レビュー
「S.H.Figuarts ウマ娘 プリティーダービー ライスシャワー」レビュー
祝福の名を受けた漆黒のステイヤーが可愛く、カッコよく立体化
2022年9月13日 00:00
- 【S.H.Figuarts ウマ娘 プリティーダービー ライスシャワー】
- 開発・発売元:BANDAI SPIRITS
- 8月27日 発売
- 価格:6,930円(税込)
- ジャンル:アクションフィギュア
- サイズ:約120mm
BANDAI SPIRITSコレクターズ事業部は、アクションフィギュア「S.H.Figuarts ウマ娘 プリティーダービー ライスシャワー」を8月27日に発売した。
本商品はCygamesのAndroid/iOS/PC用育成シミュレーション「ウマ娘 プリティーダービー」(以下、「ウマ娘」)のキャラクター「ライスシャワー」をフィギュアブランド「S.H.Figuarts」で立体化したもの。
「ウマ娘」はゲーム、アニメなどで元の競走馬をモチーフとした細かなデザインや個々のストーリーなど数多くのキャラクターたちが魅力的に描かれている。
今回紹介する「ライスシャワー」もゲーム、アニメで活躍したキャラクターだ。前回紹介したトウカイテイオーとは異なった魅力を纏うウマ娘で、アニメではライスシャワーにスポットを当てたストーリーも描かれた。
本稿では「S.H.Figuarts ウマ娘 プリティーダービー ライスシャワー」の魅力に迫っていく。
臆病で気弱だけど、みんなの幸せのために走る「ライスシャワー」
「ライスシャワー」はゲーム、アニメではウマ娘の教育機関「トレセン学園」の高等部に通うウマ娘。周りで起きる不幸はすべて自分のせいと思い込んでいる臆病で気弱な性格。
しかし、走ることへの情熱や勝つことへの努力を諦めない芯の強さを持つウマ娘。目標にする相手の背中を追い続けて、時には“ついてく、ついてく”な健気に頑張る姿や、トレーナー(プレイヤー)を「お兄さま」or「お姉さま」呼びなど可愛らしい面もたくさんある。
ゲーム、アニメでは目標としていた「ミホノブルボン」とのレースに勝利してから、周囲の期待を裏切る結果を出してしまう自分に、走る意味を見失いかけてしまう。しかし、「ミホノブルボン」の支えと新たな目標となった「メジロマックイーン」との対決で、再び走る意味を見出していく。
特にアニメでは、観客たちからヒール(悪役)と見られながらも、ミホノブルボンの思いを受けてメジロマックイーンとの勝負は手に汗握る演出、そして、「ヒーロー(英雄)だっ!」の台詞と熱いドラマが胸を打った。そして、ゲーム版のメインストーリー第2章では、メジロマックイーンとのレース後のストーリーも描かれている。
「S.H.Figuarts ウマ娘 プリティーダービー ライスシャワー」はゲームでは育成の「[ローゼスドリーム]ライスシャワー」の勝負服姿が再現されている。黒いドレス風の衣装に青いバラをあしらった帽子やアクセサリが散りばめられ、短剣も下げている。
アクションフィギュアとなったことで、ターフを疾走するポーズやウィニングライブなど様々なシチュエーションが楽しめる仕様となっている。また、豊富な手首パーツと表情で遊びの広がりが感じられる商品となっている。
豊富な表情と手首パーツが詰まったパッケージ
パッケージデザインは7月に発売された「S.H.Figuarts ウマ娘 プリティーダービー トウカイテイオー」同様に、正面はフィギュア本体、付属パーツが見えるようになっており、裏面にポーズを取った「S.H.Figuarts ウマ娘 プリティーダービー ライスシャワー」が記載されている。
中身はフィギュア本体の他、交換用表情パーツ5種類、交換用手首右3種、左2種と台座一式、取扱説明書が封入されている。手首のパーツは「S.H.Figuarts ウマ娘 プリティーダービー トウカイテイオー」よりも少ない
手首パーツは通常の開き手に加え、握り手や少し指を伸ばしたもの、人差し指を上げたもので、レースやライブのポージング再現ができる。表情も困った顔やはにかんだ表情などライスシャワーらしいものが封入されている。
祝福の名を持つ漆黒のステイヤー、ライスシャワー
本商品の主役「ライスシャワー」本体を見ていこう。大人びた色合いと落ち着いた雰囲気のドレス風の勝負服は、大人しいライスシャワーの印象を強調させつつ、腰に下げた短剣が芯に宿る闘争心のように存在している。
黒のドレスに青いバラをあしらったアクセサリなど細かなところも作りこまれている。靴は低めのヒールに黒いリボンと作りこまれ、裏には蹄鉄の模様がしっかりと入っている。
特徴的な外ハネの髪表現され、大きめの耳も再現されている。
本商品でも表情パーツが多彩。大人しいライスシャワーらしい柔らかい笑みやはにかんだ笑顔、困り顔がある。そして、レースの時に見せる真剣な表情と様々なシチュエーションが楽しめる。
そして、ライブ曲の「うまぴょい伝説」でお馴染みのコメくいてー顔も付属。
可動は手足と首、胴体を動かすことができる。スカートには軟質素材が使用され、背面と前面の2つで構成され、腰や足の可動に合わせて前面が動き、スカートの裾が広がるような可動となる。
また、腕は脇をしめる動作が難しく、常に隙間ができる仕様となっている。
しかし、レースでの躍動感ある走る姿やライブの軽やかなステップなど表情パーツと合わせて再現し、遊ぶことができる。
健気に踊る姿、相手に迫る激走を見せるライスシャワー
ここまでのディテールと可動によって、「S.H.Figuarts ウマ娘 プリティーダービー ライスシャワー」は様々なポーズを取ることができる。
ライブパフォーマンスやレースの勝利のポーズなどはもちろんだが、ライスシャワーは日常のふとしたポーズも似合う。表情の豊富さはもちろんだが、ライスシャワーの大人しい性格と合わせて大きな動作よりも、ささやかに祈るような少し控えめなポーズが映える。
しかし、少し背伸びをしたポーズも愛嬌満点で可愛らしさが溢れてくる。そして、真剣な表情からくる迫力のギャップもまたライスシャワーの魅力を存分に発揮してくれる。
ここからは7月に発売された「S.H.Figuarts ウマ娘 プリティーダービー トウカイテイオー」と並べて紹介したい。
S.H.Figuartsシリーズでも身長差が表現され、ライスシャワーが少し小さい背丈となっているが大きめのスカートや耳で並べても見劣りしない。
レースを再現して並べると、より迫力ある競り合いが表現でき、ターフを強く蹴る足音が聞こえてきそうだ。
そして、ライブでのコンビネーションを意識したポージングでは可愛さの相乗効果でいろいろなシチュエーションが楽しめる。競い合うライバルであり、夢に向かう仲間というウマ娘らしさが溢れてくる。
「S.H.Figuarts ウマ娘 プリティーダービー ライスシャワー」に触れてみて、「トウカイテイオー」とは違ったアプローチで立体化されていると実感した。
勝負服のデザイン再現などプロポーションの造形再現はもちろんだが、元気いっぱいな「トウカイテイオー」とは逆の臆病な「ライスシャワー」の魅力が引き出されていた。
手首パーツは「S.H.Figuarts ウマ娘 プリティーダービー トウカイテイオー」と比べると少な目だったが、十分なポージングを楽しむことができた。祝福の名を受けたウマ娘が、ゲームやアニメでは見れなかったアクションフィギュアならではの魅力が詰まっている。
「S.H.Figuarts ウマ娘 プリティーダービー」シリーズの第3弾「スペシャルウィーク」の発売が決まり、今後の展開から目が離せない。
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