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“バラクーダ号は希望の船”「宮崎メカ模型クラブ」の会長に、「未来少年コナン」巨大模型を作った理由を聞いた【#静岡ホビーショー】
2023年5月14日 15:06
- 【第61回 静岡ホビーショー】
- 開催日:5月10日~14日(一般開放は13~14日)
- 入場料:無料
- 場所:ツインメッセ静岡(静岡市駿河区曲金3丁目1-10)
- ※一般公開日の入場受付は終了
静岡ホビーショーの一般公開日に同じ会場にて行われる、模型愛好家の作品展示会「モデラーズクラブ合同作品展」で、筆者が会場で毎回目を奪われる作品がある。1978年にNHKで放映された「未来少年コナン」に登場する機帆船「バラクーダ号」の模型だ。これは、宮崎駿氏のメカやキャラクターの模型製作を楽しむ模型愛好会「宮崎メカ模型クラブ」のメンバーによって作られたもので、1/24スケール、全長2.2mにも及ぶ巨大な作品である。
この模型を制作した宮崎メカ模型クラブの会長、かのー氏は「バラクーダ号は希望の船」だと語る。「未来少年コナン」に登場したメカの中で唯一、最終話まで生き残った乗り物で、そのラストではのこされ島へ移民するコナン達を運ぶ役割を担った。そんなこの船をかのー氏は大好きで、2016年から模型の制作を始めたそうだ。
2.2mにも及ぶ船体はプラ板によるフルスクラッチで、要所には劇中のバラクーダ上で繰り広げられた「未来少年コナン」の名シーンがフィギュアによって再現されている。このフィギュアを作ったのは同クラブのメンバー脳味噌晃氏。模型を1/24スケールとしたのは、キャラクターフィギュアの表情が分かる最低限のスケールだからなのだとか。コナンやジムシィ、ラナ、モンスリー、そしてダイスや乗組員達など、この船に関わったキャラクターが所々で名シーンを繰り広げている。
船体は輪切りのような形で少しずつ制作され、その部分にマッチしたシーンのフィギュアが添えられている。外装は設定通りに作られていて、接合部のリベットまで再現。なんとこのリベットは全て手打ちだそうだ。
外装だけでなく内部も設定に準じて作り込まれていて、さらに機関部やスクリューの可動、照明などの点灯などのギミックもある。思えば筆者が最初にこの模型を見たのは2017年の同イベントで、輪切りになった船体内部に、ダイスらに折檻を受けて腫れたコナンの尻がLEDで光っているのを見て感動し、以降毎年少しずつ船の形になっていく様子を眺めるのを楽しみにしていたのだ。
今年はついにマストに帆がかけられ、実に7年越しに劇中に最も近い状態となった。要所に存在するキャラクターのフィギュアを見ると、該当のシーンが一つ一つ思い出され、この船の上で実にいろいろな出来事が繰り広げられていたことがよく分かる。
ちなみにこのバラクーダ号の模型は、普段はバラされて保管されていて、こうした展示会のときに組み立てられるとのこと。当日も組み立てには2時間かかったそうだが、マストの帆綱にネオジム磁石を使用して簡単に張れるようにしているなど、組み立てのための工夫も要所に施しているそうだ。
卓上にはこのバラクーダ号だけでなく、同クラブメンバーが制作した「宮崎アニメ」を題材とした作品も多数展示され、多くの来場者が足を止め、スマホやカメラを向けていた。どの作品も、着眼点や表現の工夫が素晴らしいものばかりが揃っていた。
なお宮崎メカ模型クラブは定期的に展示会を行なっていて、この後7月には大阪で、10月には東京で開催予定となっている。実物をその目で見てみたいという人は足を運んでみてはいかがだろうか。
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