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出渕裕氏が熱望した「幻の鉄巨神」が蘇る! 海洋堂「ARTPLA SCULPTURE WORKS 鉄巨神VS邪神兵」のディテールに迫る【#ワンフェス】

【ワンダーフェスティバル2024[冬]】

開催期間:2月11日10時~17時

開催場所:幕張メッセ国際展示場1~8ホール

 海洋堂の「ARTPLA」はガレージキットなどで展開していた海洋堂の製品を入手しやすく、手を加えやすいプラモデルで展開するシリーズだ。しかし今回発表されたプラモデル「ARTPLA SCULPTURE WORKS 鉄巨神VS邪神兵」は、製品化されることがこれまでなかった"幻の立体物"なのである。

 本製品は1986年のOVA「機甲界ガリアン 鉄の紋章」に登場したロボット鉄巨神と邪神兵の対決がモチーフとなっている。「機甲界ガリアン 鉄の紋章」はアニメ「機甲界ガリアン」をベースにしながら、設定を変更、出渕裕氏によってリファインされた鉄巨神が伝説の機甲兵・邪神兵と戦いを繰り広げていく。

「機甲界ガリアン 鉄の紋章」は出渕裕氏によってガリアンをリファインした鉄巨神が、邪神兵と戦う

 プラモデル「ARTPLA SCULPTURE WORKS 鉄巨神VS邪神兵」のベースになったのは谷明氏が原型を製作、完成品フィギュアとしての商品化が進んでいたという。監修した出渕裕氏も「この商品が欲しい」と語るほど期待していたとのこと。しかし諸事情で商品化はされず、今回、プラモデルとしてついに製品化されたのだ。

大型のパーツで構成されている。ディテール表現に非常に力が入っているのがわかる

 他のARTPLA同様、成型色はシンプルに赤一色だが、力が入っているのはパーツの分割。複雑な巨神兵と邪神兵を大きなパーツで造型し、非常に力の入ったディテール表現で原型の細かなところまでプラモデル化している。巨神兵は腕の関節の蛇腹表現や金属の装甲に覆われた太ももなどロボットとしての機械的な表現と、関節部の有機的な表現のコントラストが感じられる。ガリアンのオリジナルデザインを中世の甲冑のような味付けでアレンジした鉄巨神のデザインは現代でも魅力的だ。

中世の鎧のような装飾が施されたアレンジ
有機的な要素も採り入れられている
後ろ姿

 一方の邪神兵はさらに有機的な表現を強めている。元々下半身が蛇のナーガのようなデザインだが、胸の装甲の中からのぞく肋骨のような構造や、筋繊維のような表現、体中に張り巡らされ、ちぎれた胴体から伸びるいくつもの管など、生物と機械が融合したかのような独特の雰囲気を見事に造型に落とし込んでいる。

 楽しいのはこういった生物的なディテールが装甲の下にも施されているところ。プラモデルを組み立てると隠れてしまうところもあるが、作った人だからこそ楽しい仕掛けと言えるだろう。

有機的なイメージが強調されている邪神兵
装甲を外した下もきちんと造型されている
ちぎれた胴体は内臓のよう
鉄巨神以上に生き物のような雰囲気がある

 パーツ分割で細かく塗り分けもしやすく、プラモデル製作技術さえあればどこまでも作り込める。そしてプラモデル初心者でもスミ入れを行うだけで力の入った造型を堪能できる。多くの人がこのカッコイイ造型を楽しむことができるのだ。かつて発売されなかった幻の企画が、素材を変えて、より入手しやすいフォーマットで楽しめるというのも嬉しいところだ。今後のARTPLAの展開にも期待して欲しい。

足下に配置してしまうと邪神兵は小さく見えるが、並べるとかなりのボリュームなのがわかる
ランナーもたっぷりで作りごたえのある商品だ