レビュー
プラモデル「HG ギルボウ」(SYNDUALITY Noir)レビュー
2023年8月10日 00:00
抜群の可動域を持つ特異なシルエットが完成
完成した胴体と四肢を組み立てれば本体が完成する。戦闘メカとしてはあまり例のない、頭部が存在しないシルエットは非常に印象深い。コックピット上面のフィンを目に、センサーを鼻のように見たてると、ちょっとコミカルになるのも面白いところだ。コフィン(=棺桶)とはよく名付けたもので、背面のシュネーが搭乗する部分は本当に棺桶のような観音開きのギミックがある。コックピットの黒仮面と違い、扉を開けば取り出すことも可能だ。
可動は前述の腕のスライド機構や脚部の多重関節など設計にも工夫が施されていて、かなりよく動く。独自のシルエットのメカなので、人型のそれとは印象が異なる、見栄えのいいポーズを付けたいなら、アニメのカットを参考にするといいかもしれない。可動に関しては、股関節をもう少し外側に開くことができれば、より安定感のあるポーズが取れるような気もした。
キットには簡易ディスプレイベースが付属するので、大きく重量があるギルボウを立たせる際に役立つ。エネルギー・インパクト・ブレードを展開して斬りかかるなど、劇中の躍動感のあるポーズを再現する際には、アクションベースを使用するとより安定する。
全身のマーキングで白いボディが一気に引き締まる
機体のマーキングは68種(枚数ではない)あり、貼るのには骨が折れるが、水転写デカールではないので難しくはない。白い機体なので、明るめに撮影をするとモールドが飛んで若干間延びしてしまう印象があり、マーキングシールを貼ることでそれが解消される。手間を惜しまなければ、マーカーやシャープペンなどで簡単にスミ入れをしてみるのも手だろう。
BANDAI SPIRITSがプラモデル化したメカの中でも、かなり異色な雰囲気を持った「SYNDUALITY」のクレイドルコフィン達。ギルボウはその中でもさらに異色の存在だ。プラモデルで作ってみることでさらなる魅力に気づけるとおもうので、ぜひ作ってみていただければと思う。また同日には「Figure-rise Standard ノワール」も発売され、そこから先のラインナップにも大いに期待をしたいところだ。
(C)SYNDUALITY Noir Committee