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【静岡ホビーショー】KATOの鉄道模型「サウンドボックス」のシステムを実体験。“音鉄”や“乗り鉄”の需要にも応える、“音”による鉄道模型の演出を提案

発売中

価格:27,500円(税込)

 鉄道模型メーカーの老舗KATOが、今年の静岡ホビーショーで大きく展示していたのが、発売中の「サウンドボックス」のシステムを使ったHOゲージだ。このサウンドボックスと関連商品を揃えることで、これまで味わうことのできなかった鉄道模型の“音”による演出を楽しめるものだ。

「22-102 サウンドボックス」(中央)。発売中、価格は27,500円(税込)。走行を制御する「パワーパック」や「スマートコントローラー」と接続して使用する

 サウンドボックスは、各種スイッチとスピーカー、入出力装置を搭載した機器で、鉄道模型の線路に接続して使うことで、付属のスピーカーから車両の様々なサウンドを再生できるというもの。流れる音は別売の「サウンドカード」に収録されていて、対応の車両に合わせたものをサウンドボックスにセットすることで、その車両が出す駆動音や走行音、警笛、車内放送などの複数の音を聞くことができるのだ。

左の6つのボタンで対象の操作音が再生。通常は右にあるスピーカーから音が流れる
本体に差し込まれた「サウンドカード」。車両ごとの音が収録された別売のカートリッジだ

 驚かされるのは、ただ単純に音が鳴るだけでなく、走行させる車両のモーターの回転を検知して、その速度に応じて自動的に音が変わるということ。走行音を流しているときに、車両の加減速にシンクロして音が変わる様子は臨場感があり、実物を操作しているような気分を味わえるはず。

 サウンドカードは蒸気機関車、気動車、電車、電気/ディーゼル機関車、新幹線といったカテゴリーに分かれていて、鉄道会社の協力により実物から録音したものだ。新幹線など一部のサウンドカードは運転士ではなく、乗客の耳に聞こえる音を収録していて、駅や車内で耳にする放送音が再生されることにより、乗車しているような体験も可能だ。

サウンドカードには、ユーザーの操作によって音が変わる「コントローラー同調タイプ」と、再生される音によって車両の速度が変化する「サウンド同調タイプ」がある」

 音はサウンドボックス本体から出るので、展示されたHOゲージに限らず、Nゲージでも楽しむことができるが、展示で走行していたHOゲージのEF81には、専用の「車載スピーカー」が発売されていて、これを車両に搭載して、さらに送信機を別途用意することで、車両から音がなるという本格的なシステムも構築可能だ。現在発売されているのはHOゲージのEF81用のみだが、Nゲージ用の車載スピーカーも現在開発中とのこと。

EF81に搭載された車載スピーカー。通常は別売りだが、スピーカー搭載済みのカスタムモデルも発売されている
EF81のサウンドカードには、警笛、制動、連結、ATSなどの操作音が収録され、ボタンで再生が可能
別売りの「スマートコントローラー」を用意すれば、専用のアプリを介して車両の走行や音の再生をスマホやタブレットで制御できる

【KATO、サウンドボックスを使ったEF81の警笛・走行音】

 鉄道模型は、いわゆる“模型鉄”と呼ばれる鉄道ファンが主に楽しんでいる趣味だが、このサウンドボックスのシステムは、鉄道の音を楽しむ“音鉄”や、鉄道に乗って楽しむ“乗り鉄”の需要も満たしてくれるはず。筆者はTV番組やゲームなどでかじった程度の知識しかないが、音によって乗ったり走らせたりする気分を味わえたことに強く興味を惹かれた。新時代の鉄道模型の楽しみ方を提案するこのシステムは、各地の店舗でデモンストレーションが実施されているので、ぜひ体験してみてほしい。

【[KATO] サウンドカード 〈E233系〉遊び方ガイド】