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【魂ネイション】「HI-METAL R オーガス」詳細レポート

各形態のプロポーションを重視、デザイナーの宮武氏も期待のフィギュア

【TAMASHII NATION 2022】

開催期間:11月18日~11月20日

開催場所:ベルサール秋葉原 B1F~2F イベントホール

 「TAMASHII NATION 2022」で参考出展されている「HI-METAL R オーガス」は内覧会で注目を集めた商品の1つだ。会場で実際に目にしたいという人も多いだろう。今回は参考出展で、発売日、価格は未定だが、発売決定の情報に期待したい。

 オーガスは1983年のアニメ「超時空世紀オーガス」に登場する機体。オーガスでは主人公桂木桂(かつらぎ けい)が作動させた時空震動弾により複数の世界が混じり合う混乱時空となってしまう。オーガスは桂が乗っていた足がついた戦闘機「ブロンコII」を、異なる世界の文明であるエマーンの技術で改造したロボット。4つの形態に変形することができる。

商品も設定通り4形態に変形可能。各形態でのプロポーションを重視しているという

 オーガスをデザインしたのは宮武一貴氏。宮武氏は「聖戦士ダンバイン」のコンセプトや初期のオーラバトラー、「超時空要塞マクロス」のマクロスやデストロイド、ゼントラーディーの兵器などのデザインも手がけている。独特の世界観を持ったメカは多くのファンを魅了している。オーガスは番組放映時は様々な商品が展開したが、その後はあまり商品化はされなかった。宮武氏は今回の商品化を喜んでいるとのことだ。

 「HI-METAL R」シリーズでは「マクロス」の可変戦闘機が多く展開している。「HI-METAL R オーガス」はこれまでの技術を活かし、4段変形を再現すべく開発が進められているという。難しいのは強度を持たせた関節。オーガスは手足のパーツ、特に肩とすね部分のパーツが大きい独特のバランスとなっている。

生物的な雰囲気のある頭部。宮武氏ならではの"異形感"を感じるデザインだ
ダクト部分などディテールがかなり凝っていることがわかる
ひじ部分にはアニメの設定デザインにはない関節も

 しかもこれらが大きく動き、各形態を形作るのだ。発売当時のプラモデルは関節部分に金属パーツを使用し変形を再現していたが、それでも関節の保持は難しく支えていないと曲がってしまったりしていた。「HI-METAL R オーガス」ではクリック関節、金属パーツなどを使用することで各形態の変形と、関節のしっかりした保持を目指していくという。

 変形に対して深いノウハウのあるコレクターズ事業部にとっても、オーガスの変形は複雑で課題が多いという。飛行形態の「フライヤー」では腰部分のコクピットが前にせり出し胴体はが後ろに折れ曲がるといった大胆な変形をする。このため関節設計そのものも様々な工夫が必要になっている。試作品もひじや股の付け根などがかなり複雑になっているのが確認できる。

膝や股関節の関節機構がかなり複雑なのが確認でき。茶色部分の金属感を感じさせる塗装も注目
腕の付け根、ひじ部分もかなり複雑だ

 今回は人型形態・オーガロイドと飛行形態・フライヤーでの展示だが、特にオーガロイドでの手足のバランスが気になった。昨今のヒーロー然としたロボットのバランスに較べると胸部分が大きくちょっとずんぐりした印象を受ける。これは「各形態のバランスを考えたため」だという。設定画のバランスにもかなり近い印象を受けた。オーガスはオーガロイド、フライヤー、ガウォーク、タンクの4形態に変形する。各形態でのパーツの保持も期待したい。

 もう1つ開発者がこだわっているのが「色」である。試作品の茶色は一見設定画より暗く見えるが実際のアニメの見え方、演出で銅だったかを考えてのカラーリングだという。フィギュア単体で見るとつやのある茶色のペイントは金属風でシャープな印象を受ける。また白の基本色はちょっと青みがかったものとしているという。

 手足のバランス、フライヤーの現行の戦闘機とは異なるプロポーション、生物的な雰囲気のある頭部デザインなど、宮武氏ならではのデザインがしっかり楽しめる商品だと感じた。正式発売をぜひ期待したい。

フライヤー形態。こちらも生物的なシルエット。ちょっと昆虫的な雰囲気もある
オーガロイドでは装甲に覆われていたコクピットがむき出しに。視界を広く取っている
ミサイルはこちらのパーツと付け替えられる。放映当時のタカトクの合金トイでも採用されていた装備で、オマージュも込めているとのこと