ニュース

「打倒2スト」で人気を集めたバイク「ホンダ VT250F(MC08)(1984)」、憧れや思い出を立体化するハセガワのプラモデル【#静岡ホビーショー】

【ホンダ VT250F(MC08)(1984)】

6月24日発売予定

価格:3,960円

 「これ乗ってました」、「憧れでした」……。開発者に声をかけてくれる人が多いという商品が、「第61回 静岡ホビーショー」でハセガワが出展していたプラモデル「ホンダ VT250F(MC08)(1984)」である。6月24日発売予定で、価格は3,960円。

 ホンダ VT250Fは、「打倒2スト」というキャッチフレーズがある。バイクのエンジンには、「2ストローク」と「4ストローク」という大きなカテゴリー分けがある。4ストロークは「吸入」、「圧縮」、「爆発」、「排気」という4つの行程を1つずつ行う。対する2ストロークは吸入と圧縮、爆発と排気をそれぞれまとめて行うので2つの行程となる。同じ排気量の場合、4ストより2ストの方がパワーがでる上、エンジンの構造がシンプルで、エンジンを軽くすることができ、さらに価格も安くできるという魅力があった。このため、1960年代、バイクは2ストが主流だった。

かつて乗っていた、当時憧れていた……。こういった思い出を立体化するハセガワがモチーフに選んだのは、「ホンダ VT250F」。1984年に発売された2代目のモデルだ

 しかし1980年代に米国を中心に排気ガス規制が強まった。構造がシンプルな2ストはエンジン内でのオイルの完全燃焼が難しく、この規制に引っかかってしまうようになった。また原油価格の上昇で燃費に劣る2ストは魅力が減った。だからこそ硬派なバイク乗りは「最後の2ストローク」と呼ばれるヤマハの「RZ250」に羨望の目を向けた。

 一方、ホンダはこの「2ストロークへの憧れ」が広がる時代に「打倒2スト」を掲げた「VT250F」を市場に投入する。ホンダは以前から4ストロークエンジンの開発に積極的であり、2ストのバイクに引けをとらないパワーと、4ストならではの燃費の良さ、環境への配慮をアピール。RZ250のライバルとしてバイクユーザーの人気を集めた。

2ストに負けない、ホンダの4ストバイクということで人気を集めた

 郷愁と硬派で勝負するRZ250と、最先端を提示するVT250F。だからこそそれぞれのファンの思いは強い。ハセガワはこういった時代で人気を集めた名車を立体化している。今回も会場を訪れたファンからの声を受け、その実感を強くしたという。憧れの車、かつて乗っていた車をプラモデル化する。今回、「ホンダ VT250F(MC08)(1984)」がハセガワのラインナップに加わる。

 開発のこだわりは実車取材による精密なモデリング。シートの裏のディテール表現という、完成時にはパーツで隠れて見えなくなるようなところもしっかり造形している。バイクを整備したり、手を入れたりするときにバイクを分解した想いでも刺激するような仕掛けだ。部品をくみ上げていくことでまるで本物のバイクを自分の手で作り上げたような気持ちになる、「模型」の楽しさを存分に味わうことができる設計になっているという。

シートの裏のディテールまで再現。実車取材により、分解しなければわからないような情報も盛り込んだ商品だ
印象的なブルーのシートなど成型色で色分けされているので、無塗装でも雰囲気は出せる
バイクは機能が形になったようなシンプルな構造が特徴。自らの手でバイクをくみ上げるような気持ちになれる

 あまり模型スキルが高くないユーザーには「成型色でパーツの色分け」もうれしいポイント。内部のフレームはグレー、メカは黒、外装は白、目を惹くブルーのシートはそのままブルーの成型色で作られており、スプレーなどで一気に塗装もできる。特徴的なストライプのラインはデカールで表現しているので細かい塗装スキルがない人でも実車のような質感を出すことも可能だ。

 憧れや思い出をよみがえらせてくれるハセガワのプラモデルはモデラーはもちろん、モチーフへの想いを持つ人にとって魅力的な商品だ。

質感をアップできるエッチングパーツも同時発売
特徴的なストライプのラインはデカールで表現