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ロボット玩具「toio」が子供たちに音楽と創造性を与えるツールに! 「おんがくであそぼうピコトンズ」9月10日発売
2020年8月29日 11:59
- 9月10日発売予定
- 【ソフト単体】
- 価格:5,980円
- 【バリューパック(本体とセット)】
- 価格:19,980円(税込)
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下SIE)は、9月10日に発売するロボットトイ「toio(トイオ)」向けの新タイトル「おんがくであそぼう ピコトンズ」(以下、ピコトンズ)のメディア向けオンライン説明会を実施した。
「toio」は、白いロボット2体とデジタルとコントーローラーをプラットフォームに、様々な遊びを可能とする電子玩具。同社のPlayStationなどと同じように、本体とソフトという構成にわかれており、様々なソフトによって色々な遊びが可能となる。
開発を担当したSIEの中山氏は、「『toio』には開発当初から普遍のコンセプトがある」と語る。それが「つくって、あそんで、ひらめいて。」だ。これまで5本のタイトルがリリースされているが、どの製品の開発においても、このコンセプトに基づいて作られている。
今回の企画を開始するにあたり考えたのは、これまで踏み込めていなかった芸術の分野だった。中でも音楽は、”作る”、“ひらめく”というものとしても良い題材である。「toio」の創業メンバーの3名は、元々趣味で楽器をたしなんでいたということもあり、企画の検討が開始されたそうだ。
企画がスタートしたのは、昨年の5月頃だという。その当時に、映像作家でもあるキッチンの横田将士氏と河島知都氏を知人から紹介してもらった。また、キッチン経由で作曲家の烏田晴奈氏も合流。SIEの中山氏を含めた4名で企画検討を始めている。
クラシカルと電子的な演奏、そしてコンピューターならではの作曲手法を融合
「toio」のコンセプトである「つくって、あそんで、ひらめいて。」は、音楽に置き換えると「演奏」、「作曲」、「発表」になる。こうした体験を、子供たちに何度もループしてもらうとともに、大切にしたのが「どのような音楽の原体験を子供たちに与えることができるか?」であった。
今の子供たちが耳にするヒット曲の多くは、昔の人が聴いていた生楽器の演奏だけではない。DTMやDAWなどと呼ばれる、コンピューターを使った作曲やボーカロイドが歌っているような曲も、普通にヒットチャートにランクインしてきている。
そこで「ピコトンズ」では、クラシカルな弾けば鳴るといった楽器を主体とした演奏と、電子的な演奏、コンピューターならではの新しい作曲手法を取り入れたツールになることを目的にしている。
コンピューターで制御することの利点としては、あまり音楽が得意ではない、あるいは幼いためリズムも上手く叩くことができないといった子供たちでも、音楽が楽しめるように機能や仕組みが導入されているのだ。
キャラクターとゲームで遊びながら音楽の3大要素を学び、複数の楽器で直感的に演奏して本格的な作曲を体験。そして、曲を書き出せるようにすることで創作意欲を強めるという3つの要素が特徴となっている。
キャラクターと一緒に「プレイブック」を読み進めながら音楽の基礎を学習
「ピコトンズ」の3大特徴のひとつ目は、キャラクターとゲームで遊びながら音楽の3大要素であるリズム、メロディー。ハーモニーを学ぶだ。こちらは、プレイブックがマンガ仕立てになっており、それをクリアしていくことで徐々に音に親しみを持つようになり、リズム、メロディー、ハーモニーを順番に学んでいけるようになっている。
プロデューサー役のキャラクターとなっている、赤い「Mr.コンソール」は、「プレイブック」のナビゲーター役も果たしている。それだけではなく、プレーヤーを励ましてくれたり説明してくれたりもして、飽きずに楽しめるようになっているのだ。
フィギュアのAくんとBくんは、プレーヤーと同じ音楽の初心者という設定である。この3人のキャラクターと一緒に、音楽の冒険をしていこうというストーリーになっているのである。
この「プレイブック」を通して音楽を体験していくことで、飽きずにいつのまにか音楽の基礎が身につくように作られているのだ。たとえば、メロディーの項目の場合、ページ内の下部に鍵盤が表示されている。基本的には、こうした部分に直接キューブをタッチしたりスライドさせたりすることで音が鳴るようになっている。
また、ギターなどの場合はハーモニーやコードの演奏がタッチだけでできるといった感じだ。
直感的と論理的のふたつの音楽製作を同時に体験できる
「ピコトンズ」のふたつ目の特徴は、複数の楽器を直感的に演奏でき、本格的な作曲の体験ができるところだ。極限に簡単に演奏できるというところを目指して作られており、先ほども少し触れたようにキューブをマットにタッチするだけで音が鳴らすことができる。
そのため、楽譜が読めなかったり難しい音楽理論を知らなかったりしても演奏ができ、音楽を制作する敷居を下げている。それだけでは終わらず、テンポやスケールなども変更ができるなど、その後の展開についてもフォローしているのだ。
音の変更は、キューブを回転するだけでできる。せっかくデジタルを取り入れているので、トラックやパートなど、コンピューターで音楽を作成するときの概念も導入されているほか、コピーペーストにも対応している。また、DAWソフトなどではよく使われる、リズムのズレを直す「クォンタイズ」という機能も盛り込まれている。
こうしたものを駆使することで、直感的な音楽製作とコンピューターを使った論理的な音楽製作の両方を体験することができるのだ。
作った音楽は保存可能! 次の創作体験にも繋がる
3つ目の特徴は、「toio」として初めて作曲した演奏を外の世界に書き出せるようにしているところだ。具体的には、コンソールで作った楽曲を2次元コードとしてディスプレイに表示することができる。
こちらをサイトからスマートフォンなどで読み取ることで、高音質でアップロードした曲が消えるほか、MP3、WAV、MIDIといったフォーマットを選んでダウンロードすることもできる。
単純に曲がデータとして保存できるということも素晴らしいのだが、それよりも、自分が作った曲を家族や友人にシェアすることができるというのが重要なポイントだ。モノ作りにおいて、自分が作った作品に対してフィードバックしてもらえるのは、次の創作体験にも繋がりやすい。こうしたモチベーションを生み出すために、データを配りやすくしているのである。
ひと通り「ピコトンズ」の説明を聞いて、音楽を初めて触れるところから、徐々に新たなことを学んでいき、最後は自分だけの音楽を作り出せるところまで一貫して体験することができるという、素晴らしいプロダクトに仕上がっていると感じた。
子供向けというとバカにしてしまいがちだが、DAWなどの最新の音楽作成ソフトに少しでも触れたことがある人ならば、「こんなことまでできてしまうのか?」と、思わず驚かされるレベルである。
これまでも学習ソフトは多数あったが、ハイテクと組み合わせることでより親しみやすさやわかりやすさが増したものに進化している。先ほども触れたように、「toio」と「ピコトンズ」の関係になっており、これに限らず今後も新たなソフトが登場する予定だ。学校の授業とは異なる、新たな学びをこちらから始めてみるのもいいのではないだろうか?