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戦闘機のかっこよさを詰め込んだハセガワスタイルのバトロイド「YF-19」がホビーショーに登場【#静岡ホビーショー】

「マクロスプラス」30周年キットの第2弾

【第62回 静岡ホビーショー】

開催期間:5月8日~12日

会場:
ツインメッセ静岡
(静岡県静岡市駿河区曲金3-1-10)
入場料:無料

 ハセガワは、「マクロスプラス」より完全新金型仕様の「1/72 YF-19 バトロイド“マクロスプラス”」を、「第62回 静岡ホビーショー」にて展示した。本キットは7月発売予定で、価格は5,390円。

 「YF-19」はOVA「マクロスプラス」の主人公、イサム・ダイソンが搭乗する機体。作中ではYF-21に搭乗するガルド・ゴア・ボーマンを相手に次世代主力機の座を争う。ファイター形態では機体形状に前進翼が採用されており、その形状から「エクスカリバー」という愛称でも知られている。

 今回ハセガワから登場するキットは本機のバトロイド形態をイメージしたものだ。本キット最大の魅力はファイターモードから変形した姿をコンセプトとした、戦闘機の要素をしっかりと盛り込んで設計されたハセガワ流のバトロイド表現にある。

 今回静岡で開催される第62回 静岡ホビーショーでは設計に携わったスタッフの方々に直接話を伺うことができたので、本キットの魅力について紹介していく。

ハセガワだから実現できた戦闘機の表現を盛り込んだバトロイド形態

 はじめにハセガワについて簡単に紹介しておく。ハセガワは静岡県に本社を構える日本の模型・プラモデルメーカーだ。飛行機・自動車・艦船をはじめとした多くのスケールモデルやキャラクターモデル、鉄道模型などを生産しているが、なかでも飛行機モデルのメーカーとして有名で、世界的にも「飛行機のハセガワ」として評価を受けるほど、その道に優れた老舗メーカーとして知られている。

 現在はキャラクターモデル商品の開発にも力をいれており、「超時空要塞マクロス」に登場する可変戦闘機・VF-1バルキリーをはじめとした、マクロスに登場する多くの機体をキット化している。今回ホビーショーで登場したYF-19 バトロイドもその一つで、今年3月に同機体のファイターモードのキットが販売された。

3月に登場したファイター形態の「1/72 YF-19 “マクロスプラス”」

 冒頭でも紹介したように、本キット最大の特徴は戦闘機のスケールモデルを得意とするハセガワによる細部の表現だ。バトロイド形態のこのキットは変形こそしないが、その細部にはファイターモードを感じられるフォルムやパーツ表現などが設計に組み込まれている。

各所に散りばめられた翼の折りたたまれた表現や、スタイリッシュなフォルムからファイターモードをイメージできるようになっている
カカトパーツも2種類用意されており、バトロイド形態の設定を重視したものと、ファイター形態のベクターノズルを意識した形状のものから選ぶことができる
脚にあるギザギザのモールド表現などはF-22ラプターをヒントに均等な角度で表現することでステルスっぽさを強めるといった、スケールモデルならではの考えかたで再現されている
「この部品は痛みやすそうだからここにはメンテナンスハッチが必要だろうな」と考えながら情報を増やしていくのが楽しかったと設計を担当した早川氏は語った

 なかでも作中で細部が描かれていない腹部などはハセガワ流のアレンジがふんだんに盛り込まれた箇所となっている。本キットでは可能な限り原作を再現できるように設計されているが、設定画や作中で描かれていない箇所に関しては、設計に携わったハセガワの早川氏が図面に描き起こし、3Dにしたものを「マクロスシリーズ」のメカニックデザインを担当したメカニックデザイナーの河森正治氏がチェックを行なう形で製作されている。

ハセガワのYF-19では腹部を機体色と同じアイボリー色の装甲板が覆うような形になっている

スケールモデルとはまったく異なるプラモデルへの挑戦

 今でこそ多くのキャラクターモデルを産出してきたハセガワだが、じつはそのどれもが挑戦の連続だった。特に今回のようなロボットプラモではスケールモデルと違って接着剤不要での組み立てや、可動域を確保した設計をしなくてはいけないところだ。

 今回の設計でも、その2つに早川氏は頭を悩ませたという。また、過去に設計を担当したザブングルでは脚が外れやすいという問題もあったため、今回のYF-19ではその反省もしっかりと活かせるように、脚の接続部に爪を仕込んで保持力を上げる設計がなされている。

 また、太ももに第二関節をいれることでパーツの干渉を抑えながらも、ポージングの自由度が上がるといった工夫が盛り込まれている。

脚の接合部にはポリパーツとは別にパーツに仕込んだ小さな爪が保持力を上げて抜け防止になるように工夫されている
太股部分のラインの箇所が関節になっており、脚の可動域が広げられている

 上記以外にも設計の段階でパーツの組み合わせを工夫しており、塗装が楽になるようなパーツ構成となっている。

脚の黒いラインの部分などは塗装時にマスキングを簡略化できるように、スネ側面のパネルをあえて分割するなど、設計の各所に組み立てる人のことを考えた工夫がなされている
頭部パーツには作中でYF-19の頭部外装を外しているシーンで描かれていたディテールが再現されている。組み立て後は見えなくなる部分ではあるが、わかる人は組み立て中に気がつくかもしれないと早川氏の遊び心が隠されたパーツだ

 今回展示されているランナーはまだ試作段階のため色わけされていないが、製品版ではアイボリー、グレー、赤の3色に、クリアーグリーンとレッドのパーツで成形される。今回展示されているYF-19は塗装を施したものだが、製品版ではパーツの色分けも過去の経験を活かしたものになっているので、素組み状態でもデカールを貼るだけでちゃんとYF-19を楽しめる作りとなっているそうなので楽しみだ。

上半分の背景にうっすらと色がついているランナーが製品版ではアイボリー色になる
ハセガワとしては珍しいエフェクトパーツ(ピンポイントバリアパンチ)も付属される

 今回展示されたYF-19のバトロイドは「マクロスプラス」30周年を記念した企画の製品として登場している。第1弾が3月に販売されたファイター形態の「1/72 YF-19 “マクロスプラス”」、」第2弾がこの「1/72 YF-19 バトロイド“マクロスプラス”」。

 続く第3弾も予定されているそうなので、次は何が出てくるのか次の発表が待ち遠しい。もし次もバトロイドであるなら、このYF-19の経験を元にさらなる進化をしたハセガワのロボプラが見れるかもしれない。