レビュー
「機動戦士ガンダム Gフレーム14&EX04」レビュー
ゲーム「機動戦士ガンダム外伝」20周年!ブルーディスティニーの思い出を食玩で振り返る
2021年9月27日 00:00
- 【機動戦士ガンダム Gフレーム 14&EX04】
- 開発・発売元:バンダイ
- 発売日:2021年8月23日
- 価格:
- 【Gフレーム 14】各550円(税込)
- 【Gフレーム EX04】3,960円(税込)
- ジャンル:食玩
- 【機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY】
- 発売日:1996年9月20日~1997年3月7日(三部作)
- プラットフォーム:セガサターン
- ジャンル:シューティング
バンダイは食玩「機動戦士ガンダム Gフレーム 14」及び「機動戦士ガンダム Gフレーム EX04 ブルーディスティニー2号機&ブルーディスティニー3号機セット」を8月23日に発売した。
「機動戦士ガンダム」シリーズに登場するモビルスーツ(MS)の「アーマーセット」と「フレームセット」を組み合わせることで、ハイクオリティなアクションフィギュアが完成する「Gフレーム」の最新シリーズで、今回はゲーム「機動戦士ガンダム外伝」に登場するMSを中心としたラインナップとなった。
そこで今回は特別企画として、Gフレームにラインナップされた「機動戦士ガンダム外伝」に登場する機体に限定したレビューをお届けするとともに、1996年よりセガサターンで発売された「機動戦士ガンダム外伝」3部作をゲーム画面とともに振り返ってみようと思う。なお「機動戦士ガンダム Gフレーム 14」にラインナップされた「ブリッツガンダム」は同作に登場したMSではないため、本稿では扱っていないのでご了承を。
1996年にセガサターンで発売された、一年戦争期のオリジナルストーリーを描いた「機動戦士ガンダム外伝」
「機動戦士ガンダム外伝」は、1996年9月20日にセガサターンでその第1弾となる「戦慄のブルー」が発売された。本稿が掲載される頃には発売からちょうど25周年を迎えているはずだ。それまでの「機動戦士ガンダム」シリーズのゲームは、「SDガンダム」を除くと、どちらかというと原作準拠で作られていたタイトルが多かった印象があるが、本作は一年戦争末期を背景とした完全オリジナルのストーリーが構築され、メカデザインには大河原邦男氏を起用し、対ニュータイプ用戦闘システム「EXAM(エグザム)」を搭載した謎の青いMSを巡る物語がシリーズを通して展開された。
EXAMとは、ジオンのフラナガン機関所属のクルスト・モーゼス博士によって開発された、一般兵がニュータイプと対等に戦うためのサポートシステムで、試作MSのイフリートに搭載されたが、その力を十分に発揮できず、後に連邦に亡命したクルスト博士により陸戦型ジムや陸戦型ガンダムにEXAMを搭載した3機の「ブルーディスティニー」(以下、BD)が開発される。しかしそれらの機体は全て戦闘によって破壊され、クルスト博士も死亡したため、その研究は闇に葬られるという経緯がゲーム本編と関連作品で語られている。ちなみに時代設定はジオンのジャブロー強襲直前で、ジムを使用した実戦データ収集部隊の設立が物語の根幹となっている。
本作はストーリーが続く短編3部作という、当時としては珍しいスタイルで発売され、各巻のエンディング後には次回予告が入るなど、演出的にも凝っていて、当時のセガサターンユーザーは、シーズンで発売されるOVAを楽しむような感覚で次巻の発売を待ちわびたのだ。後にこの「機動戦士ガンダム外伝」はシリーズとして「コロニーの落ちた地で…」や「宇宙、閃光の果てに…」といった同じように独自のストーリーを備えたタイトルがリリースされ、2014年には「機動戦士ガンダム サイドストーリーズ」としてリメイクされている。
ゲームは当時としては斬新なコクピット視点を採用し、MSを本当に操作しているような感覚を味わえる。視界が限られているため緊張感が高く、この手の視点にまったく慣れていなかった筆者は、ライバル機のイフリート改やBD2号機はもちろん、ドムやズゴックEあたりにもずいぶん手こずらされたことを覚えている。今回のレビューにあたっては、ゲーム画面を撮影するために再び本作をプレイしてみた。セガサターンのコントローラー準拠の操作感覚に古さは感じたものの、ストーリーや演出などは今見ても十分に楽しめる完成度で、「サイドストーリーズ」もこのスタイルでリメイクしてほしかったという気持ちが強まったほどだ。
今回Gフレームで発売されたのは、ストーリーのキーとなるEXAMシステムを搭載した4機のモビルスーツと、主人公のユウ・カジマが最初に搭乗するジム・コマンド。そのうち2機が「Gフレーム EX04」でセットとして、3機が「Gフレーム14」でラインナップされた。
1箱でゲームのラストシーンを再現できる、オプションも豊富なBD2号機とBD3号機のスペシャルセット
まずは「Gフレーム EX04」から紹介していこう。Gフレームの「EX」シリーズは、通常版の「アーマーセット」のハンガーパーツをオミットした半完成品で、一部の組み立てのみでアクションフィギュアが完成する。専用の台座やGフレームシリーズに対応するオプションパーツなどが同梱された特別な商品だ。この「EX04」では、陸戦型ガンダムをベースに開発されたEXAM搭載機「ブルーディスティニー2号機」と「ブルーディスティニー3号機」がセットになっていて、ゲームではともに最終巻の「機動戦士ガンダム外伝III 裁かれし者」で登場している。
BD2号機は同1号機と同じく青く塗装されたカラーリングの機体で、EXAM研究施設を襲ったジオンの特殊部隊に強奪され、イフリート改の搭乗者であったニムバス・シュターゼン大尉の機体となった。ニムバス機となってからは両肩が赤く塗装され、このセットには強奪前後のカラーを再現する両肩のパーツも付属している。武装はビーム・ライフル、100mmマシンガン、ビーム・サーベル×2、シールドのほかに、コミック版に登場した2連ビーム砲。ビーム・サーベルなど一部塗装済みのものもあり、他のシリーズにも流用が可能だ。
一方のBD3号機は2号機の予備機で、青い塗装は施されずに、陸戦型ガンダムに近い白をベースとしたカラーリングで実戦投入された機体だ。形状や武装は2号機と同じだが、シールドがユウ・カジマが所属する「第11独立機械化混成部隊」(通称:モルモット隊)で使われていた形状となり、設定上ではEXAMにリミッターがかけられているという違いがある。
造形はフレームとアーマーを取り付ける関係で上腕と脚部の後ろ側がGフレームならではの形状となっているが、あまり気にはならない。カラーリングやマーキングはセガサターン版の設定画に忠実で、2号機はそのために腕のフレームを白で成形しているといった設計においてのこだわりが見られる。2号機のニムバス仕様の肩には設定画になかったジオンのマークが入っているが、設定画に忠実にしたいなら、正面から見えないように左右を入れ替えてしまう手もあるだろう。またEXAM発動時のカメラアイが赤くなった両機体の頭部と、Gフレーム14に含まれるBD1号機用のコミック版デザインの頭部も付属している。
可動はGフレーム準拠の仕様で、胴体・腕・脚・アーマーなど20カ所以上の部位が可動し、アクションフィギュアとしても十分に楽しめる。この「EX04」には専用のディスプレイ台座が2つ付属していて、それを使えば2体が戦うゲーム中のシーンを再現することも可能だ。また両肩のアーマーと両脚のスラスターの可動ギミックも用意されている。
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