特集

【年末特集】年末年始に楽しく走らせたい"オンロード"RCカー

クイックな操作とスピード感が魅力のRCカーをチョイス!

 おたく・サブカル全般が得意分野のこもとめいこ♂です。HOBBY Watchにおいて昨年に引き続きタミヤのオンロードツーリングRCカー「TT-02シャーシ NSX」を走らせつつ、新しい企画を模索しています。2022年の締めくくりとしまして、今回は「冬休みに組み立てる・遊ぶという観点」でオンロードRCカーを5種類選んでみました。

 RCカーには舗装されていない所も難なく走る「オフロード」と、舗装された場所を走ることが前提の「オンロード」があります。オフロードタイプは防水処理などもされています。一方オンロードRCは小さなものならばカーペットやフローリングなど、家の中でも遊べます。

 オンロード車はコンパクトな足回りを活かしたスタイリッシュでリアルなフォルムが大きな魅力。また、高車高で路面を選ばず走れるオフロード車に対し、低車高で、平らな路面に適したタイヤによる高速走行も可能、という特徴を持っています。今回は新製品を中心に、本格RCから楽しむためのトイラジコンまで選んでみました。

タミヤ「1/10RC タイレルP34 1977 アルゼンチンGP」

「1/10RC タイレルP34 1977 アルゼンチンGP」
発売日:2022年7月30日
価格:21,780円
全長:435mm
スケール:1/10
メーカー:タミヤ

 F1史上唯一の6輪マシン、タイレルP34の1977年アルゼンチンGP仕様を再現したオンロードRCカーです。タミヤのタイレルP34は遡ると、RCカーの第3弾として1977年に発売されました。その後絶版となったものの、2000年にF103シャーシを6輪に変更し、専用バッテリー仕様で復刻されました。そして2010年にポリカーボネートの新規ボディを搭載して大幅に走行性能がアップしました。

 「1/10RC タイレルP34 1977 アルゼンチンGP」はタイレル6輪最終年となった1977年アルゼンチンGP仕様で復刻した商品。プロポシステムとバッテリーは別売りの組み立てキットで、走行にはLFバッテリー推奨ですので注意が必要です。

選考理由

 筆者のような1970年代後半のスーパーカーブーム世代にドンピシャの6輪タイレルのRCカーということが最大の選考理由です。現在はレギュレーションで禁止されてしまったF1の6輪は、SFのようなカッコ良いメカとして当時の子供に大人気でした。

 小学生でタミヤのRCカーに手が出なかった筆者が初めて買ったのも、トイラジの6輪タイレルでした。そんな世代にとって特別なタミヤのタイレルP34、今回はポリカーボネートボディではなく、1977年の発売当時を思わせるプラスチック樹脂のボディとなっています。

こちらは「1/10 電動RCカー タイレル P34 1976 日本GPスペシャル」ポリカーボネートボディ仕様の製品。プラスチック樹脂ボディよりも表現のディテールが甘いところがありますが、軽く、耐久力に優れています

 強化樹脂になったとは言え、ポリカーボネートに比べれば破損しやすく重く、タイムアタックをするようなレースには不向きです。しかしモールドの細かさ、実車を所有しているタミヤならではのフォルムの正確さなど、樹脂成形ならではの再現性があります。

 あの頃手に入らなかったタイレルP34を組み立てる! という興奮は何物にも代えられないものがあります。実車の6輪タイレルはその機構の複雑さもあってトラブルが多発、短命に終わりましたが、RCでは安定性が増すという6輪のメリットがたっぷり楽しめます。4輪とはまた違った感触が楽しめるので、当時タイレルP34をご存じない方も、1度組み立てて独特の走行を楽しんでほしいと思います。

タミヤには実車の6輪タイレルP34が保管されている

タミヤ「1/10RC TRFシリーズ No.283 TB EVO.8 シャーシキット」

「1/10RC TRFシリーズ No.283 TB EVO.8 シャーシキット」
発売日:2022年12月17日
価格:87,780円
全長:全長385mm
スケール:1/10
メーカー:タミヤ

 シャフトドライブ4WDならではの駆動効率とレスポンスの良さが特徴のタミヤツーリングカーシャーシTB EVO.シリーズの最新モデルです。新形状カーボンシャーシと最小となるアッパーデッキを組合わせて、走行に最適なピッチング剛性と低重心を実現しています。

 モーター搭載位置、トー角などを様々なポジションで調整可能で、ピニオンギヤのスパーギヤとの間隔の調整(バックラッシュ調整)のしやすさなど、メンテナンス性が向上したレーシーなシャーシとなっています。

選考理由

 四輪駆動のため、モーターの力を前後輪にどう伝えるかはいくつかの方法がありますが、レース向けでは「ベルトドライブ」と「シャフトドライブ」のどちらが優れているか、RCレーサーの間でもしばしば話題となります。シャフトドライブはタミヤがベルトドライブを取り入れる前から使っていた方式で、「タミヤの伝統」ともいえるものです。本商品は、シャフトドライブ方式を採用しているシャーシの最新ハイエンドモデルです。

 ベルトドライブ方式は部品点数を少なく、比較的軽量で造れる特徴があります。それに対しドライブシャフトはギヤなどのパーツ点数が多くなり、大きく重くなりますが、作動が確実で、細かな調整が不要というメリットがあります。

 タミヤではレース向けにベルトドライブを導入してからも、シャフトドライブ4WDにもこだわり、熟成させてきました。そのシャフトドライブ4WDの最高峰が「TB EVO」シリーズで、今まで得られたデータを基に速さ、操縦性、メンテナンス性を追及して今回産み出されたのが、第8世代となる「TB EVO.8」なのです。

 サーキットを走っていると、ちょっとしたセッティングの違いで、操縦のしやすさが大きく変わります。筆者は色々部品を代えているうちにノーマルパーツがほとんど残っていないという経験をしているので、最初にハイエンドモデルを買った方が結局安上がりということもあると思っています。レースを目指すのであれば、検討してほしい製品です。

京商「1/27 電動RC ミニッツAWD ホンダ ネオクラシックレーサー レディセット」

「1/27 電動RC ミニッツAWD ホンダ ネオクラシックレーサー レディセット」
発売日:2022年12月
価格:27,500円(税込)
全長:全長150mm
スケール:1/27
メーカー:京商

 ホンダの純正アクセサリーメーカー、ホンダアクセスと京商とのコラボレーションで誕生した小スケールRCカーミニッツ、ホンダネオクラシックレーサーです。元になったのは、ホンダアクセスが東京オートサロン2019に出展した軽スポーツカーS660ベースのコンセプトモデル。

 おうちでドリフトを楽しめるミニッツAWDのシャーシに、実車メーカーとのコラボならではの再現性のボディが組み合わさり、上質な走行が可能。プロポシステムや工具もセットになっているので、送受信用の単4電池を用意するだけで手軽に楽しめるようになっています。4月にホンダアクセス公式サイトで先行販売が開始され、この12月から市販されることになった特別な製品でもあります。

選考理由

 1つ目の選考理由は何と言っても、ひと目見てのカッコ良さです。ホンダアクセスのコンセプトカーは全日本模型ホビーショーの京商ブースでも展示されていましたが、純正アクセサリーメーカーならではの、レーシーなのに市販車の様な滑らかなフォルムがとにかくカッコ良いのです。そしてそのフォルムを、コラボモデルだからこそ可能にした再現性でミニッツの小さなボディに落とし込んだカッコ良さが本製品にはあると思います。

 そしてもう1つの理由は、S660という小型車の魅力をより身近に感じられるミニッツならではの可愛さ、手軽さです。ホンダの社是とも言えるのがM・M思想「マン・マキシマム/メカ・ミニマム(人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小に)」ですが、S660はその思想を具現化した様な小さな車です。

 ミニッツの可愛さはその再現にピッタリ。また、筆者は大型のRCカーを走らせる場所探しで苦労してきたので、おうちで手軽に楽しめる点もオススメしたいポイントになります。公式サイトに走行動画がありますので、まずは可愛くも本格的なドリフトを見てほしいです。

CaDA「動くブロックキット ラジコン ダンプカー 工事車両」

「動くブロックキット ラジコン ダンプカー 工事車両」
発売日:2022年12月
価格:29,800円(税込)
全長:全長630mm
スケール:1/17
メーカー:CaDA

 CaDAは、香港の新進気鋭のメーカー、ダブルイーグル社のレゴ互換ブロック製品のブランドです。CaDAは海外の様々なブロック愛好家にライセンスを付与して開発された物を製品化しているのが特徴。このダンプカーはEricTrax氏が設計、開発を行ったものです。ブロック数は全部で3,067ピース、中級者~上級者向けですが、図説の解りやすい説明書があります。

 リモコン、USB充電の7.4Vリチウム電池バッテリー、モーター、ライトキットなどがセットされていて、送信用の乾電池を用意するだけで気軽に組み立てが始められます。

【EricTrax氏による製品解説】

選考理由

 ダンプカーがCaDAの他のブロック玩具商品と同じ規格のブロックで組み立てられていることに衝撃を受けたことが、選考理由の1つ目です。全長630mmという圧倒的な巨大さと、それがブロックの集合体であることに感動を覚えました。

 もう1つは、自由な発想で開発された、自由度の高い製品である点です。コントローラーにハンドルがオフセットされているユーモラスさもありつつ、荷台の上下や6輪駆動のシャーシなどの動作はとてもリアルになっています。

 それを自分で組み立てられることは勿論ですが、ブロックの拡張性の高さを活かして自分の考えで難しい作業無しに気軽に形を変えていくことが出来るRCというこれまでにない製品であることも、大きなオススメポイントです。

DEERC「ラジコンバイク HC-802」

「ラジコンバイク HC-802」
発売日:2022年12月
価格:9,920円(税込)
全長:全長350mm
スケール:1/6
メーカー:DEERC

 以前、幅広のタイヤと補助スタンドでドリフトするラジコンバイクで世界を驚かせた中国福建省DEERC社の新製品です。今度は倒れない6軸ジャイロを搭載し、2輪での前後進、前輪を持ち上げたウィリー走行、定置ドリフトのマックスターンまでこなします。1200mAhのバッテリー内蔵、送信用の乾電池を用意すれば、誰でも手軽にバイクのラジコンを楽しめます。

選考理由

 とにかく動画を見て衝撃を受けたのが選考理由です。糸で吊ってるんでは?合成では?と思える程に2輪で軽快に実車のオートバイ以上の走りを見せてくれます。とにかく楽しそうで、自分の手で走らせたくなります。

【DEERC ラジコンオートバイ HC-802】

 筆者もオートバイ歴30年になりますが、ウィリーもマックスターンも、バックの走行も経験はありません。それを自分の手で操作できるのは、とにかく興奮します。また、その高性能のオートバイがバッテリー送信機込みで10,000円を切るという、非常にリーズナブルな価格設定も驚異です。

 コントロールし易いスピードで、その場でのドリフトも可能なので、室内で楽しめる点もオススメポイントです。

 ようやくコロナ禍も先が見えてきて各種イベントも再開されるようになってきました。2年半の巣ごもりの間に、室内で楽しめるトイラジと呼ばれてきたラジコンが、子供向けの「トイ」から、より幅広い年齢層へ向けた「ホビー」の領域に進出し始めてきている様に感じます。

 2023年はツーリングカーと並行して、幅広いラジコンに挑戦したいと思います。