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【静岡ホビーショー】配管作業用ロボットを競技へと昇華。パイプの中を動き回る「パイプロボット メカモグラ」は、この5月に世界大会も実施

【パイプロボット メカモグラ(組み立て完成品フルセット)】

3月発売

価格:41,800円(税込)

 静岡ホビーショーの南展示場の一角に、クリアパイプを組んだ奇妙なオブジェが作られていた。よく見るとその中に、尺取り虫のような形をしたロボットが走り回っている。これは一体何なのかと尋ねてみると、ブースの担当者から「配管作業用のロボットを使った競技」だという答えが帰ってきた。

 ブースを出展していたMANOI企画/ロボットゆうえんちは、配管などを検査するためのパイプ探査ロボットを競技用に改良した「パイプロボット メカモグラ」というロボット使って、透明なパイプをジャングルジムのように組んだコースを走ってタイムを競う「パイプロボコン」を、全国の科学館を中心に行っている。

一般公開日のブースの様子。タイムアタックで規定のタイムを切ることができれば、記念品がもらえた

 競技の主役となるメカモグラは、本体が「W」の形をしていて、左右と先端に合計8つの車輪が装備されている。この状態でパイプに入れると、本体の車輪のいずれかがパイプの内側に接地し、専用のコントローラーでパイプ内を自由に走らせることができるのだ。

 メカモグラは構造上、機首が曲がった方向に移動するようにできているので、コースのカーブや分岐点では、左右のレバーで本体を回転させて正しく曲がる方向に機首を向ける必要がある。逆に分岐点をまっすぐ進みたいときは、機首を分岐のない方向に向けるという、一風変わった操作が求められるのだ。

「パイプロボット メカモグラ」。専用の送受信機がセットの完成品とキット、本体だけの組み立てキットが発売中
中央の6つの車輪で前後に移動し、先端の2つの車輪でパイプの中を回転する
パイプの中では本体が常にテンションがかかった状態になっているので、垂直のパイプでも落ちることがない

 実際に操作をしてみると、ちょっとコツはいるものの、ラジコンカーなどを操作した経験があればそれほど難しいものではなく、なかなか面白いものだった。複雑なコースを特殊な動きをするロボットを走らせるために、論理的に物事を考えるプログラム思考能力が身に付くという点も提唱している。

操作方法はこんな感じ。コツを掴めれば簡単だ
専用の送信機。左のレバーで前後進、右のレバーで本体をパイプ内で回転させる
【「パイプロボット メカモグラ」のスタンダードコース走行の様子】
【「パイプロボット メカモグラ」のホビーショー特設ビッグコース走行の様子】

 タミヤのミニ四駆などと同様、遊ぶためには原則として専用のコースが必要なので、定期的に大会を行う科学館への派遣や導入の他、コースを常設または大会を開催できるおもちゃ店などへの売り込みも積極的に行っている。大会は貸出用のメカモグラで参加できるほか、自分で購入・製作したものや、レギュレーションに則って自作したものを使ってもいいそうだ。

 5月21日~22日には、大会を主催するパイプロボット普及協会のお膝元の山形の霞城セントラルにて、タイムアタックの世界大会も行われる予定だ。その模様はロボットゆうえんちのYouTubeチャンネルで配信される予定とのことで、本稿を見て興味が沸いた人はぜひそちらも見てみてほしい。また大会に参加すれば実物を触ることもできるそうなので、そちらは公式サイトをチェックしてみよう。

大会の決勝では、入口が2つ設けられたコースで対戦を実施するそうだ