レビュー

食玩「FW GUNDAM CONVERGE EX30 ペーネロペー/EX34 Ξガンダム」レビュー

スミ入れにチャレンジ。今は便利な塗料もあって作業もラク!

 スミ入れに使う塗料ですが、ガンダムマーカー等のアルコール系や水性塗料であれば問題はありませんがそれだと塗膜が弱かったりちまちまやる作業が想定されましたので今回はエナメル塗料を使ってみたいと思います。このエナメル塗料をスミ入れに使う際には注意が必要です。特にABS素材に対してのエナメル塗料、つまり溶剤入りのものを使ってしまうと素材に浸透して脆くなってしまうという性質があります。ガンプラでABS製のフレームにそのままスミ入れすると割れた……というのはこういう原因ですね。今回の2つはPVCとMABSという素材を使っていてフィギュア本体はほぼPVCとなっていますが、こちらもエナメル塗料には弱いようです。

【スミ入れチャレンジ:フィギュアの素材を確認】
どちらも主にPVCとなっています。MABSはクリアーのスタンドに使われています

 そこでいろいろとネットを検索してみたところ、タミヤのナイロン・PP(ポリプロピレン)用プライマーで一度コーティングすればいいかもという情報を見つけましたので今回こちらでチャレンジしてみたいと思います。合わせて当初ブラックでスミ入れしようと思っていましたがフィギュア自体のサイズが小さく、凝縮されたディテールでブラックだとうるさくなりそうだったのでダークグレイにしてみたいと思っています。これでも濃い感じもしますがともかくこれでやってみましょう。

【スミ入れチャレンジ:材料】
このプライマーは他にもABS・アクリル・塩ビ・PET等にも使えると書いてあります。仕様上はピッタリあうはずです

 では双方を可能な限り分解しておきます。パーツを並べておくと作業がしやすいのでおすすめです。各パーツを眺めながら、どこにスミ入れすれば効果的かを見極めます。どちらも白い機体ですのでやはり白い装甲の影ができそうなところにスミ入れしていくことにしました。そして双方にプライマーを吹きかけていきます。100ml缶スプレーでこの大型2体分を表面、裏面を2回ずつ吹き重ねることができました。

【パーツを分解してプライマーを吹き付ける】
ペーネロペー(上)とΞガンダム(下)ではパーツ数がダンチです。プライマーは急がずに乾燥を待ち、まんべんなく吹き付けていきます

 スミ入れですが、今はいい塗料がありますね。今回はタミヤから発売中の「スミ入れ塗料(ダークグレイ)」を使用します。これが無かった時代はエナメルブラックを毎回エナメル溶剤で希釈して作っていたものです。そういう意味では好みの希釈濃度で作ることはできませんが随分とお手軽になりました。今回はその恩恵におんぶにだっこで作業することにしましょう。

 スミ入れしたい溝の深いところの目立たないところにちょんと筆をのせれば毛細管現象でツーっと流れていきます。はみ出すことなくきれいに仕上がるこの感覚がとても気持ちいいんですよね。溝が浅い部分は流れていかないので筆の面をあてて塗料を多めに流すことでスミ入れします。

【スミ入れが超簡単に!】
ツーっと流れる感覚が楽しくていっぱい入れてみました。ミノフスキー・フライトのフィンの段差などスミ入れ効果バツグンです

 ただ、どうしても色が乗りにくいところがあったり、慎重に作業してもはみ出したり汚れてくるのでその場合は半渇きか乾燥してからエナメル溶剤でふき取るなどして修正します。取れてほしくないところのスミも吸着してしまったのでここは今後の課題としたいと思います。そしてプライマーと塗料の影響でパーツ表面がテカっていますので、最後に水性のトップコート(つや消し)を吹いてつやを落として整えました。

【スミ入れが超簡単に!】
こういったPVC製のフィギュアだとモールドが甘くて太いところもあるのでシャープなスミ入れにするにはだいぶテクニックや材料が必要そうです。筆者の現在のスキルではこれが限界でした

スミ入れ完了!失敗しているところもありますが一気にディテールが際立った!

 筆者のつたない出来ではありますが、スミ入れの効果はやはり絶大だと思いました。パーツ単位だとわざとらしい感じもするな、と思っていたのですが組んでみるとリアルな陰影も合わさってさらに重厚感や情報量が増した感じでキャラクターも際立ってきたのではないでしょうか。

 それでは組み直してみましょう。プライマーやトップコートのおかげでパーツの接続部が若干しぶくなっていますが、じんわり組み合わせていけば大丈夫です。逆に、ゆるくなったらこの手が使えますね。

【スミ入れ完了!:全体】
スミ入れにより情報量が増したたことが一目で分かります。ちょっと離れて見るほうが印象はいいように思います
【ペーネロペー:近影】
ペーネロペーは構成要素が多いのでスミ入れが映える感じですね
【Ξガンダム:近影】
逆にΞガンダムはあっさり目な印象です。スミの定着が悪く薄いところがあるので今後再チャレンジしたいと思います

ディテールアップ作業としてとてもカンタンなスミ入れは効果抜群!

 ガンプラの組立説明書でも明記されるくらいこの“スミ入れ”という作業はディテールアップという観点でコストパフォーマンスがとても高い手法ではないかと思います。それこそ溝や穴に影になる色をちょんちょんっと塗っていくだけですしそんなに難しい作業ではないのがいいですよね。

 今回は「FW GUNDAM CONVERGE」シリーズへのスミ入れチャレンジでしたが、フィギュア本体の材質と使う塗料の注意点もわかっていましたのでプライマーを使ったりひと手間かかる作業となりました。それでもスプレー吹くだけでOKでしたから大した手間ではありませんでした。そしてイマドキはスミ入れ塗料などいい素材がそろっているものだなぁ、と作業しながら感激しっぱなしでした。

【FW GUNDAM CONVERGE EX30 ペーネロペー/EX34 Ξガンダム】
待ち焦がれているよ、ペーネロペー&クスィーG!

 今回のディテールアップ作業の原動力になった「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」の相次ぐ延期。延期の期間中にちょっとだけフィギュアをディテールアップするというのはいかがだったでしょうか。もちろんガンプラでも通用する方法ですので「閃光のハサウェイ」が観れるその日まであと一息!ファンの皆さんのガンダムへの愛をここにぶつけてみてはいかがでしょうか。いつの日か安全に映画館で観れる日が来ることを切に願っています!