特集

Cerevo、モニターと連動LEDで“映える”フィギュア撮影ブース「ESTELLAS」発表

「ペルソナ3」召喚器もついに全貌公開

【Cerevo事業戦略説明会】

7月23日 実施

【ESTELLAS(エステラス)】

発売予定:2025年春頃

販売価格:未定

 株式会社Cerevoは、現在開発中の新製品として、“映える”撮影に最適なディスプレイ付きフィギュア展示・撮影ブース「ESTELLAS(エステラス)」を7月23日に実施した同社の事業戦略説明会にて発表した。2025年春頃の発売を予定しており、価格は未定だが、同社によると、5万円未満の価格で発売したいとしている。

 本稿では、事業戦略説明会にて実際に現地で撮影した新製品などの模様をレポートしていく。

“映える”撮影にフィギュアへの“想い”を込めた展示もできる! 新製品「ESTELLAS」

 「ESTELLAS」は19型ディスプレイを搭載したフィギュアの展示・撮影ブース。解像度は1,280×1,024ドットで、映像や静止画など、好みのビジュアルを表示させて、フィギュアの背景として利用できる。また、自在に配置が可能な有線のライトバーを2本搭載し、フィギュアをライティングできる。

 ライトバーはフルカラーのLEDを150個搭載しており、任意の色に設定できる。さらに、発光部位を変更して光を当てる高さを変更したり、ディスプレイの映像などの色味などに応じて自動で色を切り替えたりもできる。ライトバーの前面にあるパネルは電動で開閉可能となっており、光の絞り具合をコントロールできる絞り機構となっている。

 ブースの土台部分は白と黒のリバーシブルになっており、フィギュアや背景に合わせて変更可能。展示用のクリアケースなども別売オプションとして用意するという。

 ディスプレイで表示可能な映像については、本体にストレージを内蔵しているため、スマートフォンと連携して専用アプリを介することで、動画や静止画を転送して本体のみで利用が可能だ。なお、外部入力端子については搭載していないため、PCやスマートフォンを接続してのディスプレイとしての利用はできない。また、USBメモリやmicroSDカードなど、外部ストレージの利用については、現在検討中としている。ブース本体のサイズは幅41×奥行き430×高さ330㎜で、ライトバーは幅50×奥行き50×高さ370㎜となっている。

ディスプレイに映した背景を使った撮影に最適な、ディスプレイ付きフィギュア展示・撮影ブース「ESTELLAS(エステラス)」
ESTELLASの構成は、土台と背面部の19型ディスプレイ、有線接続で自在に配置可能な2本のライトバーで構成されている
背景として使える19型ディスプレイでは静止画のほか動画の映し出せる。フィギュアを置かずに映像を流すための什器としても活用できるという
ライトバーには電動絞り機構を備えるほか、ディスプレイの表示内容と連動してLEDの点灯色を自動制御する機能も備える
その他の製品仕様

 実際に現地で撮影してみたが、ライトバーと背景ディスプレイを活用する事で、普通にフィギュアを撮影するよりもフィギュアに躍動感をもたせたり、通常のライティングでは得られない想いを込めた演出が追加できる製品と感じられた。

 一方で、全体写真を見ても分かる通り、ブースのサイズは高さが330mmとなっており、一般的なサイズのフィギュアだと全体を入れて写真を撮るにはややブースのサイズが物足りない印象を受けた。そのため、表情をアップにするなど「ESTELLAS」のサイズを意識したレイアウト取りが必要になる。

 この点について尋ねたところ「これ以上のサイズアップはそのまま価格にはね返ってしまうため、このサイズに落ち着いた」という。また、「一般的な撮影ブースは非常に安価な製品も多く競合とは考えておらず『ESTELLAS』はあくまでも“映える”フィギュア撮影をする事が主眼のため、表情をアップで撮るなど、ライティングや背景ディスプレイのビジュアルと組み合わせた撮影を行なうための製品だ」とのお話も伺えた。

 さらに、同社では前述した通り撮影だけでなく展示などでの活用も想定しているようなので、お気に入りのフィギュアを飾るための専用の展示台として「ESTELLAS」を活用するのは確かに魅力的な使い方の一例と言える。

 筆者個人としては、汎用的な撮影ブースとしても活用しつつ、映えるビジュアルも撮れる撮影ブースとして「ESTELLAS」を活用したいので、例えばディスプレイ部に板を装着することで、大きめな撮影ブースとしても使えるようなオプションを用意するなど、幅広い活用ができる製品に昇華してほしいと感じた。

 2025年春頃発売とのことで、最終的にどのような製品に仕上がるのか、今から楽しみな製品と言える。

1/7スケールのフィギュア全景を撮ろうとすると、どうしても背面ディスプレイの中に収まりきらない
グッドスマイルカンパニーの1/7スケールフィギュア「ウマ娘 プリティーダービー ミホノブルボン 栗毛のサイボーグ」が見本で使用されていたので、背景の色に合わせてアップで撮影してみた。赤色のライティングで撮影するとミホノブルボンが従来のカラーよりも妖艶な雰囲気をまとう
緑色だと同じフィギュアながらも、なんだか少し清々しさが感じられる
青色になると、レース中の疾走感が感じられる
ゲーム「NieR:Automata」に登場する「NieR:Automata 2B(ヨルハ二号B型)」のフィギュアも見本として展示されていた。こちらは木々が生い茂る背景が設定されている
背景が変化することで、フィギュアの佇まいも大きく変化する
同社作例。表情をアップにすることで世界観が構築され、フィギュアの存在感が際立つ
本体背面部。現段階ではまだプロトタイプのため、キースイッチが用意されているが、実際の製品では本体にこうした操作部が組み込まれる予定だという。また、ディスプレイを支えるスタンドについても「実際の製品で無くして背面をすっきりさせたい」とのこと
試作段階では、ディスプレイ部の厚みがそれなりにあるように見られる。製品ではもっと薄型化されるだろうか?

「DOMINATOR -10TH ANNIVERSARY EDITION」の2次販売予約がスタート!

 事業戦略説明会では、発表済み製品についての続報や詳細についても語られた。同社スマートトイ製品の代名詞とも言える大人気トイ「DOMINATOR」については、2023年に発売した第2弾製品「DOMINATOR -10TH ANNIVERSARY EDITION」の2次販売が行なわれる事についての経緯や予約開始についての情報が語られた。2次販売については、本日7月23日からCerevoオフィシャルストアにて予約受付を開始、2024年冬の出荷を予定しているという。

 「DOMINATOR」は2016年に発売した同社初のスマートトイ製品。アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」に登場する同作品を象徴する武器「ドミネーター」を劇中の機動シークエンスや音声、変形機能なども盛り込んで再現した製品となっている。

 本製品は2019年3月に、部品調達が困難などの理由から生産を終了したものの「復刻してほしい」という要望が非常に多く寄せられていたため、2023年9月に「PSYCHO-PASS サイコパス」の放送10周年を記念した復刻モデルとして、「DOMINATOR -10TH ANNIVERSARY EDITION」を数量限定で販売した。しかし、そちらもすぐに完売してしまったため、今回の2次販売に至ったという。

□「DOMINATOR - 10TH ANNIVERSARY EDITION」再販分

「DOMINATOR」は2023年に発売された「DOMINATOR -10TH ANNIVERSARY EDITION」の2次販売がスタート
アタッシュケースに収納して持ち運び可能
7月23日より2次販売の予約受付を開始。出荷予定は2024年冬

 また、ゲーム「ペルソナ3 リロード」に登場する「S.E.E.S.制式召喚器」(EVOKER)についても、専用アタッシュケースや腕章、専用のホルスターなどの付属アイテムが公開されたほか、本体デザインも2月の「ワンダーフェスティバル2024[冬]」に公開されたの頃よりも塗装などが施され、アップデートされていた。

 アタッシュケース内には、ホルスターや腕章などの付属アイテムが同梱できるようになっており、持ち運びしやすい仕組みになっている。なお、現在監修中のため、発売日や価格については未定のままだが、7月28日開催の「ワンダーフェスティバル2024[夏]」にて展示予定とのことだ。

ゲーム「ペルソナ3 リロード」に登場する「S.E.E.S.制式召喚器」(EVOKER)は塗装など本体のディティールが2月よりもさらに洗練されていた
通常モードでは緑色に点灯
「テウルギア」モードでは赤色に点灯して形状が変化するが、ギミック自体はまだ稼働していなかった
付属アイテムと召喚器を一緒に持ち運べるアタッシュケースが用意
専用ホルスターも付属する
S.E.E.S.の腕章も用意される
これらアイテムは7月28日の開催される、ワンダーフェスティバル2024[夏]でも展示される

 説明会の会場では他にも、7月11日に発売したミニ四駆に組み込むことでスマートフォンからコントロールするラジコンに改造可能なキット「ミニHack!」についても新モデルが展示されていた。従来製品の「MKZ4」では、はんだ付けなどを行なう必要がある工作キットだったが、今回のモデルは、はんだ付け不要で、筐体の加工や組み立てなどの工作作業のみで簡単に改造できるキットになっており、手軽にミニ四駆の改造が楽しめる。価格はキット単品で9,900円。

7月11日発売済みの「ミニHack!」はミニ四駆に組みこむ事で、スマートフォンからコントロール可能なラジコンに改造できるキット
同社ではキット単体でも販売しているほか、はんだ付けが必要な「MKZ4」や、キットとミニ四駆がセットになった製品なども販売している
市販のガチャガチャなどの空のカプセルを利用して、かわいいFMラジオが作れる電子工作キット「カプセル型FMラジオキット」の完成品も展示されていた

8月2日にはヒビノ株式会社から新たなIPのスマートトイが発表に

 事業戦略説明会では、代表取締役の大沼慶祐氏より、同社の生い立ちや歩みなどについて語られた。2008年創業の同社は、まだIoTが一般的ではない時期にIoTベンチャーとして立ち上げ、当初からネット接続のデジタルカメラ「CEREVO CAM」やライブ配信機器「LiveShell PRO」を発売するなど、インターネット経由のライブ配信に力を入れてきた。その後も、様々なライブ配信関連機器を開発、発売し、それらが同社の現在の主力製品となっており、多くのテレビ局などでも採用されている実績などについて語った。

 スマートトイ事業の立ち上げは前述の「DOMINATOR」のリリースが2016年で、以降はアニメ「攻殻機動隊」などに登場するメカ「タチコマ」の1/8モデル(販売終了)や、アニメ「ソードアート・オンライン」に登場する片手剣「エリュシデータ」(販売終了)など多くのスマートトイを発売している。

 Cerevoは2022年にヒビノ株式会社の連結子会社としてヒビノグループに参画しており、「今後もライブ配信機器を主力事業としながら、そこで得た利益をスマートトイ事業に再投資し、他では出せない魅力的な製品をリリースすることで、さらに業績を伸ばしていく」と現状と今後について語った。

 同社がスマートトイ製品に取り組むきっかけや流れについて聞いてみたところ、スマートトイ事業を担当する同社取締役の椚座淳介氏は「『ペルソナ3 リロード』の『S.E.E.S.制式召喚器』(EVOKER)のように、IP元の会社から声がかかる場合もあれば、自社で検討して開発に着手する場合もある。また、自社で取り組む場合、まずは現実に作れる物かというところを重要視し、それを常に模索している」とのことだった。

 また、現状で模索している製品がどのくらいあるのかについて尋ねると、「具体的な製品情報はまだ発表できない」としながら、ここで大沼氏から、「数年先まで色々と検討させて頂いており、随時IP元の企業とどのタイミングで公表するかなども含めて、仕込んでいる物がたくさんあるので、今後の発表を楽しみにしていてほしい」とのお話も伺えた。

 なお、本日の発表製品とは異なる新たなIPのスマートトイ製品については「Cerevoとヒビノ株式会社の協業で進めており、こちらは8月2日から名古屋で開催される『世界コスプレサミット2024』にてヒビノ株式会社が主となって発表する予定だ」とした。現段階では具体的な情報は得られなかったが、ヒビノ株式会社との協業によるシナジーがどのような製品を生み出すのか、こちらの発表情報についてもチェックしていきたい。

2008年創業のCerevoの歩み
Cerevo代表取締役の大沼慶祐氏
ライブ配信関連機器事業で売上基盤を形成し、スマートトイ事業ではブランディングに貢献する。という2つの主要製品群がCerveoの優位性だとヒビノ株式会社から評価されている
スマートトイ事業を担当する取締役の椚座淳介氏
ヒビノ株式会社側が主体となり、Cerevoが自社ノウハウを活かしてバックアップする新たなIPのスマートトイプロジェクトが進行中という発表もあった。概要は8月2日から名古屋で開催される「世界コスプレサミット2024」で発表される