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全高約160mmで成し遂げた完全変形! 「MODEROID オーガス」、4形態それぞれのプロポーショを考えた究極バランスを実現【#静岡ホビーショー】

【MODEROID オーガス】

2024年1月発売予定

価格:7,000円

 「大変でした」とMODEROIDの生みの親である田中ヒロ氏が語るのは、プラモデル「MODEROID オーガス」だ。本商品は2024年1月にグッドスマイルカンパニーから発売予定、価格は7,000円。現在予約受付中である。

 オーガスはアニメ「超時空世紀オーガス」の主役メカ。「超時空世紀オーガス」は軌道エレベーターを巡る戦いで作動した時空振動弾の影響で異なる世界がパッチワークのように融合した「混乱時空」で展開する物語。主人公桂木桂は、時空振動弾を作動させた影響で時空転移に巻き込まれ、彼にとっては未来の世界に飛ばされてしまう。桂は後頭部に長い触覚を持つ人々が作る国家エマーンに所属する隊商に拾われる。

会場では各形態を展示していた

 彼はこの混乱した世界を正常化する「特異点」と見なされ、様々な勢力から狙われる身となる。桂は隊商の仲間とともに世界の混乱と、それを巡る戦いをどうすればいいかをオーガスを駆って戦いながら模索していく。

 オーガスは現在の地球の延長上にある世界での可変戦闘機「ブロンコII」にエマーンの技術を融合させた機体だ。ブロンコIIはエンジンが足となるガウォークに変形可能な戦闘機だったが、これにエマーンの機体に腕がついた戦闘機「モラーバ」を組み合わせ、この世界であまりない人型のシルエットを持つ機体となった。

 オーガスは戦闘機形態オーガス・フライヤー、足を出し手を機体下に収納したオーガス・ガウォーク、人型形態オーガス・オーガロイド、オーガロイドの足を前に突き出し、脚部ユニットを展開して地上を高速移動できるオーガス・タンクに変形できる。オーガスはいわばあり合わせの機体だったが、その高い戦闘力を認められ、「オーガスII」として後に量産される。

人型のオーガロイド形態。手足の末端が大きく、力強さと、"異質さ"を感じさせるデザインだ

 オーガスは「聖戦士ダンバイン」のダンバインやドラムロ、「超時空要塞マクロス」のゼントラーディー系メカなどを手がけた宮武一貴氏がデザインしている。今回の「MODEROID オーガス」でも監修を担当している。

 オーガスは現代の目で見てもその"異質さ"が面白いデザインだ。胴体が小さく、前腕やすね部分が大きい。まるでカニやサソリのはさみのような末端部分が大きいバランスだ。このプロポーションの機体が変形する。腰部分のコクピットブロックが大胆に前にせり出し、手足がまとめられるフライヤーから、脚部を展開し腕を伸ばすガウォークと変形システムも独特である。

丸い機首が特徴的なオーガス・フライヤー。異世界の航空機らしい雰囲気。胴体を大胆に折り曲げて変形する

 田中氏はこの変形システム、そして各形態のバランスをとるのはかなり苦労したという。オーガスは放映当時変形を再現したフィギュアやプラモデルも出たが、その後長く立体物は出なかった。近年メガハウスなどから変形可能なアクションフィギュアなども発売されているが、今回、「MODEROID オーガス」のために改めて変形システムを模索したという。

劇中で活躍が多かったオーガス・ガウォーク
バルキリーにはない第4の形態、オーガス・タンク

 田中氏が特にこだわったのは各形態のプロポーション。4形態に変形するそれぞれの姿のバランスを求めて各パーツのボリュームも考えていったという。そしてもう1つの大きな課題が"大きさ"だ。「MODEROID オーガス」はオーガロイドの姿で全高160mm。これまで出たオーガスの立体物はこれよりも大きなものが多かった。このサイズで変形システムをまとめ上げるのもエネルギーが必要だったとのこと。

 そして"関節"もまた大きな課題となる。手足の末端が大きなデザインのオーガスは手足の付け値に大きな負荷がかかる。しかもかなり大きなミサイルガンを武器として持ってるので、この負荷も大きい。放映当時のイマイの変形可能なプラモデルは腕の付け根に金属パーツを使うと言った対策をしていたが、プラモデルのオーガスで強度をどのように確保するかも注目したいところだ。

各パーツがどのように変形するのか、関節の処理や強度など、ぜひ組み立てて確かめてみたい

 今回出展された「MODEROID ガーランド」も完全変形である。こちらもかなり設計は大変だったという。余談ではあるが、このオーガス、ガーランドを取材していたときに、一緒に商品を見ていた方がかつてアオシマでガーランドのプラモデルを手がけていた方で、取材後田中氏とプラモデル化の苦労話などの話となった。

 企画を実現させる難しさ、MODEROIDの非常に多彩なモチーフをプラモデルとして実現させていることのすごさ、アオシマのファンの声に応える企画の幅広さや、立体化の難しさなど、ファンとしてどこまでも聞いていたくなるお話だった。他にもマックスファクトリーのバルキリーの前でメーカーの垣根を越え、バルキリーの解釈や、商品での注力ポイントなどを話す場面にも遭遇した。多くのメーカーが新製品を出展する商談会ならではの風景といえるだろう。今後、メディアとしては座談会なども企画したいところだ。

【MODEROID ガーランド】
こちらも複雑な変形システムだ。「MODEROID ガーランド」も差し替えなしの完全変形を実現しているとのこと