レビュー
ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」レビュー
元自衛官をして「懐かしい」と言わしめる究極リアルな再現度!
2024年7月26日 00:00
- 【89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉】
- 2024年5月27日再販
- 価格:71,280円
- 全長:670 mm(ストック折りたたみ時)/916 mm(ストック展開時)
- 銃身長:250 mm
- 重量:3,900 g(空マガジン、バイポッド含む)
- 弾丸:6mm BB(0.2~0.25g)
- 動力源:専用ガス
- 装弾数:20+1発(1発は本体に装填した場合)
東京マルイのガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」が5月27日に再販された。7月8日には固定銃床タイプも再販され、ガスガンが元気な夏の選択肢に加わった。
「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」は2019年に発売され、繰り返し再販されている定番製品だ。実銃の「89式5.56mm小銃」は、1989年に自衛隊に正式採用された国産の自動小銃。"折曲銃床型"は空挺や偵察などの特殊任務部隊や、車両の搭乗員向けに銃床を折り曲げ携行しやすいようにしている。自衛隊装備なだけにサバイバルゲーマーにも人気が高い。
今回、東京マルイよりサンプルを借りたので、ガスブローバックマシンガンならではのリアルさをチェックし、楽しさをレポートする。さらに元自衛官のという経歴を持ち、プロレスのDIVAなどでマルチに活動されているタレントのビューティー吉田さんにも協力頂いて、「実銃との感覚」を比較も語っていただいた。それでは紹介していこう。
なお今回、実銃の89式小銃に関しては、かのよしのり氏の「自衛隊89式小銃」を参考にさせて頂いた。64式小銃や各国の小火器に関しても触れられいる名著なのでエアソフトガンファンなら読んで損はない。
実銃とガスブローバックマシンガンの「89式5.56mm小銃」概要と歴史
実銃の「89式5.56mm小銃」は、1989年に自衛隊に正式採用された国産の自動小銃だ。弾薬は在日米軍や韓国軍と共用可能な89式5.56mm実包を採用。銃の作動方式にM16の「リュングマン方式」とAKの「ガスピストン方式」を合わせた様なロングストロークガスピストン方式で部品点数を少なくすることに成功。
発射ポジションは単射(セミオート)、連射(フルオート)に加え、3発制限点射(3点射バースト)の切り替え式。工具無しでの分解整備が可能な単純・堅牢な構造となった。2003年からイラクへ派遣された自衛隊員は「89式5.56mm小銃」を携行。公式には戦闘は行わなかったとされるが、「戦場」での「バトルプルーフ」をフィードバックして細部がマイナーチェンジされた。
自衛隊オリジナルの歴代小火器の中で比較的欠点が少ないと言われる「89式5.56mm小銃」だが、四半世紀の長期にわたる納入期間の長さもあって調達価格は高騰(各国の自動小銃更新に掛かる期間はおよそ7年程と言われる)。1丁30~40万円前後という、大量に配備される自動小銃としては極めて高い納入価格となってしまっている。
また、1990年代以後、一般的に自衛隊の解像度があがったことでフィクションの世界に登場する自衛隊員は「89式5.56mm小銃」を装備する様になった。「ウルトラマン」や「ゴジラ」といった特撮作品から「パトレイバー」などのアニメ、ゲームでも多数登場する。また、最近の「終末トレイン」の様に、自衛隊員以外のキャラクターが使う例もある。
この「89式5.56mm小銃」は一般隊員向けの固定銃床型がポピュラーだが、空挺や偵察などの特殊任務部隊や、車両の搭乗員向けにサイドスイング式のストックを装備して携行性を高めた折曲銃床型も導入されている。今回レポートする東京マルイのガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」はこの特別仕様を製品化した物だ。
東京マルイでは2006年に電動ガンスタンダードタイプを発売。2018年には「ガスブローバックマシンガン89式5.56mm小銃」、翌2019年には「ガスブローバックマシンガン89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」もラインナップに加わった。ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃」は専用のZ-システム 89式ver.をボルトに搭載し、エアソフトガンとしては究極のリアルさを追求した製品となっている。
以上、概要と歴史を紹介したところで、ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」の詳細に迫っていこう。
ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」外観チェック
ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」は表面が布張りを思わせる独特の加工を施された外箱に入っている。開梱すると内部も、凝った紙製の小物収納箱など自衛隊風になっている。
東京マルイのガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」は実銃のフォルムを忠実に再現していると感じさせる。箱から取り出してみると、金属パーツを多用し実銃と同等の重さを再現していて手にズシッとくる重さだ。89式5.56mm小銃の優れた特徴の1つに上げられるバイポッドは取り外された状態で同梱されているが、実銃同様にレバーを操作すると簡単、かつ強固に取り付けられる。
このバイポッドはワンタッチで展開が可能で、射撃時に安定性が増すのは勿論、休憩時に地面から銃口や機関部を離して置ける優れ物。移動時には同じくワンタッチで折り畳み、ハンドガードの穴に引っかけて固定が可能だ。ガスブローバックマシンガン用とは思えない程強度があり、リアルかつ非常に実用性が高く仕上がっている。
バイポッドの先には、バレルのフロント部があり、先端には削り出しの金属ハイダーが付いている。フラッシュハイダーとバレルナットの2ピース構成になっていてOリングなどを使わずに位置を決め強固にロック出来るのも実銃通りだ。
また、フロントサイトは専用工具で調整可能、その下のレギュレーターもダミーながら可動する。自衛隊では演習中にこのパーツの紛失が多く、ビニールテープでぐるぐる巻きにされるのだが、ガスブローバックマシンガンではネジで固定され外れにくくなっている。
バイポッドのロックも行うハンドガード部分は外側が樹脂成型、内側がスチールプレスで実銃同様の2ピース構成を再現していて、剛性も非常に高い。ハンドガードから繋がるレシーバーは、アッパー、ロア共にダイキャストで一体成型された金属製。プレス合板と溶接の組み合わせを、加工跡や微妙な曲線も含めリアルに再現している。なおロアレシーバーは「〈折曲銃床型〉」専用に新造された物だ。
右側には、ボルトと連動するコッキングレバーを再現、実銃通りにフルストロークで引いてコッキングする。コッキングレバー用のスリット部のダストカバーも再現、コッキングしたあと手動で戻すのも実銃通り。レシーバー後部には、安全(ア・セフティオン)、単射(タ・セミオート)、連射(レ・フルオート)、3発制限点射(3・3点射バースト)の発射ポジションに対応した、「89式5.56mm小銃独自のセレクターを「アタレ3」の刻印含めを再現。コッキングされていないと「ア」に切り替えられないのも実銃通りだ。
小さくて押しにくいと言われ、周囲にガードが無いマガジンキャッチも実銃を踏襲。ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」には20連型マガジンが標準で付属する。これはアルミダイキャスト製で、実銃のアルミプレスされたマガジンの雰囲気を再現。M4用マガジンには無い、残弾確認用の穴もモールドされている。このマガジンとレシーバーの組み合わせは東京マルイらしいカッチリした造りで、実銃の「装填しにくく、不意に抜けてしまう」という欠点はクリアされているので実用的で安心感がある。
左側に目を移すと、弾丸を撃ち尽くした時に作動を止めるボルトストップはライブで作動。イラク派兵を経て改修された89式5.56mm小銃後期型特有のアンビセレクターも標準で付いている。さらに刻印も89式5.56mm小銃後期型の物である「89R」を忠実に再現している。
レシーバー上部にはリアルサイズのマウントベースとリアサイトを再現。リアサイトの目盛りや距離計はレーザー刻印でホワイトのマーキングが入れられている。レシーバー下のグリップは、実銃通りのリアルサイズで、底部の蓋と空胴になっている内部も再現。これはガスブローバックマシンガンならではのリアルな部分だ。
そしてガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」最大の特徴がサイドスイング式のストックだ。専用のロアレシーバーに設けられたストック基部は流石のしっかりした造りでガタつきやグラつきは全く無い。ロックボタンを押すだけで開閉、固定ができる。また、左側にセレクターがある後期型レシーバーに対応した後期型のストックを忠実に再現。セレクターに干渉する部分が半円状にえぐられている。当然の如く右側根元の追加されたスリングスイベルも再現している。
外観を見てきて、ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」の実銃そっくりな再現度の高さに改めて感心した。また、後期型ならではの特徴も押さえられていて、「〈折曲銃床型〉」の細かな改良点も実銃通りだと感じた。
次章ではガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」の分解方法、内部機構と拡張性についてチェックしていこう。
リアルな内部機構と実射性能、カスタマイズ例を紹介
ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」は内部機構も実銃に近く造られている。それを感じるためのホップ調整やメンテナンス用の分解整備手順が取扱説明書でも記されている。今回は東京マルイから推奨されている部分まで分解し、内部のリアルさを確認していこう。
ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」は実銃同様、工具無しでメンテナンス用の分解が可能になっている。分解に当たってはまずマガジンを抜き、銃口を下へ向けてコッキングハンドルを引き、チャンバー内にBB弾が残っていないことを確認する。続いてバイポッドを取り外し、ハンドガードのロックピンを半分抜けた状態にする。
ハンドガードは前方にずらすと左右に分割する。実銃同様、内側がスチールプレスであることが確認出来る。ホップ調整はこの状態でバレル根元のダイヤルで行う。M4シリーズはエジェクションポート内に指を入れて行う為、慣れが必要だが「89式5.56mm小銃」はダイヤルが露出し、とてもやり易いので初心者でも安心だ。
ハンドガード内にはアウターバレルとその上のガスピストンが見えるが、この形状は実銃の分解図と見比べると忠実に再現されていることが解る。また、金属レシーバーにバレル基部毎インサートされているので、しなりやグラつきも皆無。ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」はバイポッドを展開した状態でも全く不安がない、その秘密が垣間見える。
ホップ調整に続いて、レシーバーを分解していこう。
2本のピンで上下レシーバーを固定しているM4シリーズと違い、ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」の固定ピンは実銃同様に前方のみ。後部はテイクダウン用のラッチで固定されている。分解にあたっては、このテイクダウンラッチを押しながら前へスライドさせると、アッパーレシーバーがテイクダウンする。非常に簡単だ。
M4シリーズとは作動方式が違う「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」では、リコイルスプリングはボルトと一緒にアッパーレシーバーに収まっている。取り外す場合は、スプリングが飛び出さない様に手で押さえてリコイルガイドを引き抜く。さらにコッキングハンドルを外すと、ボルトアッセンブルが取り出せる。ここまではメンテナンス用に工程が説明書で公開されている。
また、ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃」は、M4シリーズと違い、ボルト部分に「Z-システム 89式ver.」が収まっている。これにより、バーストメカを含むトリガー、セレクター部分が実銃同様に再現されている。実銃の部品展開図と見比べても、個々のパーツがそっくりの形状で再現されていることに改めて驚かされた。なお、Zシステムの詳細は「エアソフトガン超入門 第2回」も参照して欲しい。
ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」は外観のみならず、外から見えないバレル、ガスピストン、内部のボルトやバーストメカに至るまで、実銃を忠実に再現していることが解った。さらに驚くのは、このリアルなメカを、国内向けの低圧なガスガンの発射用ガスでセミ・フル・バーストを完璧に作動させていることだ。
実銃通りの操作で引き金を引くと、BB弾の発射と共に強烈な反動が肩を襲う。セミオート、3バーストでは何とか受け止められるが、フルオートになるとかなり銃口がブレる迫力だ。その上で、83m/s(ファイネストBB 0.2g弾)、0.7J弱というガスガンとしては実用充分なパワーを実現させているのだ。外観が極限までリアル、かつ実用的という、エアソフトガンとしては最高の製品に仕上がっていると言えるだろう。
これだけの完成度だけに、外観や性能には何の問題もない。あとは純正のオプションを使うことで、色々なカスタマイズで楽しみたい。ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」の拡張性について語っていこう。
まずフラッシュハイダーを専用工具で外せば14mm逆ネジ仕様になっているので、各種マズルアダプターが取り付け可能だ。
自衛隊では主に演習時に空薬莢を無くさないためのカートキャッチャーを付けるマウントベースも、ガスブローバックマシンガンでは実銃と同じ寸法になっている。専用のマウントベースを付ければ、ダットサイトやスコープなどの光学サイトが載せられる。
ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」で一番お手軽なカスタマイズは、予備マガジンだ。ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」は20連型マガジンが標準だが、ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃」の30連型も共用で使用できる。
30連型に換装すると雰囲気が変わると同時に装弾数も35+1発になる。お手軽で実用性を兼ね備えたカスタマイズだ。また、実銃同様にガスブローバックマシンガンM4シリーズのマガジンも使用可能なので、持っていれば資産を活かせる。
自衛隊では、個人装備は最低限の支給に留まり、利便性や拡張性は隊員個人の自由に任されている現実がある。逆に言えば、官品ではない民生品を使うことで、実際の隊員の装備を再現出来ると言える。タクティカルスリングなど含め、隊員になったつもりで、自分なりのカスタマイズを楽しんでみたい。
ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」の外観と内部機構のリアルさ、実射性能の高さ、拡張性が解った所で、いよいよ元自衛官という経歴を持つ、タレントのビューティー吉田さんの視点で製品について語ってもらう。
元自衛官が語るガスブロ「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」の感触
今回、ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」のレポートに合わせ、元自衛官のタレント・ビューティー吉田さんにお手伝いしてもらった。ガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」のリアルさを語るには元自衛官の視点が最適と考えて誰かいい人はいないかと知人関連で探していたところ、現在はプロレスのDIVAなどでマルチに活動されているタレントのビューティー吉田さんに辿り着き、ご快諾頂いての登場となった。
ガスブローバックマシンガンの感想を語ってもらう前に、まずビューティー吉田さんと「89式5.56mm小銃」との関わりについてお伝えしたい。
山形県出身のビューティー吉田さんは警察官である父親の勧めもあり、陸上自衛隊に志願。2011年に自衛官候補生として、約3カ月間の教育訓練を埼玉県の朝霞駐屯地で受けた。教育訓練中は主に64式7.62㎜小銃を使用。射撃訓練は64式7.62㎜小銃を改造した光線銃で行ったという。
教育訓練期間を終えると、二等陸士として地元山形の第6後方支援連隊・補給隊へ所属、自分の識別番号が書かれた「89式5.56mm小銃」(固定銃床)を受領。東日本大震災の復興活動を後方から支援した。自衛隊には4年間所属し、退役時には陸士長。
吉田さんの隊では「89式5.56mm小銃」を用いた実弾射撃訓練は毎年1度づつ行い、計4回体験。射撃訓練時には、20連マガジンに89式5.56mm実包の通常弾10発と曳航弾2発を装填。単射で曳光弾2発を発射し着弾地点を確認。その後単射で10発づつの射撃を2回行っていた。射撃姿勢はバイポッドを展開しての脚使用伏射と、膝撃ちを1回づつ。
日常の訓練時には「89式5.56mm小銃」の各部にビニールテープを巻き、パーツの紛失を予防することが推奨されていた。89式5.56mm実包の実弾は年に24発しか撃たないものの、分解や整備は日常的に行っていたとのこと。
ビューティー吉田さんは予備自衛官の登録を行っていないので、退役後10年近く「89式5.56mm小銃」に触れることはなかった。また、ミリタリーやエアソフトガンの趣味もないので、ガスブローバックマシンガンに触れるのはこの日が初めてだ。
ミリタリーファン、エアソフトガンファン目線ではない、一般的な女性自衛官であったビューティ-吉田さんの視点でガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」に触れ、実射してもらった。普通科の男性隊員に比べると実弾射撃の機会こそ少なかったと思われるが、そのフラットな視点で「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」への忌憚のない感想を聴くことが出来た。
ビューティー吉田さんがガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」を手にしての第一印象は「懐かしい」というものだ。固定銃床と折曲銃床の違いがあるが、それが気にならないぐらいガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」に本物感があるという。
単純に実銃と同等の重量にしただけでは不十分で、前後の重量配分や触った時の質感に至るまで気を遣わなければ、本物を知る人から「懐かしい」とは思われないだろう。様々な規制や材質に制限のあるエアソフトガンで実銃と同じ感触を再現するには、実銃をそっくりコピーするよりも難しいと言える。ガスブローバックマシンガンで「懐かしさ」を体感させたのは、一重に東京マルイのリアルさへの拘りの賜物と言える。
続いてマガジンにBB弾とガスを装填して実射を行ってもらった。ビューティー吉田さんはおよそ9年振りの「89式5.56mm小銃」の射撃となった。現役当時は単射(セミオート)のみで、連射(フルオート)、3発制限点射(3点射バースト)はこの日が初体験。しかしサイトの調整やセレクターの操作などは実銃同様なので、説明書を見なくても的確にこなしていた。シューティングレンジのターゲットは室内ながらかなり遠く小さかったが、単射、3発制限点射で的確に当てていた。一方で、連射になると反動が強烈で狙いが付け難くなるところは、実銃通りだと感じられた。
この日はかなり暑く、エアコンの効いた室内だったがブローバックも快調で、ジャムやボルトの後退量不足もなく完璧に作動し、ボルトストップもしっかり効いていた。
射撃後は、自衛隊時代を思い出してもらいつつ、説明書を熟読した筆者立ち会いの下で分解操作と内部機構を見てもらった。ビューティー吉田さんは「脚(きゃく)」と呼ぶバイポッドを説明書に頼ることなく、実銃通りの操作で外す。続いてハンドガード前方のロックピンを外すのだが、現役時代のビューティー吉田さんは整備時に細い抜き棒を使っていたとのこと。工具無しの分解整備が「89式5.56mm小銃」の大きな利点だが、現場判断で平時には工具を使うようにしているのだろう。実銃を知る元自衛官ならではの貴重なエピソードだ。続いて慣れた手つきでテイクダウンをして機関部も見てもらったが、やはり懐かしさを感じる再現度とのことだった。
最後、ビューティー吉田さんにガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」の操作、射撃、分解と一通り体験してもらったところで、改めて感想を訊いてみた。
やはり第一印象で感じた「懐かしい」という感想は、実射、分解を体験し、より強固なものになったとのこと。とにかく折にふれ、「懐かしい」、「昔を思い出します」と繰り返していたのが非常に印象的だった。
4年間「89式5.56mm小銃」と苦楽を共にした元自衛官の視点で繰り返し語られる懐かしさ、これは東京マルイのガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」のリアルさへ最上級のお墨付きが与えられたと言えるだろう。
東京マルイのガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」は、電動ガンスタンダードタイプとの共有部分はバイポッドのみで、様々なデータを元に新規に設計・開発された。極めてリアルに仕上がったエアソフトガンだ。
書籍や写真で判断している筆者のみならず、実銃の「89式5.56mm小銃」を知る元自衛官のビューティー吉田さんが懐かしさを感じたことで、それが見た目やデータ上だけの物ではなく、実際に体感出来る肌触り、質感といったレベルにまで及んでいることも解った。
「89式5.56mm小銃」は基地祭やイベントでも目にする機会がある、最も身近な自動小銃だ。当然ながら一般市民は撃ったり持ち歩いたりできない。仮に自衛隊員になっても、貸与された物なので撃ちまくったりはできないし、部品の紛失に気を遣いながら使用することになる。ある意味で近くて遠い存在と言えるだろう。
その点ガスブローバックマシンガンであれば、自分の好きな様に撃ちまくれ、サバイバルゲームで使えるのだ。東京マルイのガスブローバックマシンガンシリーズの「89式5.56mm小銃」は、何と実銃の5分の1程で極めてリーズナブルに入手可能だ(最も実銃は買えないが)。
特に「89式5.56mm小銃〈折曲銃床型〉」は本来、特別な部隊に配属されなければ手にすることさえできない。しかしガスブローバックマシンガンであれば厳しい訓練を経ずとも入手出来る。購入するだけで非常に手軽に、空挺団気分を満喫可能なのだ。この夏、皆さんも是非お気楽に超リアルなガスブローバックマシンガン「89式5.56mm小銃」デビューを検討してみてほしい。