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「プラノサウルス」、クリアの特別バージョンでプラモデル体験会
ティラノサウルスの顎の力は6トン! 恐竜研究家が語るプロダクト
2023年1月23日 00:00
- 【「プラノサウルス」組立体験会】
- 1月21日開催
- 会場:東京国立博物館・平成館
BANDAI SPIRITSホビーディビジョンは、東京国立博物館・平成館にて「プラノサウルス」組立体験会を開催した。
「プラノサウルス」は、プラモデルの新ブランドとなる。恐竜をモチーフとしたシリーズで6歳以上という低年齢/初心者をターゲットにした組み立てやすい商品となっている。骨格を組み立ててから、そこに肉付きをさせる形で恐竜が生きていた姿を再現できる。
初心者をターゲットにしているが、骨格は歯の形まで精密に表現、恐竜の姿では皮膚の質感、肉付き、体表、さらには羽毛など最新の研究を活かした姿となっている。組立説明書にはプラモデルを通じての様々な恐竜への解説も盛り込まれ、組立ながら恐竜を学べるプラモデルとなっている。1月21日に第一弾である「ティラノサウルス」、「トリケラトプス」が発売された。
今回は、当日集まった子供達が「プラノサウルス」の体験会特別バージョンを組み立てるというイベントである。ゲストには「プラノサウルス」シリーズを監修した爬虫類・恐竜研究家の富田京一氏、TBS系クイズ番組「東大王」で活躍している河野ゆかりさんが登壇、さらに本商品の企画者である松浦由莉氏が商品の特徴を語った。
弊誌では「プラノサウルス」をレビューしている。併せて読んで欲しい
最新の恐竜の研究を学べる「プラノサウルス」
イベントでの大きな目玉は爬虫類・恐竜研究家の富田氏による商品のモチーフとなった恐竜の紹介からスタートした。第1弾の「ティラノサウルス」は最も人気の高い肉食恐竜だが、ティラノサウルスは他の肉食恐竜と較べても段違いの「噛みつく力」の持ち主だったという。
その証拠はティラノサウルスの歯である。前歯が非常に鋭く、そして太いためものすごい力で獲物に打ち込まれていたのがわかる。その力はおよそ6トン、現生動物最強のワニの2~3倍、人間の90倍ほどになるという。
ティラノサウルスは以前の研究ではあまりに巨大な体のため動きが遅いため狩りは苦手で、屍肉を食べていたとも言われたが、現在では生き物を素早く追いかけその顎で一瞬で捕食していたと考えられている。ティラノサウルスの体における足のバランスはライオン以上、馬以下でこれはかなり走るのに適したバランスとのこと。3本の足の指が力をうまく分散させ、9トン近い体重をきちんと支えていたという。プラモデルでは歯の表現や足の指の骨格なども細かく再現されている。
同時発売の「トリケラトプス」は最近まで体の部分の骨が見つかっていなかった。しかし全身が見つかりどのような姿をしていたかがわかるようになった。その研究でわかったのが前足の構造である。多くの4足獣が手の甲に当たる部分を前に出して接地するのに対し、トリケラトプスは手の甲が横を向いている。人間の手で言えば、小さく前ならえをしているような形で地面に触れているのが、足跡でわかってきた。
これは鳥に近い恐竜は、その進化の過程で手のひらを立てて2足歩行を行っていたが、体をより大きくしていく中で再び4本の足で接地するようになり、手(前足)の形はそのまま手の甲を横向きで接地するようになったのではないかと考えられているという。
第2弾として3月に発売される「ステゴザウルス」は喉の部分を覆う細かい骨が大きな特徴だという。尻尾についたトゲは強力な武器で、同時代の肉食獣アロサウルスにはこのトゲが食い込んだ化石がいくつか発見されているとのこと。
一方背中の背びれは薄く武器には使えなかった。背びれは細かく血管が通っており、体熱を逃がす働きの他、血を集めることで変色させ、他の生物への警告や求愛などに使われていたのではないかと考えられている。プラモデルは背びれの薄さが表現されているところに注目して欲しいという。
6月発売の「モササウルス」は鯨のような巨大な水生生物だが、分類としては恐竜ではなく蛇に近いは虫類に分類されるという。その特徴は蛇と同じ歯の並びの構造、外側だけでなく、内側にも歯が並んでいる。
蛇と違い大きな胸びれや尾ひれを支える骨格がある。また目の部分には眼球を支えるための構造が確認できる。これは深海でも目が耐えられるように進化した者と考えられている。富田氏は時にはジェスチャーを交えながら、これらの特徴と、それがプラモデルにきちんと再現されていることを語った。
富田氏の説明の後は実際の組立となった。子供達が組み立てたのは「ヴェロキラプトル」。商品化されていない体験会での特別なプラモデルで、パーツが少なく組み立てやすくなっており、肉付き部分がクリアパーツになっている。「恐竜ビルド」を行っても内部の骨格が確認できるのが特徴だ。
子供達は親と一緒にこのプラモデルをしっかり組み立てた。兄妹で「骨格ビルド」と「恐竜ビルド」で分けて完成させたり、組立を楽しんでいた。その後の「恐竜クイズ」でも積極的で、全問正解した子が何人も出た。
このイベントは1月の28日、29日にも開催される。東京国立博物館・平成館で当日募集が行われ、参加費は無料(入場料は別途必要)である。詳細は公式ページを参照して欲しい。興味を持った親子は参加してみてはいかがだろうか?
今後も様々な機会でプラモデルへのハードルを下げるイベントを開催していきたい
イベント終了後、松浦氏に「プラノサウルス」に関しての企画の経緯など、いくつかの質問をしてみた。
―― 「プラノサウルス」はどのように生まれたプロダクトでしょうか?
松浦氏: BANDAI SPIRITSではより広いユーザー層に向けて商品を展開できないかと考えていまして、人気の高い恐竜というモチーフにも挑戦しています。2022年には恐竜の化石をモチーフとした「イマジナリースケール」という商品を販売しています。こちらは15歳以上のユーザーを対象にした、より本格的な骨格モデルです。
「プラノサウルス」は小学生をターゲットに、組み立てやすい商品で、生きている姿を再現できるところが特徴です。「イマジナリースケール」とは、いわばMGとHGのようにアプローチを変えた商品で、骨格だけでなく恐竜の姿を楽しめる様にしました。
低年齢向けを意識していますが、富田先生に監修いただき、最新の研究を活かした恐竜の姿を精密に再現しています。意識したのはしっかりと学ぶことができる要素を持った商品にしたいという事です。骨格の表現や、外皮の質感、骨の形状など随所にこだわりを込めています。
特に「ティラノサウルス」は羽毛がある姿とない姿を選択して組み立てることができます。諸説あるその姿をきちんと再現できるようにしました。人気がある恐竜なので、お客様が選択できるように幅を持たせました。
―― 企画者として「ティラノサウルス」と「トリケラトプス」に関してお気に入りの部分があれば教えてください。
松浦氏: ティラノは2種類の姿。トリケラトプスはやはり前足の形状ですね。小さく前ならえした形で地面に接地するその姿を骨格から表現しています。プラモデルを見ることでそのユニークな形状をしっかり確認できると思います。こういった細かいところも見ていただければと思います。
―― 現在は6月発売の「モササウルス」まで予定されていますが、例年、恐竜と言えば夏に大きく盛り上がりますが、ここからさらにシリーズは広がっていくのでしょうか?
松浦氏: おっしゃるとおり夏は恐竜への関心が高まる季節です。これから私たちは夏に向け、今回のような体験会を積極的に開催し「プラノサウルス」を盛り上げていこうと思っています。
体験会での教材となる「ヴェロキラプトル」は、ランナーの数を減らし組み立てやすい、プラモデルを触れたことがないような人にも触ってもらえる設計になっています。体験会はプラモデルに対してハードルを下げるイベントだと考えています。ニッパーを使わずに手でパーツがランナーから取れることを実感してもらったりプラモデル入門の機会になれば良いなと。
「ヴェロキラプトル」はクリアパーツを使うことで、恐竜ビルド後も骨格が確認できる。組立時間も短く、体験会にぴったりの商品になっています。今後も他の法人など様々な所と協力し、体験イベントを開催していこうと思っています。シリーズ展開も期待していただきたいですが、まずは体験会の続報をお待ちください。
―― ありがとうございました。