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まるで本物の動き――未来を感じたKATOのワンハンドルマスコン【#静岡ホビーショー】
2024年5月10日 11:37
- 【第62回 静岡ホビーショー】
- 開催期間:5月8日~12日
- 会場:
- ツインメッセ静岡
- (静岡県静岡市駿河区曲金3-1-10)
- 入場料:無料
気分は電車運転士! 力行もブレーキも自由自在
KATOブースでまず目を引いたのは「ワンハンドル運転台型コントローラー」だ。通常の運転台のようにディレクションレバーやマスコンキーが用意されており、力行にしたい場合はボタンを押しながら手前に引くことで模型をコントロールする。マスコンは手を離せばニュートラルに戻り、惰性走行をする。4、5年の開発期間を要した製品だ。
ワンハンドル運転台型コントローラーでの操作はまるで実車を動かしているような感覚でとても面白い。手前に引いて力行にする場合は次第に速度が上がっていく動作をするし、逆にブレーキをかけたときはすぐに止まらず、ある程度の距離を走行しつつ減速していく。動作する加速度や最高速度の調整、加速SYNC/始動電圧や減速SYNCを設定できるため、このあたりの調整も可能で、列車によってスケールスピードを変えたい場合でも対応できる。
こちらの製品は夏に正式発表されたあと、2024年の年末には販売される予定とのこと。気になる値段だが、未定であるものの、2桁ちょうど周辺を想定しているという。それなりの価格がする製品だが、模型鉄であればやはり手に入れておきたいところだ。
レイアウトでの照明を簡単に
次に紹介するのは「ジャストプラグ照明システム」(以下、ジャストプラグ)という製品だ。すでに発売済みだが、これは「ライトハブ」と呼ばれるコントローラーに、プラグによる接続式で照明を構成できるというもの。複雑な電気配線やはんだ付けを必要としないのが特徴だ。
ジャストプラグに対応している自動車や室内照明、街路灯、信号などが用意されていて、これを「ライトハブ」につなげば簡単に照明システムが出来上がる。ライトハブには4つのライトポートが用意されていて、明かりをそれぞれコントロールできるため、これまでのような一括でしかコントロールできなかったときと比べて、よりリアルな照明を構築できる。室内照明もシーリングライトとナノライトが用意されているなど細かい。
3Dプリンタで作り上げる人形たち
KATOブースではこの他、3Dプリンタで作成したストラクチャーが展示されていた。「フィギュアニマル」は4月にすでに発売されている製品だが、色や形などそれぞれがとてもリアルに再現されている。
これに続いて製品化されるのが「SL乗務員」だ。車上にいる機関士や機関助士などのほか、地上で注油していたり、点検していたりする機関士といった人形となる。
このほか3Dプリンタで作られているのが「昇降台」だ。片階段と両階段の2種類がラインアップされる。この製品は3Dプリンタで制作されたのには利点がある。それは階段。1段1段の間を開けて出力されている。これは金型では実現できなかった。また天板の中央部が薄くできているのも3Dプリンタならでは。
同社がこれらのストラクチャーを3Dプリンタで製作しているのはコストの関係だ。金型で起こして作り上げるには、量が出ないと採算が取れないためだ。ただし3Dプリンタで作成したものの中でも、量が出るものについては金型での生産に変更していくそうだ。
ジオラマを作ろう! デモンストレーションを開催
KATOブースにはジオラマの作り方をデモンストレーションする「ジオラマデモンストレーション」というコーナも設置されている。訪ねたときには芝の作成方法をデモしてもらった。レイアウトを作る際に気を付けたいのが芝の表現。上からパウダーを振りかけるだけでは物足りないものになってしまうことも。その際に利用したいのは「芝生の達人3」だ。1万2000円程度する製品だが、これに長さのある芝を入れて上から振りかけると、静電気が起きてしっかりと立った状態で芝を植えてくれる。
ただお高い製品なので、そこまでは、という人にオススメなのが「繁茂・深雪ボトル」だ。これにパウダーを入れて思いっきり振ることで静電気を発生させ、上から吹きかければ芝生の達人3ほどではないものの、ある程度立った形で植え付けることが可能だ。
ところでKATOは多くのジオラマ用品を販売しているのが特徴だが、なぜジオラマ製品にまで手を出したかというと、同社の社長がアメリカを訪問したとき、多くの家にジオラマが置かれていることに感動したからだという。日本でもジオラマ人口を増やすために、さまざまなジオラマ用製品を世に送り出しているというわけだ。