レビュー

プラモデル「HG ギルボウ」(SYNDUALITY Noir)レビュー

黒仮面の男が駆る純白のクレイドルコフィンは、左腕の巨大なブレードが魅力

【HG ギルボウ】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

8月11日 発売予定

価格:4,620円(税込)

ジャンル:プラモデル

 バンダイナムコグループが贈る、完全新規のSFプロジェクト「SYNDUALITY(シンデュアリティ)」がこの7月からのTVアニメ「SYNDUALITY Noir(シンデュアリティ ノワール)」の放映を皮切りにスタートした。人類の脅威となる「エンダーズ」と戦い、物資を探索する「ドリフター」に憧れる少年「カナタ」と、彼が発見した謎のメイガス(人類双対思考型AI搭載ヒューマノイド)「ノワール」との物語を描く作品で、ゲームやアクションフィギュア、プラモデルなど、様々な商品展開が予定されている。

 BANDAI SPIRITSからは、劇中でドリフター達が駆るメカ「クレイドルコフィン」のプラモデル、「HG デイジーオーガ」が7月8日に発売された。独特のフォルムやカラーリングを忠実に再現し、各関節の可動によるポージング、コックピットやコフィンにカナタとノワールが乗るなど、完成後も楽しめるプラモデルとなっている。

 そして8月11日には早くもHGシリーズの第2弾が登場。それが本稿にてレビューする「HG ギルボウ」だ。「SYNDUALITY Noir」第3話にて、謎の黒仮面の男とそのパートナーのシュネーが乗る機体として活躍を見せ、オープニングにもその姿を現している。今回は素組みレビューをお届けしていこう。

「HG ギルボウ」。8月11日発売。価格は4,620円(税込)

異色の雰囲気と存在感を放つ純白のクレイドルコフィン

 「SYNDUALITY Noir」第3話、快楽都市ディザイアネストにてカナタが出会った黒仮面の男が駆るのがこのギルボウである。エンダーズの群れと戦うカナタとエリーの前に現れ、左腕に備えた「エネルギー・インパクト・ブレード」で中型エンダーズを一刀両断し、メイガスのシュネーのメイガススキルにより、後方の敵を氷漬けにしたり、エンダーズを追うための氷の滑走路を作ったりと、ドリフターとメイガスの息の合った戦い方が印象的だった。

 カナタに「純白のコフィン」と言わしめたそのカラーリングは、デイジーオーガやトキオのジョンガスメーカーのカラフルな機体色とは一線を画す、ほとんどが白色で、なおかつ直線的なデザインが特徴だ。

「HG ギルボウ」パッケージビジュアル
【【期間限定3話フル公開】アニメ『SYNDUALITY Noir』|第3話「Behind the mask」|Disney+ (ディズニープラス)】

 武装はライフル、ミサイルランチャー、そして左腕のエネルギー・インパクト・ブレード。これだけの武装で中型を含むエンダーズの群れをほぼ1機で壊滅させてしまうほどの強さを誇るが、まだ第3話のみの活躍なのでそれ以上の強さは未知数。ストーリー的にも今後カナタらとどう絡んでいくのか楽しみなところだ。

公式サイトでは、劇中のシーンをプラモデルで再現した画像が披露されている。この「HG ギルボウ」の他、「HG デイジーオーガ」の画像もあるのでぜひ見てほしい

組みやすさと組み応えを両立した「SYNDUALITY」HGシリーズ第2弾

 本題となるプラモデルは、完成後のボリュームの割にパーツはそれほど多くない。といって密度が薄いわけではないのでそこはご安心を。組み立ては胴体からスタート。「HG デイジーオーガ」と同様、コックピット内部まで作り込んであることがこのキットの売りの一つで、搭乗者の黒仮面のフィギュアが付属し、操縦時のポーズを再現している。

Aパーツ、Bパーツ
Cパーツ×2
D1パーツ、D2パーツ
E1パーツ、E2パーツ
シール、マーキングシール

コックピットまで再現した胴体

 コックピット内部は本体上部装甲をスライドさせて見ることができるが、車のボンネットのように大きく開けることもできるようになっていた。組み立て前に黒仮面やコックピットを塗装しても楽しむことができるだろう。またコックピットと同様、メイガスのシュネーが載る背面の「コフィン」と呼ばれる部位も開閉機構を備えている。スケールは設定されていないが、フィギュアの大きさから1/35スケール前後といったところだろうか。

コックピット内に座る黒仮面のフィギュア。指の先まで成形されているのがわかるだろうか
フィギュアを座らせてコックピットを組み立てる。完成すると腕がちゃんとコントロールレバーの上に乗るのが嬉しい
ボディ上面は組むと排熱口からフィンが露出する設計。コックピット内部に当たる部分にもモールドがある
一部の色分けはシールで対応している
可動用のアームを組み立てて、コックピット上部に取り付ける
胴体の内部メカを組み立て。コックピットは前後にスイング可動する設計だ
ダンパーのような筒状の部位にはシールを巻き付ける
コックピットを含む内部メカが完成
外装を取り付けていく
背面のコフィン上部のパーツはスライド式で、ドアのストッパーになっている
コフィンのドアを組み立てて取り付ける。グレーの部分はシールだ

 キットにはシールが2種付属していて、ホイルシールは主に本体色の再現、マーキングシールは機体のマーキングに使用する。前者は組み立て時に指定があり、それに従って貼ることで素組みでもカラーを再現できるようになっている。ミサイルランチャーに格納されたミサイルの先端部分に直径2mmほどのシールを24枚貼るのはちょっと大変だったが、一体型のシールより見栄えはいいはず。

各所にシールを貼っていく
肩関節と股関節を組み立てて取り付ける
ボディ先端にセンサーを取り付ける。センサーは前後にスイング可動する
ミサイルランチャーにシールを貼る。貼った後、爪楊枝の後端で軽く押しつけると綺麗に仕上がる
ミサイルランチャーの組み立て。ミサイル側に取り付けたドアは可動する
ランチャーをこの位置に取り付けて胴体が完成

左右非対称でギミックも内蔵した腕部

 腕は左腕にエネルギー・インパクト・ブレードの展開ギミックがあるため、左右非対称の構造になっている。指は親指のみが動く仕様だが、ディテールは細かく爪の先端まで造型されており、精度も非常に高い印象を受ける。また肘関節にはスライドさせる伸縮機構が内蔵されていて、腕を深い角度まで曲げられるようになっている。

肩と肘の関節は左右共通。こちらもダンパーはシール
右腕の組み立て。特別なギミックはなく、構造はシンプルだ
手首は5パーツで構成。親指のみ可動し、武器を持たせるときは人差し指以降のパーツを交換する
上腕に関節のカバーなどを取り付け、手首と肩を取り付けて右腕が完成
左腕のブレード展開機構の組み立て。アームは折り畳んで収納する。ピンクのラインはシールを貼ったもの
右腕と同様に関節を組み込んでいく
両腕が完成。左肩が紺色なのがポイント

 脚部は3カ所の関節とともに、バーニアとスタビライザーが別途可動する、非常に変わった設計となっている。脚部を展開させておけばバーニアの付け根が前後にスイングし、さらにノズル全てがスイング可動するという自由度の高い設計だ。またかかとの部分は差し替え式で、ホバリング時の形状を再現することができる。

つま先とかかとの組み立て。左右2組作る
バーニアの組み立て。ノズルは個別に可動する
脚部の組み立て。ノズルもここで取り付ける
後ろにフィンを取り付けて脚部が完成