インタビュー

【トランスフォーマー】「MPG-19 サウンドウェーブ&コンドル」開発担当者インタビュー

「音波祭り」第1弾はアニメイメージを極限まで再現したサウンドウェーブが登場

【MPG-19 サウンドウェーブ&コンドル】
2026年5月下旬 発売予定
価格:24,200円

 タカラトミーのハイターゲット向けホビーレーベル「T-SPARK(ティースパーク)」は、アクションフィギュア「トランスフォーマー」シリーズより「MPG-19 サウンドウェーブ&コンドル」を2026年5月下旬に発売する。価格は24,200円。

 トランスフォーマーの人気キャラクターを最新・最高の技術によって現代に甦らせる変形ロボット玩具・最高峰のブランド「マスターピース(MP)」の新たなステージ、GATTAI(合体)、GIANT(巨大化)、GREAT(グレート!)をテーマにした「MPG」シリーズ。

 その第19弾としてデストロン軍団の情報参謀「サウンドウェーブ」とカセットロン「コンドル」が立体化された。2013年にMPシリーズで立体化された「MP-13 サウンドウェーブ」から約10年。アニメ『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』のアニメカラーを再現したものとなっている。

「MPG-19 サウンドウェーブ&コンドル」

 「サウンドウェーブ」はアニメ『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』など「トランスフォーマー」第1世代シリーズ(G1シリーズ)に登場したデストロン軍団の情報参謀。デストロンのリーダー、メガトロンへの忠誠心が高く、腹心として活躍。カセットプレイヤーからロボットへと変形し、その中にはカセットテープからロボットへトランスフォーム(変形)するカセットロンを使役し、諜報活動などを行なう。

 本商品ではコンドル型ロボット「コンドル」が付属している。

 本稿では試作品の写真を交え、タカラトミー ホビーキャラクター事業室コレクター事業部の開発担当者に「MPG-19 サウンドウェーブ&コンドル」の魅力を聞くとともに、9月25日に配信された「T-SPARKライブ」で発表された「音波祭り」についても尋ねた。

【【アーカイブ配信中】T-SPARKの最新情報をお届け!【T-SPARK LIVE】2025年9月25日開催】

アニメのイメージを最大限再現した「サウンドウェーブ&コンドル」

――「MPG-19 サウンドウェーブ&コンドル」の開発経緯をお聞かせください

開発担当:「T-SPARKライブ」で発表しました「音波祭り」第1弾のキャラクターとして「サウンドウェーブ」が改めて商品化されました。PVでは今後登場するキャラクターのシルエットもあり、それらのラインナップを考えた時に横に並べて楽しむことも意識して、“あのキャラクター”のライバルがいないと寂しいと思い、今回改めてアニメカラーを再現した「サウンドウェーブ」を出そうと思ったのがきっかけですね。

MPG-19 サウンドウェーブ
背面も濃密なディテールが施されている
手持ち武器のブラスター

――造形について質問です。2013年にマスターピースシリーズで「サウンドウェーブ」と「コンドル」が出ていますが、構造やダイキャスト仕様は引き継がれているのでしょうか?

開発担当:そうですね。ダイキャストの部分はマスターピース同様にロボットモード時の足元などに使用しており、メッキ部分もスイッチ部分などに活かしています。

 そうした良いところやクオリティを引き継ぎつつ、アニメに準じたなじみのあるカラーリングに仕上げました。

――カセットプレイヤーの造形や意匠も引き継がれているのでしょうか?

開発担当:カセットプレイヤーへの変形手順も引き継ぎつつ、とはいえ、現実のカセットプレイヤーとは異なり、アニメに登場したデザインに合わせて色を変えている部分もあります。

 なので、例えば劇中でのスパイクが「サウンドウェーブ」と気づかずサイバトロン基地に持ち込んでしまい、テレトランワンにアクセスされてしまう場面に登場するカセットプレイヤーのデザインになるようにしました。

 現代ではカセットプレイヤーの実物を目にする機会が少ないかと思いますが、アニメで見比べても「これはサウンドウェーブだ」とわかっていただけるように心がけました。

カセットプレイヤーモードのサウンドウェーブ
側面にはスイッチ類の造形が施されている
ボリュームのつまみや外部電源のプラグ造形も入っている

――サイズはどれくらいになりますか? ジェネレーションスタジオシリーズよりもやはり大きいのでしょうか?

開発担当:ジェネレーションスタジオシリーズよりも大きめのサイズ感になっています。MPシリーズでも「MP-10 コンボイ」を皮切りに並べた際の各キャラクターの身長差が出るようになっています。

 ダイキャストを使用し、パーツ数も多く、変形へのこだわりを詰めている点は、MPシリーズから続く大きさに見合ったバリューであり、他のシリーズとの差別化として強く意識しております。

――本商品ではアニメ準拠のカラーリングが特徴ですが、こちらはアニメの設定資料などから決めてきたのでしょうか?

開発担当:アニメの資料はもちろん、実際にアニメを見て決めていきました。シリーズによって色合いが異なる部分もあったので、そこは「MP-13 サウンドウェーブ」がリアリティある暗めのカラーリングだったので、こちらと比較した時に明確に差が出るようなアニメのカラーリングを参考にして本商品の色合いに落ち着きました。

 また、ボタン部分はMPシリーズ同様のメッキ塗装で存在感ある色合いとなっております。

――MPシリーズと見比べるとアニメ準拠とあって、肩回りの細かい色分けされた部分は簡略化されていますね。

開発担当:元々MPシリーズではリアル路線をコンセプトとしていたため、細かい部分も塗り分けていました。

 しかし、実際のアニメではシンプルにまとめられていたので、直近のグッズイラストなどを見ると、MPシリーズは色情報が多くアニメイメージから離れている印象もあったので、これを機に「アニメのサウンドウェーブを立体化する」ことを意識した部分でもあります。

MPG版(左)とMP版(右)と比較

――コンドルもアニメ準拠のカラーリングになっているのでしょうか?

開発担当:MPシリーズではマイクロカセットを意識したデザインになっていたのですが、実際アニメを見るとカセットの模様などは簡略化されていたので色味も違っていました。

 また、カセットボットは「サウンドウェーブ」の胸部からイジェクト(飛び出す)のが印象的なので、アニメのシーンを意識した「コンドル」も見てみたいという思いもあり、今回のカラーリングとなりました。

コンドル
印象的な胸部への収納も可能
「コンドル」MPG版(左)とMP版(右)と比較

――可動についてはいかがでしょうか?

開発担当:可動については、サイズが小さい商品ですと変形するための可動とロボットモード時の関節の調整との兼ね合いを持たせている部分もありますが、その場合は関節の動きに限界があったり、違和感を覚えてしまうところがありました。

 MPシリーズでは、変形や関節の機構を一緒にできる部分と分けるべきところを明確にして、パーツ数の使いどころを吟味して他のシリーズでは難しい動きの表現を広げる機構を取り入れています。

コンドルを腕に乗せるポーズ
印象的なイジェクトのポーズを取ることが可能。ハンドパーツは人差し指も個別で可動し、スイッチを押す動きを再現できる

――続いてギミックとして、イジェクトもそうですが手に持たせるブラスターやスキャナーなどの再現は可能でしょうか?

開発担当:スキャナーはMPシリーズ同様に付属しており、手首に取り付けることができます。また、胸部のディスプレイパネルやクリアのエネルゴンキューブが付属します。

 なお、本商品ではMPシリーズにあったメガトロン銃は金型の都合によりオミットしております。それに代わる形で、エネルギーが充填されたクリアパープルのエネルゴンキューブパーツが付属しています。

 MPシリーズではパソコンから素材をダウンロードしてシートをクリアのキューブに入れる形でしたが、ユーザーへの負担やメガトロン銃がオミットされたことも考えて今回充填されたものが付いてきます。

 そして、イジェクトボタンはもちろん、早送りと巻き戻しボタンは押せるギミックが付いています。

エネルゴンキューブは胸部につないで充填するポーズが可能
スキャナーは手首に装着することができる
エネルゴンキューブはクリアと充填状態のクリアピンクの2種が付属する

――変形手順としてはどれくらいの難易度でしょうか? 例えば今回初めてMPGシリーズに触れる方でも変形しやすい商品でしょうか?

開発担当:「サウンドウェーブ」に関しては変形の難易度は簡単な方だと思います。

 例えば自動車や飛行機といった形が全く違うものになるトランスフォーマーよりも四角い箱型の形にすることや胸部部分がそのままカセットの取り出し口になるので、胸部を中心に各パーツを移動させていく形ですので、直感的に変形しやすいものとなっています。

【コンドル、イジェークト!「MPG-19 サウンドウェーブ&コンドル」のトランスフォームを一足先にチェック!【トランスフォーマー】】

――「T-SPARKライブ」でもありました「音波祭り」についてお伺いできればと思います。今回の「サウンドウェーブ&コンドル」が第1弾ですが、今後はどのようなトランスフォーマーが出てくるのでしょうか?

開発担当:そうですね。すでにPVのシルエット段階でお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、サイバトロンの通信員「ブロードキャスト」を計画しております。

 特に「ブロードキャスト」と「サウンドウェーブ」は切っても切れないような関係性で、私自身も横に並べてライバル関係を見ていたいという想いもありました。

 「ブロードキャスト」はジェネレーションスタジオシリーズなどで商品化されてきましたが、「アニメで見たブロードキャスト」を再現できたものがありませんでした。これまではシリーズごとに現代風にアレンジが加わっていましたので、ノスタルジーを感じるような馴染のあるデザインをMPGシリーズで再現しようと考えています。

 カセットボットに関しても、他のシリーズで商品化されていますが、アレンジが入っており、本来のアニメイメージや当時の玩具のイメージが薄れている部分があったので、MPGではアニメや当時の玩具のイメージを踏襲しつつデザインを進めています。

――MPシリーズとしては「ブロードキャスト」は初の立体化ですか?

開発担当:MPシリーズの時は商品化されていなかったので、今回トランスフォーマーの音撃戦士の一人としてMPGシリーズで初の立体化となります。

 なので、ジェネレーションスタジオシリーズでできなかったことをやりたいという想いもあり、様々なギミックも考えておりますのでぜひご期待いただければと思います。

――ちなみに、PVでは「サウンドウェーブ」、「ブロードキャスト」、カセットボットのシルエットに続き、もうひとつ大きめのシルエットもありましたが、こちらはどのキャラクターになるのでしょうか?

開発担当:こちらはやはり“生まれ変わったあの音撃戦士”を出していきたいですね(笑)

サイバトロンの通信員「ブロードキャスト」と思われるシルエット
“生まれ変わったあの音撃戦士”がMPGに登場予定

――商品展開としてカセットボット、カセットロンのセット販売などはありますか?

開発担当:一応計画としては、まず「ブロードキャスト」にカセットボットがセットで付いてきます。その他、カセットボットが何体か入っているセットも構想しております。

 さらに“生まれ変わったあの音撃戦士”と上記のラインナップとは別のカセットが付く形を想定しております。

人型と獣型の小さなシルエットが並んでおり、どんなカセットボット、カセットロンが登場するのか?

――“生まれ変わったあの音撃戦士”「音波祭り」も日本のトランスフォーマーファンにとっては親しみやすい響きでした。

開発担当:そうですね。「サウンドウェーブ=音波」としてファンの皆様の愛称として親しまれていることもあり、我々もインパクトのある打ち出し方をしたかったので「音波祭り」として展開していくことになりました。

――続いて「MPG-19 サウンドウェーブ&コンドル」のこだわりポイントを教えてください。

開発担当:こだわりポイントとしてはアニメカラーを意識したところもあるので、青の色味はかなり明るいものから暗いものまでどれが丁度いい塩梅なのかというのは開発段階で見比べながら試行錯誤を重ねていきました。

 あとはMPシリーズではリアル路線というところで金と銀がメタリックカラーを前面に押し出した色味だったのですが、アニメではセル画なので金属感のあるギラギラした表現はあまりないので、そこを意識してシルバーなどはグレーではなく金属感を抑えたシルバーになっています。

 一見するとセル画風の色合いでよく見るとシルバーになっていて、最高峰ブランドとしてしっかりと塗装もされているものとなっています。最高峰ブランドにふさわしいカラーリング、塗装になっているかと思います。

アニメのセル画を感じさせる明るい色合いを表現

――最後にユーザー様へのメッセージをお願いいたします。

開発担当:今回「音波祭り」が「MPG-19 サウンドウェーブ&コンドル」を皮切りに始まっていきます。

 「サウンドウェーブ」は人気のキャラクターで、トランスフォーマーは今年(2025年)で日本上陸40周年であり、つい最近知った方もいらっしゃるかと思います。

 ファンの方はもちろん、初めて触れる方にも「最高峰のサウンドウェーブ」を手に入れられるきっかけを作りたかった意図もあり、今回広く知られているアニメカラーで商品化させていただきました。

 また、「サウンドウェーブ」をきっかけに他のキャラクターを知ってほしいと考えております。特にライバルの「ブロードキャスト」はこちらも色々なギミックを詰め込んだり、アニメらしいスタイリングや並べて飾って劇中シーン再現ができるように開発を心がけています。

 MPGシリーズを通じて、もっとトランスフォーマーを知っていく入口として凝った変形も楽しんでいただき、末永くシリーズを愛していただければと思います。応援をよろしくお願いいたします。

――ありがとうございました。