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【模型ホビーショー】誰が組んでもかっこよく! アオシマ「ランボルギーニ アヴェンタドール Ver.2」は全く新しいプラモデルへの挑戦だ!

【ランボルギーニ アヴェンタドール Ver.2】

11月発売予定

価格:4,620円(税込)

 車をモチーフにした「カーモデルプラモデル」は人気のあるジャンルである。様々なプラモデルメーカーが、多彩なアプローチで様々な車を模型化している。憧れのスーパーカーから、カッコイイスポーツカー、生活に密着したファミリーカーや、街で見かける作業車などそのモチーフは様々だ。

 そして“プラモデル化の考え方”も様々なのだ。エンジンまでしっかり再現したモデル、金属のエッチングパーツを使用して質感を追求、あえて割り切った構成にして組みやすさを優先……実車をスキャンして本物の詳細なデータが得られる現代だからこそ、各社のプラモデル化の手法、対象ユーザーへの視点ははっきりしてくる。

「ザ・スナップキット ニッサン S30 フェアレディZ カスタムホイール」。ボディも含め無塗装だが、まるで完成品のミニカーのようなクオリティの高いモデルを、極めて簡単な組み立てで実現できる

 その中で非常にオリジナルな視点と手法を提示し、ユーザーから高い評価を得ているのがアオシマの「ザ・スナップキット」シリーズだ。まずボディがピカピカの光沢ある処理をしており、塗装を全くしなくても完成品のミニカーのような質感を実現している。内装パーツは折り曲げるだけで箱形に組み上がり、精密な仕上がり。そしてシールで質感を向上させることでまるで金属パーツを使ったような輝くパーツを追加できる。

 組み上がった外観はまるで高級ミニカーのようなのだ。シールはあえて耐久力が高くなるように工夫されており、たとえ貼るのを失敗して剥がしてもちぎれないし、しわもできにくい。この組み立ての簡易さからアオシマは「ザ・スナップキット」シリーズをプラモデル体験の教材としても活用しているが、実は大人こそ、例えばシールの位置をしっかり検討したり、面倒くさがらず説明書の全行程を落ち着いてできる、ということができる人にとって、とても魅力的なシリーズなのだ。このためリピーターがとても多い。「自分の手でこんなカッコイイカープラモデルが組める!」という感動が、ほかのモデルも組み立てたくなると言う。

「1/24 リバティウォーク LBワークス ランボルギーニ アヴェンタドール Ver.2」。完成品は塗装も施されているが、設計思想は「ザ・スナップキット」の“誰が組んでもかっこよく仕上がる”というものを受け継いでいる。より詳細で、質感の高い表現を実現している

 そしてこの「ザ・スナップキット」の思想を受け継ぎながらさらに完成したときのクオリティの高さを目指したのが「1/24 リバティウォーク」というシリーズである。今回は最新作「1/24 リバティウォーク LBワークス ランボルギーニ アヴェンタドール Ver.2」を前に担当者にその目指すところを聞くことができた。本商品は11月発売予定、価格は6,380円(税込)だ。

 ランボルギーニ アヴェンタドールは、イタリアのランボルギーニのスーパーカー。201に生産を開始し、今年の9月26日に生産終了として最後の1台が完成した。アヴェンタドールは扇子やうちわの意味だが、同じ名のスペインの闘牛場で活躍した有名な雄牛の名前が由来となっているという。デザインは航空機からインスピレーションを得て、V12エンジン、カーボンファイバーのモノコックの主要部品など最新技術が結集している。最高品質の豪華な内装も特徴であり、誰もが憧れるスーパーカーだ。

 「プラモデルって、本当に作り手の技量が出る。接着位置が0.1ミリ変わるだけで、例えばドアが本体にちょっとめり込んでしまったら目立ってしまう。それだけでモデラーと、初心者の差が浮き彫りになってしまう。こういうのを防ぎたかった。本当に誰が組んでも、きちんと同じように組み上がる、そういう商品を作りたかったんです」。商品担当者はこう語った。

 それはもはや「組み立て玩具」というプラモデルのフォーマットそのものへの挑戦だ。実際、「ザ・スナップキット」、「1/24 リバティウォーク」は完成した状態から商品仕様を考え、いかにここに誰でも到達できるかを考えて設計しているという。「技量をかけて組み立てれば、どこまでも完成度を上げられる」という従来のプラモデルの価値観そのものへ挑戦し、「誰でも簡単に完成見本と同じにできる」という目標が設定されているのだ。

できるだけ最小限になるように考えられたパーツ分割
成型色と表面処理で塗装しなくてもピカピカのボディとなる。この質感が本シリーズの人気の秘密だ
最小限のパーツ構成だが、色分けなども考えられている。シールも使用することで、質の高い完成品モデルのように誰でも組み立てられるのだ

 「ランボルギーニ アヴェンタドール Ver.2」のボディは組み立てやすさと格好良さ優先のため、ドアの分割すらしていない。特徴的なボディデザインをどこまで少ないパーツで、しかも決められた場所でしっかりパーツをはめ込むことができるか設定しているという。

 それでいながら特徴的なエンジンブロックや、ブレーキホイールなどもしっかり造形し、“車としてのリアルな雰囲気”ももちろん追求している。ブレークホイールは塗装したパーツを使うことで外装同様特別な質感を実現している。ブレーキランプはクリアパーツを使ってしっかりと際立つように工夫されている。

 ちなみに「Ver.2」というのは、モチーフそのものが「Ver.1」とは違うとのことボディ前面のスポイラーと、後ろのウィングの形が違うとのことだ。ボディの色が全く違うので、2つ並べて比較するのも楽しそうだ。

こちらはすでに発売されている「ランボルギーニ アヴェンタドール Ver.1」
比較すると前方のスポイラーやウィングの形が違う。もちろんボディの色の違いもコレクションの大きな理由になるだろう

 本商品は初心者向けに特化した「ザ・スナップキット」と違い、本格的なデカールも用意され、より繊細な表現も追求している。車高やキャンバー角も調整可能だ。組み立てやすい設計や、厳密に設定されたパーツの位置、完成したときの姿を追求した成型色の配色など、「誰でもカッコイイ形に組める」という目標を設定しながら、こだわりたい人向けにそのこだわりを活かすように“幅”も設けているとのこと。

 とてもユニークな思想の元に、「完成形」をスタートラインとして設定した「ランボルギーニ アヴェンタドール Ver.2」は魅力的なプラモデルだ。それでもやはりプラモデルは、実際に組んで見ることで新しい発見がある。筆者は「ザ・スナップキット」を組み立てることで従来のプラモデルそのものへ挑戦しようとする作り手の思いを感じた。「ランボルギーニ アヴェンタドール Ver.2」もぜひ組み立てて、そのポテンシャルを実感してみたい。

実際に組み立ててみたい商品だ