特集

【年末特集】「大和」、「三笠」などの戦艦や、潜水艦の「らいげい」など、2024年オススメの艦船モデル

 様々な年末オススメホビー商品を紹介する「年末特集」、本稿では「艦船モデル」を紹介したい。全長263mの戦艦 大和は別格としても、飛行機や車と比べ遙かに大型の艦船をモチーフとしたプラモデルはその大きなシルエットと、詳細なディテール表現が魅力だ。

 艦船モデルはやはりモチーフが大きいからこその情報量の多さが魅力だ。部品が小さいため難易度が少し高いが、艦橋、煙突、対空兵装に、大砲……。これらを船の上に取り付けていくことで情報がぎゅっと詰まった軍艦ができあがっていく。部品1つ1つにしっかりした意味があり、組立を進めることでまるでカメラのピントが合うようにモチーフである艦船のはっきりした姿が浮かび上がってくるのが、たまらなく楽しい。

 そして艦船の装備は時期ごとに変わる。特に戦艦大和は航空機からの攻撃に対応するため短い期間で多数の対空機銃が搭載されその姿を大きく変えた。昨今のプラモデルは様々な時期の装備も精密に再現しているため、組み立てることで装備の運用思想や、時代背景も濃密に感じることができるのだ。

 本稿では「戦艦 大和」、「戦艦 三笠」をはじめとして、2024年に発売された5種の艦船モデルを紹介していきたい。

フジミ 「1/700 艦NEXT14EX-1 日本海軍戦艦 大和 昭和16年/竣工時 記念パッケージ」

【1/700 艦NEXT14EX-1 日本海軍戦艦 大和 昭和16年/竣工時 記念パッケージ】
2024年12月16日発売
価格:5,060円

 フジミの「1/700 艦NEXT14EX-1 日本海軍戦艦 大和 昭和16年/竣工時 記念パッケージ」は、12月16日の竣工日に合わせて発売された特別商品。フジミは2024年12月~2025年2月まで、姉妹艦である「戦艦 武蔵」も含め、様々な関連商品を販売していく。

 本製品は太平洋戦争が開戦して間もない昭和16年12月の竣工時の姿としている。このためその後で改良/改変される前の姿を専用部品により細かく再現しているところが見所だ。舷窓は後の不沈化対策で閉塞される前の状態で表現。艦橋パーツも竣工時の特徴である信号指揮所を再現している。

 喫水線で艦底/艦体パーツを分割しており洋上模型/フルハルモデルの両方が製作可能。最終時や昭和19年時との形状差異は、専用部品を起用して再現している。付録として完成後の展示用背景紙(片面フルカラー背景絵/片面モノクロ実物写真)が用意されている。

ハセガワ「日本海軍 戦艦 三笠 “日本海海戦”」

【日本海軍 戦艦 三笠 “日本海海戦”】
2024年6月12日発売
価格:7,480円

 戦艦 三笠は、連合艦隊旗艦となり東郷平八郎司令長官のもと日露戦争を戦った。アフリカ、インドを超え進軍してきたロシア帝国海軍のバルチック艦隊を迎え撃ち、5月27、28の両日にわたって激しい戦闘を繰り広げ、バルチック艦隊を撃破、降伏させた。

 主砲である40口径30,5cm連装砲塔、副砲の40口径15.2センチ単装砲14門はもちろん、当時最先端の三笠の装備をしっかり再現されている。三笠は横須賀市に大正時代から今でも記念館として保存・展示されており、内部にも入ることができるが、その戦艦の"現役"の姿を組み立てることができるのは本キットの大きな魅力だろう。プラモデルは1/350スケール、全長379mmで三笠を再現。日本海海戦時の装備を再現している。

ハセガワ「日本海軍 甲型駆逐艦 雪風 “天一号作戦”」

【日本海軍 甲型駆逐艦 雪風 “天一号作戦”】
2024年11月13日発売
価格:4,620円

 駆逐艦 雪風は太平洋戦争当時の主力駆逐艦であった甲型駆逐艦38隻のうち、唯一終戦まで生き残った。スラバヤ沖海戦から坊ノ岬沖海戦まで16回以上の主要な作戦に参加し大きな損傷を受けなかった本艦は「奇跡の駆逐艦」と呼ばれた。

 プラモデルでは戦艦大和と軽巡矢矧、駆逐艦8隻で編成された第二艦隊の沖縄救援のための「天一号作戦時」の姿を再現している。この作戦に参加するため雪風は、前部に25ミリ三連装機銃、2番砲塔を撤去して25ミリ三連装機銃を2基増設、甲板上に25ミリ単層機銃、13ミリ単層機銃を増設している。前後のマストに電探(レーダー)を装備するなど姿を変えた。プラモデルでこれらの装備を確認するのも楽しい。

アオシマ「海上自衛隊 護衛艦 あしがら」

【海上自衛隊 護衛艦 あしがら】
2024年11月13日発売
価格:4,620円

 イージス護衛艦「あしがら」は護衛艦「あたご」型の2番艦。2008年3月13日に就役し佐世保に配備された。本型の中核的な装備となるのが「イージス武器システム」。フェーズドアレイレーダーと高度な情報処理・射撃指揮システムにより、200を超える目標を追尾し、その中の10個以上の目標を同時攻撃する能力を持っている。

 62口径5インチ単装砲、Mk.15 高性能20mm機関砲2基、90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)SSM 4連装発射機2基など、現代兵器ならではの武装もしっかり組み立てることができ、イージスシステムとは一体どのようなものか、プラモデルを通じて興味もわくだろう。

 プラモデルは要点を抑えたパーツ構成で、シンプルで組み立て易く、かつ的確に再現できる。2020年代に実施されたロービジ塗装も再現可能。カラー塗装図、デカールが付属する。

ピットロード「JB37 1/350 海上自衛隊 潜水艦 SS-516 らいげい」

【JB37 1/350 海上自衛隊 潜水艦 SS-516 らいげい】
2025年1月発売予定
価格:4,290円

 「潜水艦 SS-516 らいげい」は、たいげい型潜水艦の4番艦。2023年10月17日の命名・進水式において「らいげい」と命名された。2025年3月に海上自衛隊に引き渡される予定だ。たいげい型潜水艦はリチウムイオン蓄電池を導入し、従来より高出力かつ急激な負荷の変動に対応できるディーゼルエンジンおよび発電機を搭載している。新型ソナーシステムなど最新装備の潜水艦である。

 プラモデルでは1/700スケールで再現。ワイド化した船体上部やセイル基部等、そうりゅうとの相違点も再現しつつ、組み立て、塗装がしやすいパーツ分割となっている。船体、セイルを覆う吸音タイル部分はモールド再現。潜舵上のハッチ形状が造船所により異なる2種類のセイルパーツ付属。「SS-516らいげい」、「SS-517 ちょうげい」の艦番号/艦名デカールが付属している。