レビュー

「SDガンダム クロスシルエット ガンダムキャリバーン」レビュー

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』からSDCS初登場!小さなボディにシェルユニットの繊細な再現が光る

【SDガンダム クロスシルエット ガンダムキャリバーン】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:2024年6月29日

価格:1,980円

ジャンル:プラモデル

サイズ:[SDフレーム] 全高約90mm 、[CSフレーム] 全高約95mm

 今回レビューする「SDガンダム クロスシルエット ガンダムキャリバーン」はアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』で、主人公のスレッタ・マーキュリーが搭乗する機体をSDCSで立体化したガンプラです。物語の終盤で登場し、最終決戦での戦闘シーンが印象的な本作を象徴するガンダムの1機となっています。本稿では6月29日に新発売する「SDガンダム クロスシルエット ガンダムキャリバーン」を紹介します。

「ガンダム」初心者にもやさしい学園もの『機動戦士ガンダム 水星の魔女』

 2022年に放送がスタートした『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は、筆者にとって「ガンダム」を見るきっかけとなった作品でもあります。これまで、「ガンダム」というと戦争をテーマとしている等の重いイメージがありハードルが高く感じていました。『機動戦士ガンダム 水星の魔女』では、主人公が女性で学園での話という今までの印象とは異なるポップなイメージが視聴の契機となり、最終話まで見ることができました。はじめてのガンダムとして、強く印象に残った作品となっています。

 今回紹介する「ガンダム・キャリバーン」は、アニメ終盤で主人公のスレッタが搭乗した機体です。主武装はバリアブルロッドライフルで、ライフルの後端にはクアドラ・スラスターという推進器を備えます。

「SDガンダム クロスシルエット ガンダムキャリバーン」のパッケージ。キャリバーンは劇中終盤で主人公・スレッタが搭乗した機体

1度で2度美味しい組み立てやすいプラモデルシリーズ「SDガンダム クロスシルエット」

 「SDガンダム クロスシルエット」は、SD(スーパーデフォルメ)フレームとCS(クロスシルエット)フレームにより2つの頭身を再現できるガンプラです。自分の好きなスタイルで飾ることができるキットになっています。2018年に発売した「SDガンダム クロスシルエット RX-78-2 ガンダム」から現在では24種類ものキットが登場しています。『機動戦士ガンダム 水星の魔女』からは、キャリバーンが初めての「SDガンダム クロスシルエット」シリーズでの立体化となります。

2パターンの頭身に組み換えができる「SDガンダム クロスシルエット」シリーズ

 まずはランナーを見ていきます。A1~E+MPの計8枚のランナーから構成されていて、付属のシールが1枚です。『水星の魔女』のモビルスーツに見られる特徴的なシェルユニットはシールでの再現となり、本キットには無発光状態、パーメットスコア・ファイブ、パーメットスコア・エイト超えの3つの状態が再現可能です。

フレームパーツ類
ランナーはタッチゲートを採用。パーツが切り取りやすく、跡も目立ちにくい作りになっています
クリアパーツ
左右の外装
各部外装と武装
動きの違う2種類の手
2種類の目を切り替えられる
パーメットスコアによって貼るシールが変わります

各部にクリアパーツ採用。SDガンダムでの『水星の魔女』機体の再現を体感

 キットの第一印象は、ランナーの枚数は多いが構成パーツは意外と少ないこと、クリアパーツが要所で使われていてキットの完成度を高めていると感じました。まずはSDフレームで組んでからCSフレームに組み替えて、違いを見ていきます。今回は虹色に発光するパーメットスコア・エイト超えのパターンで組んでいこうと思います。

本キットでは、パーメットスコアによる胸部シェルユニットを含む機体各所の発光状態を3パターンで再現できます。今回はパーメットスコア・エイト超えを選びました

 組み立ては脚部からスタート。少ないパーツ構成ながらディテール感ある脚をしっかりと組んでいきます。クリアパーツ+光沢シールでより足の存在感を際立たせていると感じました。

【脚部】
片足分のパーツ
組む時に太もものパーツの向きに注意
両足完成

 腰部を組んで下半身を完成させます。ここは簡単に組み付けるだけですが、細かいながらもクリアパーツがしっかりと使われています。

【腰部】
パーツ数は少ないが、ディテールは細かいです
パーメットスコア・エイト超えのシールがアクセントになっています
パーツはほとんどニッパーを使わずに取り出すことができました
ゲート跡が目立ちにくいです
下半身完成

 続いて上半身は腕部から組み立てます。HGよりも小さいキットですが、ディテールが細かくて組んでいてワクワクしてきます。バイリアブルロッドライフルをしっかり支える腕とSDフレームのカーブが絶妙です。ここにもクリアパーツが使われていてこだわりを感じます。

【腕部】
肩部分にも細かいモールドがあり立体感があります
内側にシールを貼る箇所。説明書だと分かりづらい部分です
SDフレームでは肘部分が固定されています
2種類の手のパーツがあります
腕完成

 シェルユニットが特徴的な胸部を組み立てます。『水星の魔女』のガンダムといえばパーメットスコアによって変化する胸のシェルユニットが各機特徴的です。その中でも今回は、パーメットスコア・エイト超えの状態を再現できる本機ならではのパーツを細かく見ていきます。

【胸部】
ボディフレームはシンプルですが、レイヤーを重ねるごとに変化します
シェルユニットは光沢のあるシールとクリアパーツで立体感を出します
パーツを重ねることによって質感を高めています

 キャリバーンの高速戦闘を支えるバックパック。このサイズ感だとボリュームのある仕上がりとなり迫力が出ます。

【バックパック】
バックパックパーツ全景
下が長くなるように組みます。ビームサーベルの持ち手部分は外せるが、サーベル部分は付属しません。
胸パーツと組み合わせるとより重厚感が出ます

 本体の組み立ては最後が頭部です。SDガンダムなので頭部が大きく、パーツによる色分けでしっかりと再現されています。目はSDガンダムの瞳ありとカメラアイを簡単に組み換えられます。

【頭部】
頭部パーツ全景
シールは縁を合わせると貼りやすいです
SD側の顔。填める方向を変えることによって顔を切り替えることができます
CS側の顔
顔完成

 各部のパーツを組み合わせて「SDガンダム クロスシルエット ガンダムキャリバーン」の本体が完成です。まずはSDフレームで組んでみました。

ここまで組み上げた各パーツ
SDフレームのキャリバーン本体が完成

 付属武装は、バリアブルロッドライフルと、シールドのエスカッシャンがあります。バリアブルロッドライフルは後端のクアドラ・スラスターが開閉します。エスカッシャンはビットステイヴに分離することができ、機体各部に装着したビットオンフォームも再現できます。

武装パーツ全景
バリアブルロッドライフル。迫力のあるサイズ感
エスカッシャン。細かく分かれる
シールドに変化

SDフレーム完成!小さなボディに高密度なディテールを実現

 完成したガンダムキャリバーン。SDガンダムらしい表情ながらも鋭い目つきで非常に凛々しい感じ。そしてSDガンダムらしからぬディテール感。お馴染みの頭身と武装の多さが相まって、密度が高く重厚感が出ていると感じました。では完成品を細かく見ていきましょう

武装の大きさに迫力があってSDサイズでもなかなかの大きさを感じます
特徴的な武装を見せるようなポージングが決まります
バリアブルロッドライフルの長さは約140mmもあります
ビットオンフォームの姿。手を変えるだけでも立ち姿に変化をつけることができます
バックパックにボリュームが出て後ろ姿もかっこいい

組み替え作業も簡単!高可動で高身長なCSフレーム

 腕と足のパーツを組み替えるだけでCSフレームへと変化させていきます。腕、脚ともに関節を1つ増やして可動域が増えます。

スネを延長するイメージ。関節が1つ増えます
SDフレームとはこれだけ脚の長さに違いがあります
腕も関節が1つ増えます
この差がプロポーションに大きく影響します
完成したCSフレームはこちらです
「SDガンダム EXスタンダード ガンダムエアリアル」と大きさ比較。CSフレームとSDフレームではプロポーションが大きく違います

 CSフレームを細かく見ていきましょう。顔が変わっているのもありますが、よりかっこよさが際立ちます。特に武装をつけてポージングをさせると腕、脚の可動範囲が大きく、動きのあるポージングができます。

関節が1つあるだけでポージングのバリエーションが大幅に増える!
このサイズで、足の可動域の大きさに驚かされました
大きい武装を、しっかりと保持する手と腕がいい!
カラフルでメタリックなシールの存在感。光の当たり方によって見え方が大きく変わります
バックパックの向きも自由自在。後ろ向きに飾るのもありかも
足先を折り畳むハイマニューバモードも再現!
ハイマニューバモードで飛翔するキャリバーン
後ろから見てもかっこいいスタイル
SDの顔で、体はCSフレーム。様々な組み合わせができる

より完成度を高めたくなるほど完成度の高いキット!

 「SDガンダム クロスシルエット」シリーズは組み立てやすく、自分の好きなスタイルで飾れるところが良い点だと感じました。特に胸パーツのディテールはクリアパーツも使われていて高級感を感じます。ポージングを撮影していて思ったのですが、スミ入れや塗装をするとさらに完成度が増してよりカッコいい作品になると感じました。小さいながらもボリューム感と満足度の高いキットだと思いました。