レビュー

フィギュア「【推しの子】有馬かな」レビュー

コトブキヤの1/7スケール有馬かなは10秒で買いたくなるのか?

【有馬かな】

ジャンル:1/7スケールフィギュア

開発・発売元:コトブキヤ

価格:18,700円

発売日:2024年2月22日

サイズ:全高約215mm

 週刊ヤングジャンプで連載中の赤坂アカ氏×横槍メンゴ氏による漫画【推しの子】に登場するヒロインの一人「有馬かな」のTVアニメバージョンが、壽屋から1/7スケールのフィギュアで登場! 本編では新生「B小町」センターでありアイドルとしての活躍シーンも多いが、今回は在席している「陽東高校」の制服姿で立体化されている。学園モノではないので学校のシーンは少ないが、有馬かなといえばこの制服姿を思い浮かべる人が多いかも?

 ということで、今回は、そんな「有馬かな」の制服バージョンが推せるフィギュアになっているかどうかを検証していくぞ!

【推しの子】&「有馬かな」って?

 いつもなら登場作品を知らない人のために【推しの子】の話を書くところだが、現在も連載中の作品なのでネタバレに配慮したい。ここでは、あくまでヒロインの一人である「有馬かな」中心に物語を紹介しよう。

【TVアニメ『【推しの子】』本予告【2023年4月より放送開始】】

 有馬かなは、「10秒で泣ける天才子役」として登場し、メインキャラクターの一人である星野愛久愛海(アクア)と子供時代に共演、一方的にライバル視する。その後、アクアの入学した陽東高校で再会することに。だが、有馬は子役時代とは異なり、芸能界では著名だけどオワコンかのような扱いをされている始末。その後、アクアと再度ドラマで共演するなどして徐々にその距離を縮めていき、アクアの妹である星野ルビーが所属する新生B小町のメンバーとしてスカウトされることになる。

 一見、フツーのカワイイヒロインのように聞こえてしまうが、その実、口が悪く、性格も気が強いタイプである。だから、割とアクアやライバルの女優・黒川あかねなどともバチバチの関係だったりして、見ていて楽しい。特にアニメ版の【推しの子】では、声優の潘めぐみさんによる「アクアが好きだけど素直になれない」感じの演技が堪らない。多数登場するヒロインたちの中で群を抜いて有馬かなを推したくなったはずだ。

 ちなみにあだ名は「重曹ちゃん」。命名はアクアの妹・ルビーで、「10秒で泣ける天才子役」が「重曹を舐める天才子役」と言い間違えられたことが原因だ。

パッケージ開封の儀

 それでは今回早速重曹ちゃんのパッケージを見ていこう。今回のパッケージは【推しの子】のモデルということで、ボックスの一部が星型に切り抜かれていたり、あちこちに星がデザインされていたりするのが特徴的だ。また、役者やアイドルなどの芸能活動をしていることから、「有馬かな」のサインも印字されているのが嬉しい。

 内容物としては、有馬かなのフィギュア本体に加え、トレードマークともいえるベレー帽、そして台座だ。フィギュア本体は、指が顔に接触しないように保護されているのが嬉しい。ベレー帽には磁石が入っているので、頭部から落ちることなく固定できる。接続ピンなどはないので、ベレー帽を外した状態もバッチリ再現可能だ。

 台座は一見シンプルに見えるが、有馬かなのサイン部分を特殊塗料で印字しているため、見る角度によってさまざまな色に変化して楽しい。

箔押し加工がエレガントを気取る重曹ちゃんらしい
サイドのプリントもサイン入りだったりして、かなり凝っている
パーツ構成は少ないので、組み立ても簡単
顔が傷つかないように、指先部分はガードされている
ベレー帽は磁石入りなので、気持ち重め
サインが入っている台座は嬉しい

重曹ちゃんのご尊顔を拝謁!

 まずは有馬かなの「顔」からチェックしていこう。デコマス版と比べると、ちょっと重曹ちゃん味が足りない気もするが、それは自分が漫画版のイメージを引きずっているだけで、あどけなくてちょっとトボケた感じがTVアニメ版としてはまさに「有馬かな」といった造型だ。今回はAmazonで購入してしまったが、壽屋の直販店で購入した場合に付属する特典の「表情変えパーツ」がさらにリアル! 持っている人が超羨ましいぞ!

 目は星野家と違って星が入っていないのでフツーのプリントだが、有馬かなの芯の強さを感じるデザインだ。

 髪の毛に関しては、前髪パッツンもイイ感じに再現されているし、ボリュームのあるショートカットは後ろ髪を3層に分けることで表現しているのが素晴らしい。ベレー帽は磁石が入っているので、好みの位置に付けられる。逆さにしても落ちることはないので、安心してディスプレイできるだろう。

どことなく原作版らしさも感じる顔の造型
目のプリントもとても微細!
前髪パッツンも微妙な不揃いさがリアルさを増している
後ろ髪は三層構造で細かったり太かったりの組み合わせが絶妙

「ない」のに「ある」造型が絶妙なアクセントを生む!

 このフィギュアのスゴイなって思った一番のポイントは服というかボディラインの造型だ。有馬かなの設定としては身長150cmくらいなので、どことなく幼児体型っぽいところがある。ストレートにいえば、貧乳系といってもいいだろう。実際、このフィギュアの横から見れば、一応女性としての体型を保っているレベルはある。だが、見る角度を調整すればあら不思議。制服の引っ張られ具合も相まって、「ない」はずのものがふくよかな存在感をもたらしてくれるのだ。指先もとても綺麗で、色白な彩色もあって思わず見惚れてしまうカモ。

ないように見えても、たしかにそこに「ある」のだ!
指先を伸ばしているだけのはずだが、なぜかバルカンサインに!

 下半身も、上半身と同等に男心をくすぐる造型美が楽しめる。例えばスカートの前側は躍動感のある膨らみを持たせていると同時に、生地が薄いわけでもないのに太ももの形がうっすらと浮き上がっていく。一瞬透視能力に目覚めたかと思ったくらいだ。そして、裏側も前側同様お尻や太ももの形が浮き上がっている。もちろん、現在の技術力から言えば、こういった彩色テクはあるのだが、なんというか「あざとくない」ところがとてもいい。

 生脚の部分で言えば手と同様に透きとおるような美白で彩色されている。お尻と脚との間がほんのりピンク色なのもいい。また、造型も膝裏のくぼみや、細すぎもなく太すぎない太ももも、子役から芸能活動を続けている有馬かなの女優としての美意識が完成させたであろう健康美を感じる。ピカピカに磨き上げられたローファーは、お嬢様というかお金持ちながらも学生らしさをしっかり感じさせてくれるだろう。

スカートと太ももが一体化したような造型が素晴らしい
お尻部分もなんとなくボディラインが透けているように見える
膝裏のさりげない表現が好き!
ソックスのつや消しカラーとのコントラストがイイ感じのピカテカローファー

次回は新生B小町バージョンに期待!

 ということで、恒例の8方向画像を用意したが、見てわかるようにバランスがとてもいい! 低い身長を無理矢理高くするのではなく、スケールに忠実でいながらもポージングや彩色を工夫することによって、高校生なりの色気を感じる完璧な造型といえよう。次に来るとしたら、B小町の衣装や、シックな私服姿、舞台編の衣装なんかも考えられるね。TVアニメ第2期も2024年7月に放送が決定しているので、今後のフィギュア展開にも期待したい!

【推しの子】第2期ティザービジュアル第2弾