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タミヤの新作「1/48 F-35B ライトニングII」はほとんどのパーツを新規設計で誕生【#全日本模型ホビーショー】

STOVL機の3形態を選択できるキット

【第61回 全日本模型ホビーショー】

開催期間:9月30日~10月1日(業者招待日:9月29日)

会場:東京ビックサイト(南1,2ホール)

入場料:1,200円(中学生以下:無料)

 全日本模型ホビーショータミヤブースの目玉の1つが「1/48 ロッキード マーチン F-35B ライトニングII」である。12月発売予定で、価格は10,780円。

 F-35BはロッキードマーチンF-35のバリエーション。F-35はアメリカ合衆国、イギリス、カナダ、及びそれらの同盟国による「統合打撃戦闘機計画」で生まれた戦闘機で、空対空戦闘機、艦載機、攻撃機など様々な役割を持つ戦闘機をF-35一種でまかなおうとする計画であり、F-35はバリエーションで大きく異なる性能が与えられることとなった。

コクピット後部のハッチが開き、エンジンノズルが下を向く。F-35BはF-35Aとは全く異なる戦闘機だ
こだわりのエンジンダクト。ディテールと組み立てやすさを両立
3タイプでの組み立てが可能

 F-35はA、B、Cの3タイプが製造されることとなった。F-35Bは海兵隊向けの機体。回転式エンジンダクト・ノズルとリフトファンにより短距離離陸/垂直着陸(STOVL)が可能となっている。アメリカ、イギリス、イタリアに続き、2019年8月には日本の航空自衛隊も導入を決定した。世界初の超音速STOVL機となっている。

 タミヤは昨年12月に発売した「1/48 ロッキード マーチンF-35A ライトニングII」に続き、35Bの発売も決定した。今年の夏には1/72のF-35Aも発売しており、速いペースでの商品展開と言える。

 AとBは一見同じように見えるが、内部機構が大きく異なっている。F-35Bは機体尾部のエンジンダクトが90度折り曲がって噴射面を地面に向けた上、コクピット後部のハッチを開き、機体中央のリフトファンを作動させることでヘリコプターのように垂直方向への推力を発生させることが可能なのだ。このため垂直離陸とまでは行かなくても、極めて短い距離での離陸が可能となっている。そしてこの機構を使うことで垂直着陸が可能なのだ。

 垂直離着陸が可能な戦闘機としては「ハリアー」が知られているが、F-35Bは垂直離陸はできないが、ハリアーができない超音速での飛行が可能で、ステルス能力、極めて高い攻撃力を持っている。F-35Bはハリアーの後継機として現在交代が行われている。

 このF-35に対し、タミヤはこだわりの立体化を行っている。昨年発売したF-35Aと比べ、ほとんどのパーツを新規作成。似て非なるF-35Bを再現すべく様々なポイントに注力しているという。

エアダクトの間にリフトファンが搭載されている
部品では背景が黒いところが新造パーツ。かなりの部品が新規設計だ
35Bはエンジンノズルが短い
機体下部のウェポンベイ。右が35Aで左がB。Aの方が大きく、搭載兵器も変わってくる

 「1/48 ロッキード マーチン F-35B ライトニングII」は「駐機状態」、「短距離離陸状態」、「垂直着陸状態」の3タイプを選んで組み立てが可能で、特徴的なエンジンダクトだけではなく、機体中央下部の「偏向ルーバー」も2種類用意されているという。大きな特徴のエンジンノズルは組み立てやすさも考えたパーツ分割を行い、先端部分のエンジンノズルも35Aに比べて短い形状をしっかり再現しているとのこと。

 F-35は機体中央にミサイルや爆弾を収納し、ハッチを開いて武器を発射するウェポンベイを持っている。ステルス能力と武器搭載能力を両立する優れた機能だが、中央にリフトファンが配置されているF-35Bは35Aに比べウェポンベイが小さくなっている。また容積の関係で搭載する武装も変わってくる。プラモデルではこういった点もきちんと再現しているという。

 このほかにもフラップや水平尾翼の位置を考えた組み立てなどもしっかり考えられている。さらに短距離離陸/垂直着陸を演出するためスタンドが装備されているのもうれしいところ。このスタンドの取り付け口は磁石がついており、使用しないときはパーツできちんと隠すことが可能だ。F-35Aと同じく、タミヤの「1/48 ロッキード マーチン F-35B ライトニングII」も、決定版と言える商品となりそうだ。組み立ててみたいと強く思った。

浮かせた状態で飾れるスタンドが同梱
スタンド接続部は、磁石付きの蓋で隠せる
この曲がったエンジンダクトがカッコイイのだ
尾翼やフラップの形状は選択して組むことが可能