レビュー

「figma 白根凛」レビュー

ラペリングもできる武装JK! クールなアクションをたっぷり堪能

ジャンル:アクションフィギュア
開発・発売元:トミーテック
価格:7,700円(税込)
発売日:8月7日
全高:約13cm

 みなさんは「リトルアーモリー」を、ご存じだろうか? トミーテックが展開しているシリーズで、基本的な商品ラインとしては、1/12スケールの銃火器を中心としたプラキット。実銃と同様にパーツの組み替えでカスタムできるなど、かなり緻密に作られているので、そのまま銃のミニチュアコレクションとしても楽しむもよし、フィギュアに持たせて遊ぶのもよし……というシリーズなのだ。

 だが人気の秘密はそこではない。商品自体は1/12スケールの銃火器だが、パッケージに描かれているのは、その銃器を扱う女子高生のイラストだ。このイラストは複数のイラストレーターが参加しているが、特に「ふゆの春秋」氏が描く透明感溢れる繊細なイラストが評判で、パッケージアート集などは完売・プレミア化しているほど。

 これは一重に、女子高生と銃という、ちょっと非日常性を感じる組み合わせが、僕をはじめファンの心に刺さったのだろう。さすがは、トミーテック「鉄道むすめ」の流れを、今度はミリタリーで展開したのか! ……と、一人得心してしまった。いずれにせよ、最近ではこのような女子高生+銃は「武装JK」とよばれ、サバイバルゲームの現場でもリトルアーモリーの世界を再現したコスで参加する女性もいるほどである。

 そんなリトルアーモリーの世界を、銃やイラストだけでなく立体可動フィギュアで楽しめるべく、登場キャラクターたちが「figma」で発売中。これはリトルアーモリーファンとしては、ぜひともブンドドしてみたい商品ですよね。ということで、今回はそんな商品ラインアップから、リトルアーモリーシリーズ4人目のキャラクターとして発売された「白根凛」をレビューしていこう!

【figma 白根凛】
「武装JK」というコンセプトを追い求めるリトルアーモリー。「白根凛」は、私立古流高校の適性検査により「特殊戦科」に選抜された

「特殊戦科」に選抜されたリトルアーモリーの「白根凛」とは?

 まずは、リトルアーモリーの世界観を簡単に説明すると、20世紀末、世界各地に現われた「ネスト」より未知の敵「XX=イクシス」が出現した世界で、民間防衛組織として設立された「指定防衛高等学校」に通う生徒たちの物語。

 「白根凛」は、私立古流高校特殊戦科1年生で、白根は入学時の適性検査により「特殊戦科」に選抜されたという設定。イラストカットもそれに合せてケーブルを使ってラペリングしているシーンが描かれており、躍動感のあるダイナミックな戦術が得意そうな印象を与えてくれる。手に持つのはサブマシンガンのMP5で、身体には予備のマガジンを「これでもか」と携行している。

 また、右足のみニーパットを着けており、膝撃ちの際に膝を痛めないようにしていることがわかる。きっと、ほかの生徒のように生足でないのも、少なからず戦いを意識した結果なのかもしれない。これまで「figma」で発売されていた3人よりも、より戦闘に特化したキャラクターになのだ。

【白根凛】
特殊戦科ということでラペリング姿。サブマシンガンのMP5を構える

イラストも描かれたパッケージ。内箱には、ジオラマに使えるペーパークラフトが

 パッケージはfigmaシリーズと同様のパッケージだ。ただ、ほかのアニメなどのフィギュアと違って、側面の片側にはイラストが採用されている。すべてのfigmaを持っているわけではないが、このスタイルはイラストが人気な「リトルアーモリー」ならではの趣向だろう。

 また、内箱には、ジオラマにも使えるペーパークラフトが入っている。これは各商品で異なるが、白根の場合はラペリングシーンを再現できるよう、学校の校舎の一部が印刷されている。なお、ファンの間では、このペーパークラフトは、カラーコピーをして使うのが推奨されているらしい。

 フィギュアや付属品は、通常のfigmaシリーズと同じように入っているが、1点だけ大きくことなるのが付属しているメイン「銃器」である。冒頭で紹介したように、リトルアーモリーは元々1/12スケールの銃火器を中心としたプラキットである。そのため、figmaといえども、自分で作るのがリトルアーモリー流なのだ。組み立ては簡単で、ナイフ(できればニッパー)と接着剤があれば十分。できれば、ヤスリがけしたいところだが、そうなるとパーティングラインを消したり、塗装したりしたくなる。今回は商品レビューと言うことで素組みだけにした。

【パッケージ】
内箱がジオラマに使用できる

 続いて付属品をチェックしていこう。まずはメインとなる顔。リトルアーモリーシリーズは、「ノーマル顔」と「バトル顔」の2種類がついてくる。正直なところ、どっちも普通な感じに見えなくもないが、実際に装着してみるとずいぶん印象が異なった。

 なんというか、ノーマル顔には戦士の中に眠る母性的なものを感じる。彼女のイメージを現わすセリフに「……絶対に帰してあげるから。私が、必ず」というのがあるが、まさにこのバトル顔の目の中心にある白い点が、その意思の強さを現している。実は、普通顔と比べると、若干目を見開いたかのように大きいと感じた。これは塗装の違いでなく演出なのだろ確信できる。

 下半身の交換パーツは、白根のイラストにあるようなラペリングポーズを再現するためのもの。そのためスカートを形を固めて脚を腰の高さまで上げられるように再現している。また、腹部のベルトあたりには、下降器がついている。ただ、この下降機がなければ、逆に汎用性の高いアクション用パーツになったのではないだろうかとも思う。

 交換用の手は8種類。元々ついてくる手を入れると、10種類の手がついてくる。今回は銃を持つ標準的な形以外に、ラペリングのロープを持つような手もついている。小物系は、9mm口径のサイレンサー内蔵型サブマシンガンMP5SD6(ストックは長短選択式)、ウェポンライト付きハンドガン、フック、ロープ、鞄、無線機がある。このロープが秀逸で芯に金属線が入っており、ある程度形を維持できるのが嬉しい。

【様々な付属品】
異なる表情にできる
脚が上げられるスカート
武器を構えられる持ち手
銃器へのこだわりは流石だ

イラストの雰囲気を再現、可動も優秀なフィギュア

 ボディは、私立古流高校特殊戦科の制服をベースに、ボディには予備マガジン右足にはホルスターと二―パッドのオプションがついている。また、素足ではなくストッキング履いている仕様だ。正面から見ると、制服のリボンが鮮やかで目に入ってくる。元々のイラストもそうだが、全体的に暗い配色の中、カラフルな色合いはリボンだけなので、figmaでどのように再現するのか楽しみだったが、妥協することなく鮮やかな色合いで表現してくれて嬉しかった。

 背中には、台座に固定するための穴が開いている。武装JKたるもの、無茶なポーズをさせたくなるので、やはり安定して立たせるのは難しい場合もあるので、必要不可欠な存在だ。
 左斜め前からみると、前髪のモールドが良く見える。もう少し立体感があってもいいとは思うが、スケール的な限界もあるのだろう。右斜め前から見ると、右側のスカートが少し捲れているのは、ホルスターに干渉しないためだとわかる。ちょっと躍動感もでるし、凄くいい採択だなぁと感じた。

 実は、彼女は「校則によりスカートの丈は決まっているが、膝上10.3センチ以上の丈まで短くしたいと常々思っている」という設定がある。一見、オシャレを意識した性格に思えるが、「理由はおしゃれのためではなく、単純に動きやすさを追求するため」という、まさに戦闘特化のマインドなのだ。とはいえ、これはあくまでマインドで、実際は校則を守ったスカートの丈である……無念。

【各部をチェック】
私立古流高校特殊戦科の制服をベースに、予備マガジンを装備。右足にはホルスターと二―パッドのオプションがついている。また、素足ではなくストッキング履いている仕様だ

非常に凝った各部ディテール

 パーツを個別に見ていくと、1/12なのによくできているなぁと思えるディテールがあった。後ろ髪が結構凝っていて、通常のウェーブだけでなく、別の髪下に逆方向のウェーブをながしているところがあった。裏側だし、それほど目立たないが、手を抜かないところに好感が持てる。

 また、ホルスター部分も、ハンドガンがしまえるだけでなく、銃を固定するためのベルトや留め金のディテールもあった。さすがに動いたりはしないが、ミリタリーファンが喜ぶ作り込みだろう。足の裏も、軍靴らしいモールドがきっちり入っていて、ポージングによって足裏が見えたとしても、リアリティを損なわない出来映えだ。これもイラストでバッチリと足裏が見えているところが影響しているのかもしれない……と思ったが、ほかのシリーズもキチンと作り込んでありそうだ。

【こだわりが感じられるディテール】
激しい感情を押し殺して冷静に戦う「バトル顔」と、優しさの中に緊張感を漂わせる「ノーマル顔」、どちらも白根の強さと可愛さが同居してて素晴らしい造形
しっかり造形された髪の毛
ホルスターに収められたハンドガン
靴裏もバッチリ

様々なポーズを取れる充実した可動

 腕は、引き出し式になっているので、可動範囲が広い。写真ではわかりにくいが、実際に動かしてみると、ハンドガンを使った両手撃ちなどのポーズも簡単にできる。最終的に固定はしにくかったのだが、きちんとグリップ部分をしたからすくうように手を添えられるのは、結構嬉しい。

【腕の可動】
腕の付け根を引き出し、可動範囲を増やせる
銃の両手持ちもしっかり決まる

 脚の可動もかなり自由が利く。そこで、手脚の動きと、顔のオプションだけを変えてみた。ひと目でわかるように、ガラリと雰囲気が変わり、力強さを持つ女性と、繊細な神経を持つ女性との、棲み分けができる。これはfigmaが小さくても可動範囲を広く持つアイテムだからこそ、できることだろう。

【脚の可動】
脚の可動も優秀だ

付属品を使ってポージングを楽しんでみる

 最後に付属品である武器を使って、ポージングを楽しんでみた。まずは帰宅途中に市街地で会敵してしまったイメージでポージング。戦闘モードでないぶん、鞄などが邪魔になりつつも、いつでも攻撃できるように身構えている感じにしてみた。

 次は、ラペリング用の腰パーツに交換しつつ、片膝立ちで射撃をしている風なポージングをしてみた。僕的な武装JKというと、ミニスカートで脚をガバっと開いて銃を構えるポーズのイメージがあるので、figmaの可動と、ラペリング用のスカートの造形があれば再現できると思ったのだが、ここまでが限界だった。もう少しスカートに柔軟性があれば、もっとリアルにできるのかもしれない。

 ラペリング用のケーブルを使うと、動きのあるポージングもできる。せっかくなので片手に無線機を持たせてみた。壁がないので不自然だが、付録のペーパークラフトと組み合わせるとリアルになるだろう。

 最後は、身を潜めながら、フックを投げるシーンをポージングしてみた。だが、どちらかというと武装JKというよりも、「スケバン刑事」、「花のあすか組」、「セーラー服反逆同盟」の世界観に近いかもしれない。背景を黒にして、光を調整すれば「仕事人JK」にもなりそうな勢いだ。

【銃を構える】
帰宅途中の戦闘をイメージ
様々なポーズ

シリーズの別パーツを使ったカスタムも楽しい

 ということで、「figma 白根凛」の魅力は伝わったであろうか。今回はレンタルした商品なので、改造などはできなかったが、手を加えるともっと色々できそうで、夢が膨らむアイテムに感じた。

 なお、当然のことながら、同じfigmaリトルアーモリーやドールズフロントのパーツと交換することで、さらにプレイバリューが広がることは言うまでもない。今回は手元に「figma 豊崎恵那」があったので、まずは武器を89式に変えてみた。サブマシンガンからアサルトライフルに変っただけで、ずいぶん心証が違うはず。バトル顔でもないのに、なんだか不適な笑みを浮かべているように見える。

 そして最後に脚を交換してみた。白根の脚はホルスターなどがついているうえにタイツもある。そこで、豊崎の生脚にニーソックスの組み合わせと交換してみた。何というか、一気に清純派アイドルへの仲間入りである。このように、1体買ってしまえば、そのまま沼まっしぐらなアイテムだが、ぜひとも一度買ってみてほしい。

【パーツを交換】
アサルトライフルを構える
脚を交換すると雰囲気が大きく変わる
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