レビュー
「アイドルマスター シャイニーカラーズ 田中摩美々 ルフォンドゥ・ラメールver.」レビュー
クールでパンキッシュなアイドルが魅せる
2022年12月1日 00:00
- 【アイドルマスター シャイニーカラーズ 田中摩美々 ルフォンドゥ・ラメールver.】
- 開発・発売元:あみあみ
- 11月24日ごろ 発売
- 価格:21,780円(税込)
- ジャンル:塗装済み完成品
- サイズ:全高約220mm
あみあみよりフィギュア「アイドルマスター シャイニーカラーズ 田中摩美々 ルフォンドゥ・ラメールver.」が11月末に発売した。価格は21,780円(税込)。
本商品はアイドル育成シミュレーションゲーム「アイドルマスター シャイニーカラーズ」(以下、シャニマス)に登場するアイドルの一人、田中摩美々を1/7スケールフィギュア化したもの。シックな暗色でまとめたライブ衣装でカッコ良さが際立った立体物となっている。
シャニマスは2018年よりサービスが開始され、登場アイドルのフィギュア化もしている。筆者も以前に「月岡恋鐘 フェイスオブトレジャーVer.」を紹介させてもらった。
今回は本商品の魅力とともに、アイドル「田中摩美々」の魅力についても触れていきたいと思う。
面倒くさがりで天邪鬼なアイドル田中摩美々
田中摩美々は、シャニマスに登場する高校3年生のアイドルでユニット「L'Antica(アンティーカ)」に所属している。シャニマスの中でも個性的な“摩美々”という名前や、パンキッシュなスタイルが第一印象となり、落ち着いたトーンのしゃべり方やローテンションな姿勢で一気に興味を惹かれるアイドルだ。
アイドルを始めるきっかけとなったのも、プロデューサー(プレーヤー)に叱られたことがきっかけとなり、プロデューサーに興味を持ったのが始まりと変わったオープニングとなっている。
初期のコミュ(エピソード)ではメンバーと距離を置いて接しながらも、衣装づくりのためにお店を回ったり、メンバーにアドバイスをしたりと興味のあることに打ち込む姿も印象的だ。
また、プロデューサーやメンバー、特に月岡恋鐘にイタズラを仕掛けたり、レッスンをさぼろうとしたりと「悪い子」ムーブで回りを巻き込む風景もあり、一筋縄ではいかない天邪鬼な面で人を惹きつける力を持っている。そして、繊細な心遣いもでき、プロデューサーやメンバーにそれとなく促したりと真面目な一面も魅力の一つだ。
楽曲では「L'Antica(アンティーカ)」のクールな雰囲気にあった軽やかな声で、重なり合う歌声に力強さとともに繊細さを感じさせるユニットの世界観を支えている。
また、ソロ曲「誰ソ彼アイデンティティー」での軽やかなリズムに、田中摩美々のキャラクター性を表現した歌詞はプロデュースした人に深く支える曲となっている。
そして、今回フィギュア化されたのは、ゲーム内のP(プロデュース)SSR「【真・TRAVELER】田中摩美々」のライブ衣装となっており、パンキッシュなデザインとなっている。ボリューミーなスカートのフリルで可愛らしさや帽子やリボンにはパンクな造形が施され、田中摩美々の個性を感じさせるものとなっている。
それでは主役となる「アイドルマスター シャイニーカラーズ 田中摩美々 ルフォンドゥ・ラメールver.」を見ていこう。
オーディションを見守るような緊張感高まる開封
本商品のパッケージは正面から中の本体を見ることができるオーソドックスなパッケージとなっている。側面には商品のイメージ写真が掲載され、裏面には説明文が記載されている。
中にはブリスターに収まったフィギュア本体と台座、マイクスタンド、そしてクリアの補助スタンド、組み立て説明書が付属している。
また、あみあみ限定特典として交換用フェイスパーツが別途付属する。
フィギュアのディスプレイは、台座にある接続部分に片足を接続して立たせる。この状態でもディスプレイは可能だが、フィギュア本体がマイクに寄りかかる体勢なので、重心が偏り片足で支えている状態は負荷が気になる。
そのため、フリル部分に差し込んで支える補助支柱をが用意され、これによって安定感を上げている。
マイクスタンドは自立できるので、本体の腕に抱えさせるようにして差し込んで位置を調整する。
これでディスプレイの準備が完了した。それでは全体をじっくり見ていこう。
クールでパンキッシュなアイドルが登場
元となったイラストを再現しつつ、マイクの位置や顔の角度など立体向けに調整が加えられている。
片足を上げた躍動感あるポージングに加え、ウインクした表情とクールな雰囲気が全体的に表現されている。クールな空気感を纏う摩美々らしい雰囲気を出しながら、アイドルとしての熱意も感じさせる表情や目線の配り方、指先の造形も細かく造形されている。
衣装のフリルは、ボリュームのある存在感を放ち、その一つ一つの波打つ造形が丁寧に表現されている。ブーツは光沢ある塗装が施されており、グラデーションやしわによってできた影の表現もしっかりと作りこまれている。
また、帽子やリボンの小物の造形も実に繊細。金属的なメタリック塗装は帽子の他、スカートの模様にも力が入っており濃密な情報量となってる。アクセサリは衣装のコンセプトを表すとともに、アイドルの個性を強めてくれる。こうした衣装の作りを見るのも楽しく、またこれをバッチリと着こなす摩美々のスタイルが顕現されれば筆者も非常に満足できた。
マイクの色は緑が強く出ており、ケーブルの色との差を出している印象でイラストの雰囲気とは違った表現となっている。そのため、引きで見た時でも色の違いが明確になっているが、筆者としてはイラストの雰囲気から少し離れており違和感を覚えた。
ウインクした表情は、アイシャドウやパープルの口紅と摩美々の個性がしっかり取り入れられている。前髪の斜めカットやふわふわなツインテールも取り入れられ、普段のアンニュイな雰囲気とは異なる妖艶さがぐっと押し出された印象となっている。
あみあみ特典の交換用パーツは本体の前髪パーツとフェイスパーツを取り外して差し替えができる。
特典パーツは舌をチロッと見せたイタズラな表情となっており、通常のフェイスパーツとは異なる魅力が出ている。イタズラをする普段の彼女らしい表情となっている。クールなアイドル像から一変して、天邪鬼な可愛さが伺える顔に思わずドキッとする。
ライブ中に見せるパフォーマンスのようにも取れ、ファンに対するサービスとも、プロデューサーにだけ見せた一瞬のイタズラのようにも見えるドラマ性が広がる表情パーツとなっている。
「アイドルマスター シャイニーカラーズ 田中摩美々 ルフォンドゥ・ラメールver.」の造形について触れてきたが、ここからは少し趣向を変えて紹介していきたいと思う。
ここまでは単純な黒背景とライトを使用してフィギュアを撮影してきた。それゆえに、筆者の中に去来してくるのは「アイドルらしくない」という思いであった。造形美に対する違和感や否定ではなく、「もっと摩美々なら輝けるのではないか?」と自身のプロデュース不足を感じさせるものだ。
内箱の背景とライトの色を変えてよりアイドルを輝かせる
今回はパッケージの内箱にある背景とライトの色を変えて撮影してみた。
背景はパッケージの大きさに合わせているなので利用しやすい。そして、ライトは100円ショップで購入できる色のついた透明千代紙を使用して、青や緑の配色を入れる。ライトの光は被写体となるフィギュアに直接当てるのではなく、背景に当てる形にする。
すると、ライトの色合いや背景によってよりパンキッシュでクールな雰囲気が引き立つ。ライブのような華やかさ、MVのような絢爛さを演出ができる。
あみあみ限定交換用フェイスパーツでも世界観を崩すことなく、アイドルとしての魅力を引き立たせてくれる。
「アイドルマスター シャイニーカラーズ 田中摩美々 ルフォンドゥ・ラメールver.」に触れてみて、イラストの雰囲気や田中摩美々のキャラクターが表現された立体化だった。
アイドルの個性とあった衣装の造形はもちろん、細かなアクセサリや模様の細かい部分からも読み取れるコンセプトも作りこまれていた。イラストからでは読み取れなかった背面など、様々な角度から解釈を拡大できるのもフィギュアならではの楽しみだ。
一方で、イラストの完全再現の難しさもうかがえ、マイクスタンドとフィギュア本体の手の間で隙間ができてしまい側面から見た時にアンバランスな印象を受けた。
とはいえ、アイドル「田中摩美々」の魅力が詰まったフィギュアとなっており、ぜひチェックしてほしい。
© BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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