商品を多数展開している。コトブキヤはその先駆者ともいえるメーカーの一つで、「フレームアームズ・ガール」、「メガミデバイス」、「創彩少女庭園」など、多岐にわたって展開し、モデラーを楽しませている。

 この「フレームアームズ・ガール ハンドスケール 轟雷 with 迅雷アーマー」は、2019年発売の「フレームアームズ・ガール ハンドスケール 轟雷」と、轟雷が搭乗可能な「迅雷アーマー」をセットとしたアイテムだ。迅雷アーマーは「フレームアームズ 迅雷」の本体に、「ヘキサギア 飛行ユニット ウッドペッカー」のコクピットを新規関節パーツで組み合わせた機体で、完成後に轟雷を搭乗させて楽しめるようになっている。美少女キャラとメカを同時に楽しめるキットで、同社が展開するプラモデルシリーズとも連動が可能な、お得感の高い仕様だ。

新規シリーズの展開など作るプラモデルの選択肢が広がった2021年

 冒頭でも述べた通り、今年も各社のキャラクタープラモデルは実に豊富なラインナップで、ユーザーとしては買っても作りきれない嬉しい悲鳴が出てしまうほどであった。2021年12月現在入手困難なためここでは紹介していないが、BANDAI SPIRITSのオリジナルガールズプラモ「30 MINUTES SISTERS」など、新規シリーズの展開も目立ち、ユーザーの選択肢に事欠くことがなかった。

今年8月の発売から高い人気を誇り、再販時もすぐに完売してしまう「30 MINUTES SISTERS」(画像は「30MS SIS-G00 リシェッタ[カラーA]」)

 ガンプラの品薄によってユーザーがネガティブな印象を持ってしまうこともある昨今だが、ショップの棚を見てみれば多数の選択肢があり、ユーザーにとってはそれらを手に取るチャンスでもある。メーカーやシリーズによってコンセプトや設計、そしてそこに込められた開発者の思いも違い、プラモデルの場合は実際に作ってみることでそれを体感することができる。この年末年始はぜひ色々なキットを手にしていただいて、作って楽しんでみてほしいものだ。。