レビュー

「MODEROID ガーランド」レビュー

複雑な変形を差し替えなしで完全再現! 素材強度も考えられた最新プラモデル

【MODEROID ガーランド】

開発・発売元:グッドスマイルカンパニー(メカスマ)

4月22日 出荷

価格:7,500円

全高:約160mm

素材:ABS、PVC

 アニメやゲームの様々なロボットを積極的にプラモデル化する、グッドスマイルカンパニーのプラモデルブランド「MODEROID」に、アニメ「メガゾーン23」から「ガーランド」が加わった。ガーランドは「バイクが人型メカに変形する」というコンセプトのロボットで、OVAとして「メガゾーン23」が1985年に発売されて以来、高い人気を得ているロボットだ。

 アニメの変形メカは、立体物では表現が難しい複雑な変形をするメカも多い。こう言った変形を立体物で表現する場合、変形したパーツを用意し入れ替える"差し替え変形"で各形態を表現する商品もあるなか、「MODEROID ガーランド」はそういった差し替えパーツなし、パーツの移動と変形を再現。劇中の変形システムを実感できる商品だ。

 ガーランドは人気の高いモチーフで、過去様々な商品が発売されているが、細いアームでパーツを繋いでいたりと、立体化では変形システムを再現するのが難しいモチーフでもある。このため非変形モデルや、差し替えモデル、金属部品を使ったアクションフィギュアなどその表現は様々だった。「MODEROID ガーランド」は、強度の強い樹脂部品を効果的に使うことで、変形システムを再現したプラモデルとなっている。

 組み立てやすく、しっかりと変形する「MODEROID ガーランド」は、作品のファンだけでなく、変形フィギュア、ロボットファンなど幅広い人にオススメである。組み立てて、変形させてみるとその凄さがわかるだろう。今回、レビューとして、組立と変形を紹介していこう。

 なお、筆者はアルカディアのアクションフィギュア「プロトガーランド」でもガーランドの設定や変形システムを紹介している。併せて読むことで比較になると思う。

バイクからロボットに、40年近くファンを魅了し続ける変形メカ「ガーランド」

 最初に、ガーランドの設定を説明しよう。ガーランドは巨大都市宇宙船「メガゾーン23」の鍵を握る存在だ。メガゾーン23は、世界戦争で生活できなくなった地球から飛び立った巨大都市宇宙船の1つであり、その中では"一番いい時代"として1980年代の東京が再現され、人々は自分が巨大な宇宙船にいることを知らず、500年もの間、幻影としての東京の中で生活していたのだ。

 メガゾーン23の住人の1人・矢作省吾は友人が軍から盗み出した軍用バイク「ガーランド」と出会う。友人はガーランドを残して行方不明となり、省吾も軍から追われることとなる。軍からの追撃をかわす中、ガーランドはバイクからロボットへ変形、圧倒的な力を見せる。そして、ガーランドはメガゾーン23の謎を解くための鍵でもあった。省吾は軍の若き将校B.Dとの出会いを経て、巨大な謎の核心へ迫っていく……。

アニメ「メガゾーン23」。その後アニメ界で活躍する様々なスタッフが参加している挑戦心を強く感じるアニメだ

 ガーランドはバイク形態の「マニューバクラフト」から、ロボット形態の「マニューバスレイブ」に変形する機能を持つ。メガゾーン23は秘密を知る軍に支配されており、軍はコンピュータシステム・バハムートを掌握するためにデータ解析を行っており、そのデータによって1980年代の東京とはかけ離れた技術力を獲得した。ガーランドもそのデータから生まれた機体であるが、まだその機能は未解析な部分も多い。

 ガーランドは当時のメカファンに大きな衝撃を与えた。メカデザインを担当した荒牧伸志氏、柿沼秀樹氏は「モスピーダ」のライドアーマーを経て、「バイクから人型へ変形するメカ」をデザイン。モスピーダはバイクがスーツを着たパイロットの体の各部にパーツが装着されるのに対し、ガーランドは中に人が乗り込むよりロボットに近いデザインとなっている。アニメ劇中でもガーランドはスピード感たっぷりのカーチェイスや、スーパーロボットのような強力さを見せており、現代でも印象的なメカとして人気が高い。

「MODEROID ガーランド」のボックスアートバイク形態「マニューバクラフト」からロボット形態「マニューバスレイブ」へと変形する

 そのガーランドを「MODEROID ガーランド」ではどのように表現しているか、次章からしっかりと紹介していこう。

肩の付け根移動やコクピット、複雑な変形システムを持つボディの組み立て

 「MODEROID ガーランド」はプラモデルとしても注目の商品である。複雑な変形システムを表現するため、耐久度の高いところはABSを使い、外装などディテールにこだわりたいところはPSを使用、ディテールと、遊びやすく壊れにくい耐久性を両立している。

「MODEROID ガーランド」は組み立て説明書に加え、変形説明書が同梱されている

 色分けも細かい。基本色となる赤と白、フレーム部分の灰色、タイヤなどポイントを活かした黒に加え、足の装甲板での茶色、さらにはカメラアイやランプなどに使う彩色したクリアパーツまで使われており、組み上げるだけで劇中の雰囲気に近いカラーリングで組み立てられる。こういったプラモデルの場合、成型色を補うシールをたくさん使用する場合もあるが、本商品はボディの黒いラインのみだ。

 成型色で細かくカラーリングが表現され、シールが少ないというところにプラモデルの設計としての練り込みが感じられる。また組み立てて実感するが、金型から成型するためにランナーとパーツを接続するゲートの位置も考えられており、外装の目立つところのゲートはかなり少ない。変形のための設計なども含めて、感心させられることが多かった。

【ランナー】
「MODEROID ガーランド」のランナーの一部。白、灰色、赤など成型色で細かく分かれているだけでなく、負荷のかかる部品はABSを使用するなど設計の巧みさを感じさせる

 それでは組み立てていこう。今回は組立と同時に、塗料を塗ってから拭き取ることでディテールを浮き立たせる「ウォッシング」という手法でスミ入れも行っている。最初に組み立てるのは頭部だ。目の部分にバイザー型のクリアパーツをはめ込む。「MODEROID ガーランド」は接着剤を使用せず、はめ込みのみで組立が可能だ。

【頭部】
カメラアイにクリアパーツを使用。スミ入れでディテールが浮き出す

 次にボディを組み立てていく。ガーランドは特にボディの構造が複雑だ。特にマニューバクラフト(バイク)時の前輪が左右に分かれ、腕の付け根になる機構は可動するアームが細いのに重い部品を支えなければいけないため、耐久力も求められる。

 また、マニューバクラフトとしての開放型の運転席から、複雑に折り曲がってマニューバスレイブ(ロボット)の装甲に覆われたコクピットに変形するガーランドの変形機構は立体物で再現する場合、パイロットのスペースを確保することが難しい。このため「MODEROID ガーランド」は変形システムの再現を重視し、マニューバスレイブ状態ではパイロットは省略している。

【ボディの組み立て】
ボディの組立は最初はバイクのシルエットになるところが面白い
タイヤ部分はなめらかだ
アームはABS、ディテールは甘めだが、耐久力が高い
バイクのシート。色分けは細かい

 「MODEROID ガーランド」のボディの組立の面白いところは一度マニューバクラフト形態に近い形で組み上げてから、パーツを動かし変形することでマニューバスレイブ状態にするところ。「MODEROID ガーランド」は最初にマニューバスレイブ状態で組み上げてから、変形する遊び方となっている。マニューバクラフトのシートを組み上げてからボディを折畳み、マニューバクラフト形態ではカウルとなる装甲板、さらに前輪となる肩の付け根を取り付けて、ボディの組み立て完了だ。

【ボディの組み立て】
バイクとしてのシルエットが強いパーツが
折畳むことでロボットのボディに
カウル部分を取り付けるとガーランドのボディがしっかりと姿を現す
ガーランドの大きな特徴である、肩の付け根のタイヤ部分

 次ページでは手足を取り付けていこう。

「MODEROID ガーランド」商品概要

価格:7,500円
仕様:組立て式プラスチックモデル・ノンスケール
サイズ:全高約160mm
原型制作:アストレイズ
メーカー:グッドスマイルカンパニー