レビュー
あの破壊大帝を美少女化! 「TRANSFORMERS美少女 メガトロン」レビュー
背負った巨大武器や、華奢な体を厳つく見せる軍服など見事なアレンジが楽しい!
2023年3月9日 00:00
- 【TRANSFORMERS美少女 メガトロン】
- 発売日:2月(発売中)
- 価格:17,600円
- スケール:1/7
- 全高:全高約253mm(台座込み)
- 材質:PVC(非フタル酸)・ABS
- 原型製作:燕
コトブキヤのフィギュア「TRANSFORMERS美少女 メガトロン」は、その名の通り「トランスフォーマー」に登場する敵ボス「破壊大帝メガトロン」を“美少女(BISHOUJO)”にしようという驚きのコンセプトのフィギュアだ。
コトブキヤの「BISHOUJO」シリーズはイラストレーターの山下しゅんや氏が様々なキャラクターを美少女キャラクターとしてイラスト化、それをフィギュアにしていこうというシリーズ。弊誌でも「ヴァンパイア美少女 モリガン」を取り上げた。この美少女シリーズはアメコミや、ゲームなど様々なキャラクターをモチーフにしており、映画「13日の金曜日」のジェイソンすら美少女化してしまうその幅広さが魅力となっている。
「BISHOUJO」シリーズの面白さは、山下しゅんや氏により、きちんとオリジナルキャラクターの特徴のみならず、魅力的なポイントも活かして美少女キャラクター化しているところだ。「TRANSFORMERS美少女 メガトロン」は、ツンとしたちょっと怖いお姉さんだが、間違いなくメガトロンなのである。
そして山下氏のイラストの“味”をきちんと立体化してくれるフィギュアの原型師の手腕も楽しいところ。今回は「TRANSFORMERS美少女 メガトロン」の魅力を紹介すると共に、先行して発売されている「TRANSFORMERS美少女 コンボイ」との2ショットも撮っていきたい。
厳めしく恐ろしい破壊大帝メガトロンが美少女となるそのアレンジの面白さ
まず「破壊大帝メガトロン」というキャラクターを少し掘り下げよう。メガトロンは「トランスフォーマー」シリーズで激しくぶつかる2つの勢力デストロン(英語名はDecepticons)と、サイバトロン(Autobots)のデストロンのリーダー。
メガトロンは様々な作品に登場するが、今回のモチーフとなっているのは1985年に日本で公開されたTVアニメ「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー(G1)」に登場したファンからは「G1メガトロン」と呼ばれるキャラクターだ。自動拳銃に変形する。知力、体力のみならず狡猾さを併せ持ち、様々な作戦でコンボイ(Optimus Prime)率いるサイバトロンを苦しめる。
デストロンは荒くれ者揃いなため、部下のスタースクリームも含め裏切られたり、反逆されることも多いのだが、それらを叩きのめしたうえで許すという寛大さも持っている。拳銃に変形すると自身では身動きがとれなくなってしまうため、部下のスタースクリームやサウンドウェーブが射撃するシーンが見られる。コンボイと共闘した際はコンボイがメガトロンを武器として使うこともあった。
今回は参考としてタカラトミーが2017年4月に発売したアクションフィギュア「マスターピース MP-36 メガトロン」の画像を紹介したい。銃に変形する際にはスコープとなる大きな武器や、ヘルメットをかぶったような頭部の造型、赤い目などが印象に残る。これらを記憶に残した上で、「TRANSFORMERS美少女 メガトロン」を見てみよう。
大型の武器を抱え、いかつい肩の造型を“軍服を羽織ってる”と解釈、赤の差し色を服の裏地にアレンジしている。アニメ版のメガトロンは、足の内側やひじ部分なども赤で着色されていたので、この鮮烈な赤を裏地に使ってるセンスは楽しいところだ。
そして何より、顔だろう。フィギュアの女の子はちょっと頬が膨らみ気味のバランスだが、このバランスこそがまさに“メガトロンを美少女化した顔”といえるのではないだろうか。赤い瞳も相まって、このアレンジのセンス、そして表情から感じられるそこはかとない傲慢さは間違いなくメガトロンである。こういったアレンジが楽しいのも、「BISHOUJO」シリーズの最大の魅力とも言えるだろう。次章ではより細部に迫っていきたい。
華奢な腕と大型の武器、絶対領域の肌の白さがたまらない
「TRANSFORMERS美少女 メガトロン」の細部を見ていこう。まずは顔。本商品に漂う“傲慢な雰囲気”はポーズももちろんだが、やはりこの表情にあるだろう。見下ろすようなきつい視線、ツンととがった口、首の角度と、膨らませたような丸い曲線を描く頬、かわいらしさがありながら、気の強そうな、一筋縄ではいかない雰囲気がとても良い。
細かく仕上げられたまつげ、赤い瞳の中のハイライト(白い光の部分)など、印刷技術の細かさも注目したいところだ。うっすらとかかっているチーク(頬紅)、柔らかな質感を感じさせるパールの入った紫の口紅も良い。やはりこのフィギュアは頬の表現が良い。思わず指でつつきたくなるような柔らかさを感じさせる。……実際に指でつついたら激怒されて殺されそうではあるが。
そしてボディだ。大胆に肩や背中がむき出しになったビスチェ形態の上着に、セパレートタイプの襟とネクタイというフェティッシュな衣装が良い感じだ。上着からこぼれる肌はびっくりするほど白く、腕は細くて華奢だ。「破壊大帝メガトロン」という名前とは似合わない非力さを感じさせる軟らかくなめらかな肌だが、それをいかめしい軍服のコートで覆っているという解釈がとても楽しい。このギャップはフィギュアの大きな魅力だろう。
そしてタイトスカート、ニーハイソックスによる、“絶対領域”の表現がたまらない。スカートから白い足がチラリとのぞき、灰色のストッキングにすぐに包まれてしまうことで、その白い肌が際立つ。スカートからソックスの間のこの部分を絶対領域と名付ける、その気持ちがわかる。どうしても目が吸い寄せられてしまう空間だろう。ソックスがずり落ちないように縁が黒い素材で補強されているのも、白い太ももを強調している。かかとの高いヒールも良い感じだ。
大型の武器ももちろん注目である。本来この武器に見えるものは拳銃形態のスコープだが、「融合カノン砲」という大口径のレーザー砲として機能する。フィギュアでは肩に担ぐバズーカ砲のような表現となっている。注目なのが握りの部分。拳銃を落としてなくさないため紐やワイヤーを取り付けるランヤードリンクが造型されている。この形状はワルサーP38を彷彿とさせ、ファンをニヤリとさせてくれる部分だ。
もう1つ、華奢な体型を厳つく見せるために羽織った上着も要チェックだ。袖も含め風になびくこの造型と表現は本当に素晴らしい。裏地の鮮烈な赤も強く目が惹かれる。上着の光沢のある塗装、自然なしわの表現など、コトブキヤの高い造型技術を改めて感じさせてくれる部分と言える。
このフィギュアの最大の魅力はやはりその雰囲気だろう。メガトロンならではの傲慢そうなその空気は表情だけでなく、胸を張った姿勢、腰に当てられた手、踏みしめる足、顎を上に上げ、傾けられた首と、全身で形作っている。このフィギュアの魅力を引き出すアングルの1つは間違いなく、下から見上げたアングルにあると思う。デストロンのリーダーであり、不敵な悪のトランスフォーマーの首領、メガトロンならではのポーズだと思う。
今回はさらに1月に発売された「TRANSFORMERS美少女 コンボイ」と並べた写真も撮ってみた。コンボイの紹介と共に、2ショット写真をお見せしたい。
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