レビュー

「トミカプレミアムunlimited 10 銀河鉄道999 999号」レビュー

旅情感が魅力! TVアニメ版999がダイキャストボディのトミカで登場

【トミカプレミアムunlimited 10 銀河鉄道999 999号】

メーカー:タカラトミー

発売日:2024年6月15発売

価格:1,650円

全長:約21cm

素材:ダイキャスト、ABS、PS、PP

 タカラトミーは6月15日に、「トミカプレミアムunlimited 10 銀河鉄道999 999号」を発売する。本作はTVアニメ「銀河鉄道999」に登場する宇宙を走る列車999号をトミカの手法で表現したアイテムだ。

 「トミカプレミアムunlimited」は映画やドラマ、コミックなどで登場する様々なモチーフをダイキャストを用い、手のひらサイズで表現する。今回は、宇宙空間を走る蒸気列車という非常にユニークでロマンあふれる999号にどのようにアプローチしたのか? 発売に先がけサンプルを撮影したので、その感触を伝えたい。

【トミカプレミアムunlimited 10 銀河鉄道999 999号】
「トミカプレミアムunlimited 10 銀河鉄道999 999号」は、TVアニメ版999をトミカの手法で表現。機関車のボディはダイキャスト製だ

 なお、本シリーズにおいてはアニメ「超時空要塞マクロス」に登場する可変戦闘機「VF-1 バルキリー」を再現した商品も紹介しているので、併せて読んで欲しい。

銀河を行く超近代宇宙列車でありながら蒸気機関車の姿をした999を再現

 まずは999号の設定と、商品の全体像を紹介したい。「銀河鉄道999」は宇宙を走る列車999号に乗って主人公である少年・星野鉄郎が謎の美女メーテルと共に宇宙を旅する話だ。鉄郎は999を初めて間近に見て驚く。それは宇宙をかける"銀河超特急"なのに、非常に古めかしい蒸気機関車の姿をしていたのだ。

 メーテルは言う。「大丈夫よ、鉄郎。見かけは心安まる大昔の蒸気機関車だけど、耐エネルギー無限電磁バリアーに守られた超近代宇宙列車なんだから。……二度と帰らないお客のためにはこんな型の列車じゃないとだめなの」。

【パッケージ】
パッケージには宇宙を進む999と、謎の美女メーテルが描かれている

 999の機関車の見た目は国鉄C62形蒸気機関車の姿をしている。C62は東海道本線、山陽本線など主要幹線で使用され、特急車両として活躍した。本州の電化に伴い、車両は北海道でも運用された。

 999は、原作であるマンガ版、TVアニメ版、映画版でそれぞれデザインの細部が異なっている。「トミカプレミアムunlimited 10 銀河鉄道999 999号」はTV版のデザインを再現している。前方のプレートが赤く、給炭槽の側面にマークがあるのが大きな特徴だ。型番は「C62-50」、現実では存在しない、C62型の史実でのラストナンバー49を受け継いだものだという。

 商品全体を見ていこう。「トミカプレミアムunlimited 10 銀河鉄道999 999号」は機関車と客車のセットとなっている。客車は1両のみで、作品ファンは"もっとたくさんの車両が欲しい"と思ってしまうかもしれない。しかし実際の商品は機関車が約11cm、客車が約9.5cmあり、2つ繋げるとかなりのボリュームで、満足感が高い。

【全身】
「トミカプレミアムunlimited 10 銀河鉄道999 999号」の全身。劇中の雰囲気をしっかり再現している
トミカとの比較。商品の大きさがわかる

 蒸気機関車はかなり情報量の多いモチーフである。「トミカプレミアムunlimited 10 銀河鉄道999 999号」は細かくディテールをダイキャストで表現、造型にかなり力が入っている。客車もレトロな雰囲気があり、作品世界をうまく再現している。次章からはディテールに迫っていこう。

前面プレート、給炭車、動輪の表現など各部をチェック

 「トミカプレミアムunlimited 10 銀河鉄道999 999号」の各部をチェックしていこう。まずは前面だ。赤地に黄色の文字と縁取りで999とあるプレートはTVアニメ版のデザインそのままだ。C6250の文字もきちんと確認できるのが楽しい。前面のハンドルなどモールドもしっかり入っている。

 側面の複雑な構造も精密に再現している。ダイキャストでこういった複雑なモールドを表現するのはかなり大変だっただろう事が想像できる。蒸気機関車ならではの様々な部品がはっきりと確認できるほどに細かく表現されているのは、是非実物を目にしてチェックして欲しいところだ。

【機関車部分】
TVアニメ版999ならではの赤いプレート
情報量が多い蒸気機関車のディテールを細かく再現
給炭槽側面のマークもTVアニメ版ならでは
煙突はきちんと穴が開いている
石炭もリアルに造型されている

 石炭を積んでいる給炭槽もしっかり表現されている。蒸気機関車は石炭を蒸気釜にくべることで動く。映画「さよなら銀河鉄道999」などでは、この石炭を手動で釜にくべるシーンなどもあった。「トミカプレミアムunlimited 10 銀河鉄道999 999号」を見ていると様々な「銀河鉄道999」のシーンが浮かび上がってくる。

 本商品で特に感心させられたのは"動輪"が表現されているところ。蒸気機関車は多くの車輪を持っているが、動輪は蒸気機関のエネルギーを受けて駆動する車輪で、最も重要な車輪と言える。C形は3つの動輪、D形は4つの動輪がある。「トミカプレミアムunlimited 10 銀河鉄道999 999号」では機関車の要である3つの動輪がきちんと回転するプラ製の車輪で表現されている。

 「トミカプレミアムunlimited 10 銀河鉄道999 999号」では、実際に走らせるための車輪は内部に設定されているが、この動輪はしっかり表現されており、作り手のこだわりを感じさせる。ちなみに客車の車輪もスムーズに機能するので、「トミカプレミアムunlimited 10 銀河鉄道999 999号」はスムーズな手押し走行が可能だ。

【車輪】
蒸気機関車ならではの動輪はプラで表現され、きちんと回転する
機関車の裏面。手転がし走行が可能な車輪があり、スムーズな走行が楽しめる

 客車はプラ製になっている。シンプルなデザインだが劇中の雰囲気をきちんと表現している。連結ジョイントには軟質樹脂が使用されしっかりと機関車と繋がっていて簡単には外れない。こちらもプラ製の車輪がついているので機関車と共に軽快に手押し走行ができる。

 ちなみに客車の後部部分はジョイントは設定されていないので、残念ながらこれ以上の増結は出来ない。劇中の999はたくさんの客車を引いているので、増結が出来る要素は正直ちょっと期待していたところがあった。しかし、機関車と客車の2両編成はコレクションとしてはベストと言えるボリュームなので、イメージで増結部分を想像するくらいがちょうど良いのかもしれない。

【客車】
シンプルなデザインだが劇中の雰囲気をしっかり再現している客車
ジョイント部分の保持力は高く、しっかりと接続される
客車後部にはジョイントは設定されていない

 次章では布など様々な背景を加えて写真を撮ってみた。コレクションアイテムとしてイメージの広がりを見せていきたい。

布や木の板風の背景でイメージの広がりを楽しむ

 今回、「トミカプレミアムunlimited 10 銀河鉄道999 999号」を布や木の板をプリントした背景紙を使って撮影してみた。さらに999といえば空中を飛ぶイメージがあるので、樹脂製のキューブを置くことで飛んでいるイメージも加えてみた。

 トミカは実車を思わせる風景に配置するだけでなく、時計やモデルガンといったコレクションアイテムのように、布などを背景にすると良いのではないかと思っていたが、「トミカプレミアムunlimited 10 銀河鉄道999 999号」はしっかりはまったように思う。本商品を色々なシチュエーションで撮影するのも楽しみ方の1つだろう。

【背景を加えて撮影】
高級感がある赤いベロア
空中を浮くイメージで
黒いベロアは宇宙空間のようなイメージも
客車側を持ち上げてみた
英字新聞風の布でアイテムらしさを強調
木の板風のシートの上に配置
999といえばこの側面も印象的だ

 「銀河鉄道999」のファンである筆者にとって「トミカプレミアムunlimited 10 銀河鉄道999 999号」はとても満足できるアイテムだった。「いつかは銀河鉄道に乗って星の海を旅したい」、そういう夢をしっかり思い出させてくれる商品だ。

 2つの車両で20cmを超えるボリュームも手に持ったときの重みも心地良い。車両を持って空を飛んでいるイメージで眺めるのも楽しい。今回はTVアニメ版のデザインだが、是非劇場版デザインの999も発売して欲しい。