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【年末特集】2023年注目のミリタリーモデル! 「F-35B」、「震電 『ゴジラ-1.0』 劇中登場仕様」に、「大和 フルハルモデル 特別仕様」

 2023年のミリタリープラモデルではロシア・ウクライナ戦争の影響が見られた。2023年1月にはアメリカとドイツが両国の主力戦車をウクライナへ供与することを決めたのだ。戦車には訓練を経たウクライナ兵が乗り込み、ロシア軍の戦車と戦いを繰り広げた。タミヤはデカールや塗装パターンでウクライナへ供与された戦車を再現し販売した。これらの商品は基本的には再販で、デカールや塗装指示をアップデートしたものだった。

 本稿では2023年に発売された各社のミリタリープラモデル新商品を紹介したい。今回ピックアップしたプラモデルは、モチーフ、スケール、時代もまちまちで、ミリタリーモデルの奥深さを提示してくれている。ぜひ手に取って欲しい。

タミヤ、「1/48 ロッキード マーチンF-35B ライトニングII」

メーカー:タミヤ
12月9日発売
価格:10,780円
スケール:1/48

 「F-35B ライトニングII」は1種類の機体とその派生型に集約する計画に基づいて開発された多用途戦闘機「F-35」のバリエーション。タミヤでは2022年12月に「1/48 F-35A」を2022年12月に発売、1年でバリエーションである「F-35B」の発売となった。これはタミヤのプラモデル展開でも早いペースとのこと。

 「F-35B」は海兵隊が運用するAV-8B ハリアーIIの後継機として開発が進められ、コクピットとエンジンの間に設けられたリフトファンと、エンジンノズルの向きを変えることができる3ベアリング回転ダクト・ノズルにより、通常の戦闘機のような長い滑走路がなくても離陸・着陸が可能な、短距離離陸/垂直着陸(STOVL)を実現している。この機構を持っている上に、超音速飛行が可能。そしてF-35ならではのステルス性、高い状況把握能力を持っており、「新世代戦闘機」の姿をまざまざと提示していた存在だ。

 プラモデルでは「F-35A」と一部の部品は共有のものの、かなりの部品を新規造型でF-35Bを表現。大きな魅力はコクピットの後ろにあるリフトファンと、真下に折れ曲がる回転式エンジンダクト・ノズルの再現だろう。本キットでは駐機状態(通常離着陸状態)、短距離離陸状態、垂直着陸状態の3つの形態の中から1種類を選んで組み立てられ、さらに付属のスタンドにより垂直着陸時のホバリング状態で展示できる。主翼下の搭載ステーションにも兵装を満載したビーストモードも再現可能と、決定版と言える商品となっている。

【F-35B】

タミヤ、「1/35 ドイツIV号戦車F型・伝令バイクセット“北アフリカ戦線”」

メーカー:タミヤ
11月18日発売
価格:5,500円
スケール:1/35

 1/35スケールのミリタリープラモデルは人物の細かい描写までが可能となる。タミヤのプラモデルでは実際に当時の軍装を再現した人物を3Dスキャンし原型を作成、リアリティを強く追求している。水筒や双眼鏡などの人物が持つ装備はもちろん、戦車に取り付けられた工具箱や、測量器具、スコップなども非常に精密に再現されており、その兵器がどのように運用されているかをまざまざと想像することができる。

 「1/35 ドイツIV号戦車F型・伝令バイクセット“北アフリカ戦線”」はドイツIV号戦車で、短砲身の7.5cm砲を搭載した最後の型式のF型と、伝令バイクのセット。乗員や歩兵士官、オートバイ兵の全身像6体、無線手の半身像1体が付属し、リアルな戦場の姿を描写している。伝令と戦車兵達がどんなドラマを繰り広げるか、想像力が刺激されるキットだ。

【ドイツIV号戦車F型・伝令バイクセット】

ハセガワ「九州 J7W1 局地戦闘機 震電 『ゴジラ-1.0』 劇中登場仕様」

メーカー:ハセガワ
12月27日発売
価格:3,300円
スケール:1/48

 情報公開と同時に大きな話題になったのが、「九州 J7W1 局地戦闘機 震電 『ゴジラ-1.0』 劇中登場仕様」だ。現在公開中の映画「ゴジラ-1.0」に登場する震電を再現したプラモデルが早くも登場するのだ。映画でのゴジラは戦後まもなく復興しつつあった東京を襲う。

 震電は第二次世界大戦末期に大日本帝国海軍が試作した局地戦闘機。機体後方にプロペラ、機首付近に小翼を配した前翼型という特殊なシルエットを持つ。対爆撃機用に特化した高速戦闘機として設計された。史実では試験飛行はされたものの、実戦配備される前に終戦を迎えた。映画ではゴジラに立ち向かうために空を飛ぶ。商品ではデカール(マーキング)により、劇中仕様を再現している。

【震電 『ゴジラ-1.0』 劇中登場仕様】

アオシマ、「海上自衛隊 救難飛行艇 US-2 20周年記念パッケージ」

メーカー:アオシマ
2024年4月発売予定
価格:6,380円
スケール:1/144

 救難飛行艇 US-2は、新明和工業による、水陸両用の救難機だ。荒天の洋上でも離着陸できる事が最大の特徴となっている。2007年に哨戒艇のPS-1を母体とするUS-1から任務を引き継ぎ運用されている。救難機として1から設計されたため、離着水時の操縦性、患者輸送環境、洋上救難能力に重点を置いており、港のない離島でも着水することで近くに行くことができ、患者をケアしながら施設へと運べる。日本の人々の命を支える機体の1つである。

 アオシマは試作機である「US-1A改」の初飛行から20年を記念して、豪華特典が付いた限定仕様の「US-2」を2024年4月に発売する。特典内容は、アメリカ軍や航空自衛隊への納品実績を持つ「navy gear 4U」で製造した「20周年記念ロゴマーク(新明和工業協力)」のワッペン(9cm×9cm)が付属。また、キットは「US-2」、「US-1A改 試作1号機」、「US-1A改 試作2号機」の3タイプから選んで製作することができる。通常版は現在でも販売されているが、20周年記念パッケージは要チェックだ。

【US-2 20周年記念パッケージ】

フジミ、「1/700 日本海軍戦艦 大和 フルハルモデル 特別仕様(エッチングパーツ付き)」

メーカー:フジミ
2月14日発売
価格:7,150円
スケール:1/700

 "フルハルモデル"とは、艦底部分を省略した「ウォーターライン」シリーズに対し、艦艇まですべてを再現したモデルを指す。フジミが以前展開していた艦底付きの「帝国海軍シリーズ」の復刻商品であり、コレクション性の高さも魅力だ。

 日本海軍戦艦 大和は、大日本帝国海軍が建造した大和型戦艦の1番艦。46センチ砲を搭載した超弩級戦艦であり、建造当初、世界最大の戦艦だった。連合艦隊の旗艦であり、艦船モデラーにとって独特のロマンを持つ船といえるだろう。

 本商品は昭和20年/天一号作戦時の日本海軍戦艦大和を再現したキット。リニューアルに当たり、機銃などは塗り分けしやすいようなパーツ構成となり、説明書も一新している。細部に至るまで細密に表現できるエッチングパーツにより、付手摺り、ラッタル、窓枠、支柱などを収録している。

【日本海軍戦艦 大和 フルハルモデル 特別仕様】