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静岡の伝統工芸「駿河雛人形」をアオシマがプラモデル化。小中学生招待日のワークショップで提供【#静岡ホビーショー】

【第61回 静岡ホビーショー】

開催日:5月10日~14日(一般開放は13~14日)

入場料:無料

場所:ツインメッセ静岡(静岡市駿河区曲金3丁目1-10)

 静岡ホビーショーのアオシマブースの片隅に、少々季節外れのひな人形が展示されていた。実はこれ、静岡県の伝統工芸「駿河雛人形」をプラモデルとして設計し、組み立てることでお雛様が完成するというものだ。

アオシマブースのプラモデル雛人形展示コーナー

 雛人形の着物を腰から上と下で分けて綺麗な形に仕上げる「駿河雛人形」と、静岡市にわずかに残る染色技術「駿河和染」の2つの伝統工芸。ここに静岡市が製品出荷額の8割を占めるプラモデルを融合させたのが、この雛人形のプラモデルだ。販売するものではないため、商品名などは付けられておらず、参考商品として展示された。

プラモデル雛人形。参考出品

 キットは3色に色分けされたプラモデル(13パーツ)と、着物となる茶葉で染められた駿河和染の布、そして実物の雛人形でも使われる衿の部分の2枚の布で構成される。表情のシールを貼って、組み立てると写真のようなお雛様が完成する。着物用の布はペンなどで自由に模様を描いて楽しめるよう、無地になっている。

雛人形本体となるパーツ
組み立てると扇を持った姿のお雛様の素体が完成する
駿河和染の衿(右上)と着物(下)

 静岡ホビーショーの3日目、5月12日の小中学生招待日に行われるプラモデル組立体験会で参加者に提供される他、アオシマが協力する工作教室などでも提供予定とのことで、組み立てを体験した参加者からの意見なども今後の商品開発に反映させていくとのこと。

完成したプラモデル雛人形。表情と着物の柄の違いだけでイメージは結構変わる。表情はシールだが、描いてみるのも面白そうだ
着物と同じ布を「お茶染めの鉄媒染」という工法で染めたもの。染料の定着に木酢酸鉄液を使用し、チタンの抜染剤を塗って抜染した部分が黄土色になっている

 アオシマは「ザ・スナップキット」や「トコトコミニオン」など、プラモデルのビギナーに向けた商品も展開中で、この雛人形も同様のコンセプトで企画されたものだ。ただ雛人形は販売時期が限られるため、具体的な商品化については未定だそう。伝統工芸とプラモデルの融合は、ビギナーならずとも興味深い試みなので、雛人形に限らず、何らかの形で商品化していただきたいものだ。