レビュー
「機動戦士ガンダム Gフレーム14&EX04」レビュー
2021年9月27日 00:00
4種中3種が「機動戦士ガンダム外伝」の機体をラインナップした「Gフレーム14」
続いては「Gフレーム14」の3機について。こちらは「Gフレーム」シリーズに則った商品仕様で、機体の外装と無可動のハンガーパーツを同梱した「アーマーセット」と、可動フレーム+武器を同梱した「フレームセット」の2種がラインナップされ、両者を購入してパーツを組み替えることで、全高約11cmのプレイバリューの高いアクションフィギュアが完成する。またハンガーパーツは組み替えをして支柱パーツを沿えることで、台座として使用できる。
「42A」と「42F」のセットで完成する「RX-79BD-1 ブルーディスティニー1号機」は、「機動戦士ガンダム外伝I 戦慄のブルー」で、暴走した状態でモルモット隊を急襲するが、プレイヤーであるユウ・カジマによって撃退され、第2巻「蒼を受け継ぐ者」で、EXAMにリミッターを付けた状態でユウに与えられる。同巻のイフリート改との戦いでEXAMが搭載された頭部を破壊されてしまう。開発初期にベース機体となった陸戦型ジムの頭部と武装が特徴的で、2号機や3号機よりも好きだというファンも多く存在している印象がある。実は筆者もそのうちの1人だ。このGフレームも設定通り、胴体と手足の青が異なる濃さの青での成形・塗装が施され、Gフレーム独自のディテールも入っている。フレームセットにはEXAM発動時の赤いカメラアイの頭部やバックパックのスラスター展開のパーツが同梱され、プレイバリューを高めている。
「43A」と「43F」のセットは、「MS-08TX[EXAM] イフリート改」。1995年発売のシミュレーションゲーム「機動戦士ガンダム CROSS DIMENSION 0079」のオリジナルストーリーに登場した「MS-08TXイフリート」にEXAMを搭載した試作機で、バックパックや脚部スラスター、アーマーなどが大型化され、機動力が大幅に向上。腕部にグレネードランチャー、脚部にミサイルポッドを装備し、中距離戦闘も可能としている。商品は機体のトレードマークであるショルダーアーマーが、赤というよりは朱色に近い鮮やかな成形色で、その存在感がさらに引き立っている。また青い部分の成形色は1号機の腕と脚→2号機→イフリート改の順で濃い色で成形されているそうで、並べてみるとその違いがわかるだろう。コストの関係もあってか、背面の一部や付属のヒート・サーベルなどが未塗装なのは少々物足りない印象を受ける。自分で塗装をしてももいいが、素材がABSなのでその旨自己責任で。
最後となる「44A」と「44F」は、「RGM-79GS ジム・コマンド(宇宙戦仕様)」。「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」に登場する機体で、この「機動戦士ガンダム外伝」では、ユウ・カジマらモルモット隊に配備されていることで、今回のラインナップに入っている。第1巻「戦慄のブルー」では、プレイヤーは最後までこのジム・コマンドに乗ることになるので、愛着がある人も多いのではないだろうか。嬉しいことにこのGフレームには、モルモット隊仕様のシールドとバックパック、ブルパップ・マシンガンが付属し、劇中と同じ姿を再現することができるのだ。この角張ったシールドは、筆者が記憶している限りでは立体化の例がなく、造形としても貴重な存在である。できれば劇中の3体を揃えたいところだったが、同じことを考えた人もいたようで、筆者は1つしか手に入れることができなかった。
ゲームオリジナルの機体が同じタイミングで揃って発売されるのは食玩ならではのことで、プラモデルや完成品フィギュアではあまり現実的ではない。バラで販売していたショップなら好きな機体だけつまめて、通常シリーズは安価なのも嬉しいところだ。ブリッツガンダムが組み込まれたのは少々意外ではあったものの、完成度自体は非常に高いということがSNSなどで散見されていたのもよかった。まだ市場にはわずかに在庫があるようなので、「機動戦士ガンダム外伝」の20周年を記念する意味も込めて、ぜひ手に取っていただければと思う。
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