レビュー

「30MM 1/144 bEXM-21 ヴェルデノヴァ[グリーン]」レビュー

バイロン軍初の飛行エグザマクス。大型バックパックでカスタマイズの幅が広がる

【30MM 1/144 bEXM-21 ヴェルデノヴァ[グリーン]】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:2024年7月27日

価格:1,848円

ジャンル:プラモデル

サイズ:全高約125mm

 様々なパーツの組み換えによってオリジナル量産機を楽しむことができるプラモデルシリーズ「30 MINUTES MISSIONS」は、2019年の発売から今日に至るまで様々な機体が登場してきました。地球連合軍、バイロン軍、マクシオン軍それぞれ異なった意匠を持つデザインは各々が特徴的で魅力あるものとなっています。今回の記事は、2024年7月27日に発売となるバイロン軍初の飛行タイプエグザマクス「30MM 1/144 bEXM-21 ヴェルデノヴァ[グリーン]」を紹介します。

時間を忘れて挑む30分。量産機をテーマとしたプラモデルシリーズ

 30 MINUTES MISSIONSとは、BANDAI SPIRITSが2019年より展開する量産機をテーマとしたプラモデルシリーズです。各キットの関節構造を共通化し、各所に3mmジョイントを設けることで無限大のカスタマイズを可能としています。地球連合軍、バイロン軍、マクシオン軍と3種類の異なるデザインのロボットを組み替えて楽しむことが可能です。地球連合軍は角張ったデザイン、バイロン軍は丸みを帯びたデザイン、マクシオン軍は細身で人体に近い曲線を持ったデザインとなっています。

バイロン軍初の飛行タイプエグザマクス

 今回紹介する「30MM 1/144 bEXM-21 ヴェルデノヴァ[グリーン]」はバイロン軍が運用する飛行タイプエグザマクスです。惑星バイロンから地球へ襲来した謎の勢力であるバイロン軍は地球連合軍と類似した軍事兵器を使用して他惑星の支配を目論んでいます。これまでに発売されたバイロン軍のエグザマクスは宇宙仕様や水中仕様などがありますが、今作はバイロン軍初となる飛行タイプエグザマクスとして発売されます。

新規造形素体とバックパック単体で支援メカとなるキット

 それではキットを組み立てます。本キットはこれまでの30MMシリーズでも採用されているフレームのランナー1枚とジョイントパーツランナー1枚、ポリキャップランナーが1枚、そしてヴェルデノヴァの新規造形ランナーが4枚の構成となっています。

「30MM 1/144 bEXM-21 ヴェルデノヴァ[グリーン]」パッケージ
「30MM 1/144 bEXM-21 ヴェルデノヴァ[グリーン]」を構成するランナー。頭部のレンズパーツやバックパックのコックピット部はクリアパーツにて成型されています。

モノアイおよびツインアイが選択可能な頭部パーツ

 頭部は従来のモノアイタイプとバイロン軍勢力としては初となるツインアイが選択できます。各種頭部はそれぞれ4パーツにて構成されており、アンテナの有無も選択可能となっています。

組み立て前の頭部。モノアイ、ツインアイ各4パーツで構成されています。
組み立てが完了した頭部。頭頂部のアンテナパーツは御互いに交換可能です。

白い動力パイプがアクセントカラーとなっている胴体パーツ

 胴体パーツは全9パーツにて構成されており、動力パイプはアクセントカラーとなるホワイトにて成型されています。また、腹部パーツは背面が肉抜き加工がされています。

組み立て前の胴体部。全9パーツにて構成されています。
組み立てが完了した胴体部。ホワイトの動力パイプがアクセントカラーとなっています。

股関節部がスイングすることでポージングの幅が広がる腰部パーツ

 腰部パーツは全11パーツにて構成されており、股関節部分にスイング機構を有しています。これにより、ポージングの幅が広がります。また、30MMの特徴ともいえる3mmジョイント孔は背面と股関節下面のみとなっています。

組み立て前の腰部パーツ。全11パーツにて構成されています。
組み立てが完了した腰部パーツ。股関節部にはスイング機構があり、ポージングの幅が広がります。

Cジョイントを採用して簡単に組み立て可能な腕部

 腕部パーツは交換用手首パーツを含め14パーツにて構成されており、肘関節はCジョイントによる接続となっています。肘関節は1軸可動であるものの90度以上の可動が可能です。

組み立て前の腕部パーツ。交換用手首パーツを含め全14パーツにて構成されています。
組み立てが完了した腕部パーツ。手首パーツは武器持ち手と開き手が付属します。

ふくらはぎ部分が膨らんだ形状となった脚部パーツ

 脚部パーツは全17パーツにて構成されており、以前発売された「30MM 1/144 bEXM-28 レヴェルノヴァ」と同様にふくらはぎ部分が太ももより太い形状となっています。また、太もも部分には胴体部分と同様にホワイトの動力パイプが採用されています。

組み立て前の脚部パーツ。全17パーツにて構成されています。
組み立てが完了した脚部パーツ。左右共通形状となっています。

 これにて素体部分は組み立て完了です。一度素体状態で組み立てを行ないます。

組み立て前の素体。股関節の接続は軸接続、その他の接続はボールジョイントです。
組み立てが完了した素体。同シリーズのスピナティオに似た細身のデザインです。

 ここからは武装パーツとなるバックパックユニットを制作します。

武装およびバックパック、追加装甲が一体となったバックパックユニット

 バックパックユニットはヴェルデノヴァのバックパック、追加装甲、武装が一体となり支援戦闘機形態となります。パーツ数は24パーツとなっており、キャノピーはクリアパーツにて成型されています。

組み立て前のバックパックユニット。全24パーツにて構成されています。
組み立てが完了したバックパックユニット。ライフルの角度で通常飛行モードと戦闘モードを切り替え可能です。

バックパックユニットを合体させ飛行タイプエグザマクスを完成させる

 ここからはヴェルデノヴァの素体とバックパックユニットを合体させていきます。バックパックユニットの合体はヴェルデノヴァの各部に分解したバックパックユニットを合体させていく方式となっています。

合体準備を行なったバックパックユニット。主翼、コックピット、翼部装甲、ライフルに分解します。

 腕部への合体は前腕部のジョイント孔に合体させます。追加装甲にもジョイント孔があるため、さらなる追加武装も可能です。

合体前の腕部パーツ。前腕部に追加装甲を合体させます。
合体が完了した腕部パーツ。追加装甲にもジョイント孔があります。

 胴体部への合体は胸部のジョイント孔にコックピットブロックを合体させます。ヴェルデノヴァ素体の胸部はコックピットブロックが綺麗に収まる形状となっているため、合体後には一体感があります。

合体前の胴体部。胸部のジョイント孔にコックピットブロックを合体させます。
合体が完了した胴体部。コックピットブロックが綺麗に収まり一体感があります。

 バックパックの合体はヴェルデノヴァ背面のジョイント孔に接続を行ないます。このジョイントは他の30MMキットとも共通のため、他のキットのバックパックとしても使用可能です。

合体前のバックパック。背面のジョイント孔に合体します。
合体が完了したバックパック。このジョイントは他の30MMキットとも共通して使用可能です。

 ライフルはそのまま手に持たせることも可能ですが、両手持ち用グリップを追加で取り付けることが可能です。追加グリップはライフルの左右どちらにも取り付け可能なため、どちらの手でも保持できます。

ライフルと追加グリップ。ライフル2丁に合わせて追加グリップも2個付属します。
追加グリップを装備したライフル。追加グリップは左右どちらにも取り付け可能です。

 また、その他パーツとしてバックパックを簡素化した際に素体と接続するためのジョイントパーツが付属します。これにて、より軽装の状態を再現することも可能です。

バックパックのジョイントパーツ。簡素化したバックパックを装備する際に使用します。

 これにて「30MM 1/144 bEXM-21 ヴェルデノヴァ[グリーン]」を構成するパーツは全て完成です。早速完成した機体を見ていきましょう。

素体状態でも、バックパック装備状態でも楽しめる新しいバイロン軍機

 まずは完成したキットを左右側面から見ていきます。

 背面バックパックが目を引くデザインとなっています。ここからは別売りのアクションベースを用いてポーズをとらせていきます。

アクションベースを用いてライフルを構えてみました。飛行タイプエグザマクスということでアクションベースによる展示が似合います。
胸部のアップ。胴体部の動力パイプとバックパックユニットのコックピットがアクセントカラーとなっています。

 「30MM 1/144 bEXM-21 ヴェルデノヴァ[グリーン]」の頭部パーツはモノアイとツインアイで印象を大きく変えることが可能です。また、アンテナの有無も選択できるので全4種類の頭部が再現できます。

モノアイ頭部。一般量産機らしい頭部です。
ツインアイ頭部。特別機のような印象を受けます。

 ヴェルデノヴァ素体の可動はこれまでの30MMキットと同様に大きなポージングが可能となっており、細身のデザインも相まって干渉もなく可動させることが可能です。

素体状態での可動域は良好で、干渉もなくポーズを決めることができます。
股関節は脚部との接続にスイング機構があるため、大きく足を上げることも可能です。
腰部背面のリアアーマーは回転するため、可動を邪魔しない構造となっています。
肘関節は90度以上可動します。

 バックパックユニットはそれだけで支援戦闘機となるため、アクションベースを用いた飛行状での展示も可能です。

通常飛行状態のバックパックユニット。単色の戦闘機となっています。
攻撃形態にしたバックパックユニット。ライフルの向きを変えることで形態変更が完了します。

 ここからは組み替えて遊んでみます。本キットのバックパックジョイントパーツを使用することで簡素化したバックパックを装備させることが可能です。

軽装状態をイメージして装備を変更してみました。本キットの付属パーツのみで再現可能です。
ライフルは追加グリップを使用することで両手持ちが可能です。
付属ジョイントパーツを使用することで簡素化したバックパックを再現できます。
アクションベースの接続を股関節部で行ないましたが、リアアーマーでも接続可能です。

 最後にこれまでに発売されている30MMキットを使用して重武装形態をイメージした改造を行なってみました。30MMキットは自由な発想でオリジナルキットが組み立てられます。今回は下記のキットからパーツを使用しています。

  • 30MM 1/144 bEXM-29 ガルドノヴァ [グリーン]
  • 30MM 1/144 エグザビークル (多脚メカVer.)
  • 30MM 1/144 オプションパーツセット13 (レッグブースター/ワイヤレスウェポンパック)
  • 30MM 1/144 オプションパーツセット15 (マルチバーニア/マルチジョイント)
オリジナル武装を施したヴェルデノヴァ。重武装形態をイメージして肩アーマーを変更し、腕部には固定武装を追加しています。
バックパックの主翼角度を変更し、武装をモリモリにしました。「オプションパーツセット15 (マルチバーニア/マルチジョイント)」と「エグザビークル (多脚メカVer.)」のバーニア、砲塔を増設。
バックパック下部のアーム部分に「オプションパーツセット13 (レッグブースター/ワイヤレスウェポンパック)」から追加スラスターを装備してみました。
前腕部の追加装甲は脚部に移設しています。

 いかがだったでしょうか。今回発売された「30MM 1/144 bEXM-21 ヴェルデノヴァ[グリーン]」はセット単体でも十分にプレイバリューのあるキットでした。バイロン軍初の飛行タイプエグザマクスという点も印象的ですが、本キットに付属するツインアイタイプの頭部はアチェルビー以来となり、リアル頭身のエグザマクスとしては初の採用となります。この頭部を使用することでこれまでの一般量産機という印象から、ヒロイックな印象を持たせることも可能です。これから30MMに触れてみたいという方の最初のキットとしても、モノアイとツインアイが選択可能な本キットは最適かもしれません。