レビュー
「MODEROID ガーランド」レビュー
2024年5月19日 00:00
手足を組み付け、ガーランド完成!
マニューバクラフト(バイク)形態から、マニューバスレイブ(ロボット)に。ガーランドの複雑な変形システムをプラモデルで見事に再現する「MODEROID ガーランド」は、最初にマニューバスレイブ状態に組み立てていく。ここからは手足を組み立て、一気に完成させていこう。
ボディの複雑さに比べ、手足の変形システムは比較的シンプルだ。腕は前腕部に拳を内部に収納する機構はあるものの、他のロボットプラモデルと同じような感覚で組み立てられるだろう。肩にはパイプがむき出しになったところがあるので、スミ入れをすることでより見栄えが良くなると感じた。
足は膝関節に工夫がある。ここの機構により、スネの内部に太ももが収納できるようになっているのだ。ふくらはぎの装甲板がロック機構になっており、ここを開放することでスムーズな変形が実現できている。こういった機構は次章の変形システム紹介で説明していきたい。
後は組み上がった手足、頭をボディに装着することで完成となるが、「MODEROID ガーランド」はボディ側面の黒い溝にシールを貼ることで、より劇中の雰囲気に近づけることができる。スミ入れでも雰囲気は出るが、この部分は太いラインのため、黒いシールがアクセントになってくれる。「MODEROID ガーランド」で付属のシールはここのみ。組み上げただけで劇中に近いカラーリングになるところは感心させられた部分だ。
最後は手首の組み立て。「MODEROID ガーランド」は変形時に使用する小さめの拳のほかに、見栄え重視の大型の拳と開き手、武器である「レーザーオーブガン」とその握り手が用意されている。さらにマニューバクラフト時のパイロットフィギュアを組み立てたら全行程完了。「MODEROID ガーランド」の完成だ。
次章ではいよいよ商品最大の魅力である。"変形"を行っていこう。
マニューバスレイブから、マニューバクラフトへ。複雑な変形を再現
ロボット形態のマニューバスレイブから、バイク形態のマニューバクラフトへ、「MODEROID ガーランド」を変形させていこう。
まずは拳の収納だ。前腕部のカバーを開けることで、手首部分を回転、再びカバーを閉めることで拳が収納できる。肩も変形させることで、肩の突き出したパーツがまるで付け根にある前輪を挟み込んでいるような形状にすることができる。
肩のパーツを保持しているアームをボディから引き出し前方に移動させる。ガーランドの変形モデルを立体化させる場合このアームの耐久力が課題となるが、「MODEROID ガーランド」は肉厚のABSの部品を使っており、しっかりと耐久性を確保している。プラモデルの素材研究の進化と、それを活かしている設計の見事さが実感できる部分だろう。
次は足の変形だ。つま先部分を曲げ、さらに膝部分を折畳むことでスネ部分に太もも部分が収納される。スライド式ではなく、膝部品を折畳むこと、ふくらはぎをストッパーとして活用するところに変形の耐久性もきちんと考えていると感じた。どちらの形態でも安定した形状になるように考えられている。
ここからボディの変形となる。マニューバスレイブの胸部分の装甲を基部から浮かし、頭部をくぐらせることで頭部の収納、基部を持ち上げ調整していく。この行程で一気にシルエットがロボットからバイクに近づくのが面白い。カウルと腕を前方にまとめ上げることで、バイクの前輪となる。この変形デザインは非常に秀逸だ。
後部もかなり大胆な変形だ。マニューバスレイブでの胴体が収納され、バイクのボディとなっていく。バイクのシートが現れ、ボディ部分を隠す。そして足を機体側面に配置すればマニューバクラフト形態の完成だ。
ガーランドはあくまで2つの車輪で走るバイクなのが面白い。大きな足が機体後方には位置されるのでスネ部分に車輪を配置しトライク(三輪車)にするということも考えられたと思うが、あえて2輪にしているところにこだわりを感じる。
このデザインだと曲がるために機体を傾けると足部分をこすってしまいそうだが、地面と接地する部分がスネの前面装甲になっているところが面白い。こすってもオッケーな設計となっているのだ。こういった練られたデザインが今でもガーランドを人気の高いロボットとしているのだろう。
次ページでは色々なポーズを取らせて見よう。
「MODEROID ガーランド」商品概要
価格:7,500円
仕様:組立て式プラスチックモデル・ノンスケール
サイズ:全高約160mm
原型制作:アストレイズ
メーカー:グッドスマイルカンパニー
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