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未来の模型文化のために!特別コンテンツで子供達に作る楽しさを感じてもらう「静岡ホビーショー小・中・高校生招待日」の風景

【第61回 静岡ホビーショー】

開催日:5月10日~14日(一般開放は13~14日)

入場料:無料

場所:ツインメッセ静岡(静岡市駿河区曲金3丁目1-10)

 静岡ホビーショーは他のホビーイベントにはない特別な「小・中・高校生招待日」がある。静岡県を中心とした小・中・高校生を招待し、ホビーショーを公開、さらに各メーカーが用意した特別な体験コンテンツで来場者に"作る楽しさ"を提示するのだ。

 各メーカーはそれぞれに組み立てやすいプラモデルや、体験キットで各社の商品や工具に触れ、プラモデルなどに触れたことのない人にもものを作ったり、工具を使う楽しさを感じてもらう。一般販売されていない特別なプラモデルなどもあり、プラモデルファンにはちょっとうらやましいくらいの内容なのだ。

 静岡ホビーショーは関係者を招待し商談を行う「業者日」と、一般ユーザーに新製品の紹介や会場で商品販売を行う「一般公開日」の間にこの「小・中・高校生招待日」がある。コロナ禍で中断する前からこの招待日は設定されていて、各メーカーは招待日のためのコンテンツの出展方法や、子供達への対応も年々経験を積み洗練されている。その風景を写真とともに紹介していきたい。

【ワークショップ】
タミヤのワークショップではミニ四駆の製作とコース試走ができる
RC体験コーナーも
大きなスペースのコトブキヤワークショップ
BANDAI SPRITSでは、アイドルグループLINKL PLANETがナビゲートするワークショップも
恐竜プラモデル「プラノサウルス」のワークショップも

 タミヤ、BANDAI SPRITS、コトブキヤ、そしてアオシマは特に規模が大きいワークショップを開催していた。タミヤはミニ四駆を組み立てすぐにその場で走らせることができる。コトブキヤは「創彩少女庭園」の小物か、「モデリングサポートグッズ」の武器を選んで組み立てることができた。BANDAI SPRITSは恐竜プラモデル「プラノサウルス」のワークショップも展開していた。

 BANDAI SPRITSは別会場でも大きなアークショップを展開していた。ここではナビゲーターに「静岡市プラモデル化計画」のオフィシャルサポーターであるアイドルグループLINKL PLANETが参加、他のワークショップと異なる華やかな雰囲気のワークショップとなっていた。

 他にもマックスファクトリーなども専用の体験プラモデルを用意していたが、今回注目したいのはアオシマだ。今回ワークショップ用に「雛人形プラモデル」を参加者に配っていた。このひな人形プラモデルの原型は静岡の伝統工芸である「駿河ひな人形」が原型。オリジナルはわらを固めて人形の本体を作るのだが、アオシマはこれをプラモデル化。人形の胴体に着せる着物も、静岡特産のお茶で染められた「駿河和染」で着色されている。静岡のメーカーであるアオシマが、静岡の伝統工芸の要素を活かしたプラモデルを、静岡の未来を担う子供達に体験してもらうというのは、非常に楽しいコンテンツである。

【アオシマ】
静岡の伝統工芸を受け継ぐ「雛人形プラモデル」を教材に
配布ステッカーに「ありがとう」

 「小・中・高校生招待日」ならではの人気コンテンツが「ステッカー」だ。子供達はもらったステッカーを早速帽子に貼り付けて会場を回る。今回アオシマもステッカーを配布していたが、その文面は「ありがとう」にしたとのこと。メーカーロゴなどいろいろアイディアもあったが、これからの模型業界の未来を担う子供達が会場に来てくれたのだから、かける言葉はこれだろうと決まったという。

 ゴッドハンドのヤスリでピカピカに石を磨く体験コンテンツは今回も非常に人気だったし、明日から本格稼働の「モデラーズクラブ合同作品展」でも子供たち向けに遊べるコンテンツを用意したり、参加メーカーや出展者にとって「小・中・高校生招待日」は特別な日である。昨年も見ているからこそ各社のノウハウの蓄積と成長が実感できた。

記念撮影。タミヤの田宮俊作会長と写真を撮れた子供達も

 今回、少し離れた会場で開催される「RCカーフェスティバル」は、13日、14日に正式開催なのだが、この招待日から稼働しており、自動車用マフラーを手がける藤壺技研工業や、車のホイールメーカー・ワークなど協賛メーカーもこの日のためのクイズコンテンツなどを用意し子供達をもてなしていた。

 現代はワークショップや特別メーカーなど様々なメーカーが子供たち向けに教育型エンターテイメントコンテンツを用意しているイベントも多い。その中で静岡ホビーショーは各メーカーが積極的に来場者を楽しませ、自分たちが担っている技術や文化を学んで欲しいというその姿勢に感心させられる。今後も応援したい。

【RCカーフェスティバル】
明日から開催の「RCカーフェスティバル」も前日にコンテンツを用意