特別企画
会場展示の「PERFECT GRADE UNLEASHED 1/60 νガンダム」に込められた意味、色のついた試作品は「未塗装、成型色での組み立てイメージ」【#静岡ホビーショー】
2025年5月16日 19:00
- 【第63回 静岡ホビーショー】
- 会期
- 業者招待日:5月14・15日
- 小中高校生招待日:5月16日
- 一般公開日:5月17・18日
- 会場:ツインメッセ静岡(静岡市駿河区曲金3丁目1-10)
- 入場料:無料
- ※入場には事前登録が必要
「第63回 静岡ホビーショー」において間違いなく注目商品の1つなのが、ガンプラ「PERFECT GRADE UNLEASHED 1/60 νガンダム」である。発売は2026年1月予定、価格は66,000円である。
本商品の企画者は稲吉太郎氏。弊誌ではBANDAI SPIRITSコレクターズ事業部の「METAL BUILD」シリーズなどでインタビューをさせていただいている。稲吉氏は2年前からBANDAI SPIRITSホビーディビジョンに異動し様々なプラモデル企画を進行してきたが、2年間の集大成と言えるのが、本商品となるという。会場で「PERFECT GRADE UNLEASHED 1/60 νガンダム」へ込めた想いを聞くことができた。
ガンプラの大型商品のサイズとして1/60があり、1/60だからこその表現力を活かした「PG(PERFECT GRADE)」はその大きさと様々なギミックで最高峰といえるブランドだ。「νガンダム」は非常に人気の高い機体であり、ファンからは「PG化」を望む声も大きかったが、これまで商品化されなかった。
「PERFECT GRADE UNLEASHED」はガンプラで培った最高の技術でMSを表現する「究極のガンプラ」といえるブランド。第1弾は「RX-78-2 ガンダム」がモチーフとなったが、第2弾はガンプラ45周年記念商品として「PERFECT GRADE UNLEASHED 1/60 νガンダム」の登場となる。
「PERFECT GRADE UNLEASHED 1/60 νガンダム」の立体物としての大きなセールスポイントであるが、課題となったのが"大きさ"である。νガンダムの設定上の全高は23m、18mのRX-78-2 ガンダムより大きい。会場では膝をついた状態でのνガンダムの試作品も展示され、後ろに立つ「PERFECT GRADE UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」と比べて大きさが比較できるようになっている。
機体が大きいということは、手足のパーツが重くなることを意味する。ましてや「PERFECT GRADE UNLEASHED 1/60 νガンダム」は、可動することで太ももの装甲がスライドしたり、膝からシリンダーが覗いたりと、内部機構の密度もすさまじい。これらをしっかり支え、ポージングをいかにスムーズに決めるだけでなく、しっかりそのポーズで保持できるか、間接の渋みや保持力にもこれまでの経験をフルに活かしているとのこと。
膝をついたνガンダムは「このようなポーズがとれる商品のポテンシャル」を提示するだけでなく、モモや膝の機構、装甲の表現、各部のディテール表現など、様々な意味合いを込めての展示となっているという。試作品はこういった開発側からのメッセージを読み解く楽しさがある。
もう1つの立ち姿の試作品は綺麗に塗装されている。しかし実はこの立ち姿のνガンダムは「成型色で組み立てた姿」をイメージした彩色になっている。商品を購入し、組み立て、同梱のデカールを貼るだけで今回の試作品の塗り分けができるというのだ。基本色の白も例えば肩部分だけでも3色のわずかに色味の異なる白が使われている。この白の多彩さも成型色で表現、効果的に金属光を放つパーツもを使うなど、塗装なしでも美しく見応えのある姿にできる。
色や情報量を加えつつ、稲吉氏達開発スタッフがこだわったのは「バランス」だ。「情報量は増やしつつ、馴染むような絶妙なラインというところは、すごく気を使いました」と稲吉氏は語った。
立ち姿も見所は多い。スタンドを使っているのだが、フィン・ファンネルをつけることで片側によってしまいそうになるバランスをしっかり支える。台座にはアームがつき、フィン・ファンネルを下から支える。また凝った肘関節も注目ポイント。「PERFECT GRADE UNLEASHED 1/60 νガンダム」は設定上の肘の曲げ方とは角度が異なるように見える大河原邦男氏ならではの描き方"ガワラ曲げ"も表現できるようになっている。またシールド内部に可動機構を持たせて自由度を持たせている。
今後さらにフォーカスしていくのが組み立てやすさやパーツ構造。「ガンプラ45周年記念商品」なだけに組み立て式であるガンプラの究極の姿として提示していきたいと稲吉氏は語った。
今回話を聞けた部分だけではなく、BANDAI SPIRITSによる社内インタビューや、公式ページの情報では内部機構への深い考察や可動の面白さ、フィン・ファンネルへの独特のアプローチなども語られている。また、本商品はLEDユニットの発売も予告されており、今後さらに情報が明らかになりそうである。
(C)創通・サンライズ