レビュー

BATON「PP-2000 CO2GBB」(再販)レビュー

ロシア特殊部隊向けサブマシンガンをCO2ガスガンとして徹底再現

【PP-2000 CO2GBB】
2025年8月8日(再販)
価格:60,280円(税込)
全長:370mm(Extended 590mm)
弾丸:6mm BB
動力源:CO2ガス(PUFF DINO・BASIKOS CO2 12g カートリッジ)
装弾数:22発

 台湾のMODIFYがモデルアップしたロシアのコンパクト・サブマシンガン「PP-2000」を日本仕様として改良したCO2ガスブローバック「PP-2000 CO2GBB」が、2025年8月8日に再販された。

 本商品は、ロシアで発表されたパーソナルディフェンスウェポン(PDW)を、台湾MODIFYが世界で初めてトイガン化した製品。日本仕様として約1年半の開発期間をかけ、Gunsmith BATONが品質向上に関わった完全日本モデルとなっている。今回の再販品は2023年2月に展開されたセカンドロット仕様であり、各部の改良により耐久性が向上している。

 本稿では、この特異なデザインのロシア製サブマシンガンの外観の魅力と共に、CO2ガスの鋭いリコイルなど実際に撃った感覚をお届けする。

「PP-2000 CO2GBB」60,280円

さっそく開封! 実銃の系譜を受け継ぐ精密な外観再現

 まずは外観や各部の特徴について見ていく。「PP-2000 CO2GBB」の最大の魅力は、完全再現された独特なシルエット。

 KBP計器設計局が開発した実銃は、マガジンハウジングがピストルグリップ内に配置されているほか、グリップからトリガーガードとフォアグリップが一体化したフレームや特徴的な形状のセレクターなど、各部に珍しい構造を持っている。本商品では、この特徴的なデザインが1:1スケールで忠実に再現。個性的な外観が魅力的な製品に仕上がっている。

 付属する専用のハードケースも凝ったデザインなのでぜひご覧いただきたい。

専用のハードケースが付属
クッションの裏側に説明書やグッズなどが入っている

 アッパーレシーバーは金属製で、鈍い黒光りを放つマットブラック仕上げが施されている。実銃同様の質感を持つスチール製パーツが全体の約60%を占めており、 本物のような重厚感 が表現されているだけでなく、耐久性も兼ね備えている。

 ストックについては、右側に折り畳み可能なワイヤーストックが採用されている。展開時は590mmの全長となり、しっかりとした射撃姿勢が取れるようになるのに加え、折り畳み時は370mmまでコンパクトになり取り回しが向上する。この可変性こそが、狭い車内や建物内での使用を想定した特殊部隊仕様の証と言えるだろう。

 ユニークなのは、左側面のボタンを押すとストック自体を簡単に取り外すことができるということ。しかも、基部の形状がマガジンと同じため、スペアマガジンをストックとして利用することもできる。ロングマガジンであれば、肩に当ててしっかりと銃を固定可能なので、スペアマガジンを挿していれば、ポーチやポケットにスペアマガジンを入れなくても良くなり身軽に移動できるかもしれない。

ストック折り畳み時は370mm
ストック展開時は590mm
グリップからトリーガーガードとフォアグリップが一体化したフレームも特殊部隊感がある
左側面のボタンを押すとストック自体を簡単に取り外せる
ロングマガジンであれば肩に当ててしっかりと銃を固定可能

 レシーバー上部には10スロットの20mmピカティニーレールが搭載されている。実銃同様に光学機器の使用が前提となっており、レール先端の簡易リアサイトからも、その設計思想が読み取れる。

レシーバー上には10スロットの20mmピカティニーレールを標準装備
アイアンサイトとしては、レイル上部の簡易サイトとバレル上部のフロントサイトを備えている

 ポップアップについては、付属の六角レンチをトリガーすぐ後ろの穴に入れることで調整できる。また、フォアグリップの下にあるレバーを前方に倒すことで簡単にアッパーレシーバーとロアーレシーバーにテイクダウンできる。

ポップアップ調整は付属の六角レンジを使用
アッパーとロアーレシーバーに簡単にテイクダウンできる

 マガジンについては、「PP-2000 CO2ショートマガジン(22発)」(10,780円)と「PP-2000 CO2ロングマガジン(56発)」(12,980円)が展開。本体と同時に再販されている。CO2 カートリッジは横から装填し、付属の専用レンチで締め上げれば入れられる。ただし、締め過ぎには注意していただきたい。

 なお、 PUFF DINOもしくはBASIKOSの「CO2 12g カートリッジ」以外を使用すると保証の対象外となるので注意していただきたい。

CO2パワーが生み出す圧倒的リコイル体験!

 最後にインドアレンジでの実射性能について紹介する。構えた瞬間に感じたのは安定感。1,350gという重量は決して軽くはないが、重心バランスが絶妙で、ストック展開時の肩付けが実に自然だった。金属製レシーバーの冷たい感触が、これから始まる射撃への期待感を高めてくれた。

撮影の都合上、片手持ちだったが安定感を大きく感じた

 撃った際にはCO2特有の鋭いリコイルが肩に伝わってきた。ストックを肩に当てているのも大きいだろうが、「ガツン」という衝撃をストレートに感じるので、撃つたびに楽しさが増していく感覚があった。

 性能に関しては、0.25g弾を使用して15mのターゲットを狙ってみたところ、ショートマガジン(22発)のほぼ全弾が円内に命中。弾道安定性はかなり優秀だと思う。なお、CO2カートリッジ1本分を撃ち切ってみたところ、ロングマガジン2本分の約110発撃てた。フルオートで不用意にばらまかない限りは、十分ゲーム内で戦えるだろう。

特殊部隊気分を味わえる本格派エアガン

 「PP-2000 CO2GBB」は、価格に見合った圧倒的な所有満足度を提供する一丁だろう。金属製パーツの多用、精密な外観再現、安定したCO2システムが特に魅力的だ。

 今回の再販では、本体と同時にサイレンサーやフラッシュライト、ホルスターなどの純正オプションパーツも展開されている。ダットサイトを含めたフル装備にしても、取り回しの良いコンパクトさは健在で、特にインドア戦ではかなりの活躍が見込めそうだ。

 実際に撃った感想としては、鋭く速いブローバックの音と反動によって“撃っている”という感覚を味わえて心地良く、コンパクトなサブマシンガンとは思えない爽快感ある射撃が楽しめた。集弾性に関しても、思った以上にコントロールがしやすく、かなり素直な印象だ。

 不要な部分を削ぎ落とし、簡略化された独特のフォルムが魅力の「PP-2000 CO2GBB」。ロシア製装備に興味を持つサバゲーマーから、本格的なエアガンコレクションを目指す愛好家まで、幅広い層におすすめできる逸品と言えるだろう。CO2の迫力あるリコイルは、一度体験すれば病みつきになること間違いなしだ。