レビュー
ビット・トレード・ワンの小型LED制御基板「模型電光」で遊ぶ!
手軽な電飾で宇宙を進むマクロス要塞艦や、VF-1の航空灯を表現
2025年10月31日 00:00
- 【小型LED制御基板「模型電光」】
- メーカー:ビット・トレード・ワン
- 11月7日発売予定
- 価格:オープン価格(市場想定売価:3,278円前後)
- ジャンル:電飾ツール
- サイズ:18×27×6mm(幅×奥行き×高さ)
- ※最大6つのLEDを制御可能
ビット・トレード・ワンは模型に手軽に電飾が行えるLED制御基板「模型電光」を11月7日に発売する。価格はオープン(市場想定売価:3,278円前後)。LEDなどをセットにした「模型電光 スターターキット」の価格はオープン(市場想定売価:4,928円前後)となる。
模型のディテールアップの1つに「電飾」がある。LEDや電球などを模型に仕込むことで各部を光らせ、模型にさらなる魅力を加えることができる。この光に点滅などの"動き"を加えれば、その魅力は増す。飛行機の航空灯や、古ぼけた蛍光灯の明かりなど、模型やジオラマに凝った電飾を仕込めれば、非常に豪華な作品を作ることができる。
「模型電光」は最大6つのLEDユニットを制御できるホビー特化の電飾ツール。取り付けるLEDユニットで色を選ぶだけでなく、専用ツールを使って1つを点灯、1つを点滅、といった形でそれぞれを制御させたり、連動させることが可能だ。
従来、こういったシステムを構築するにはプログラム知識や高い工作技術が必要だった。「模型電光」はUSB Type-CでPCと接続、専用アプリを使うことで6つのLEDそれぞれの光り方やタイミングを手軽に設定可能。非常に複雑な制御を簡単な操作と工作で楽しめるのだ。基板のサイズも小さく、プラモデルに組みこむことも容易だ。
本稿では本来複雑な電飾を「模型電光」とプラモデル、フィギュアを組み合わせて光らせていく。取り付けには模型を改造するのではなく、両面テープでくっつけるだけの簡単取り付けで、電飾をおこなっていく。本稿の作例をヒントに、ぜひお気に入りのプラモデルやフィギュアを手軽にディテールアップして欲しい。
なお、「模型電光」の基本的な仕様はより詳しく記事にしているので、合わせて読んでほしい。
専門知識必要無しに複雑なLED制御を手軽に楽しめる「模型電光」
「模型電光」は最大6つのLEDユニットを接続できる。電源の供給はUSB Type-Cコネクターを通じて、スマホ用バッテリーなどをつなぐことでおこなう。USB Type-Cを通じてPCに接続、専用アプリを使うことでプログラム知識を必要とせずにLEDの光り方を制御できる。
6つのLEDを単純に点灯させるだけでなく、それぞれを個別に点滅させたり、明滅させたり、光るタイミングを制御できる。光る間隔も制御でき、非常に複雑な演出ができる。
「建物の外灯」、「飛行機や船舶の航行灯」など複数のLEDの点滅のタイミングを専用アプリでパラメーターを設定し、制御することでリアリティのある電飾表現ができる。点灯時間を調整することでコクピット各部に光がともっていくアニメでおなじみの起動シークエンスなど、凝った描写もできるのだ。「模型電光」は無限の可能性を持ったシステムである。
「模型電光」の基板のサイズはは18×27×6mm(幅×奥行き×高さ)。この基板にマイクロプロセッサ、6つのLEDユニット、スイッチユニットの接続口、USB Type-Cコネクターが設定されている。模型や模型の台座などに組み込める小ささも魅力だ。
「模型電光」は専用アプリを通じて各LEDユニットの光り方、タイミングなどを制御できる。あらかじめアプリをPCにダウンロードしておき起動した後に、「模型電光」のUSB Type-Cコネクターにケーブルを差し込みPCとつなぐことで制御が可能となる。
設定画面ではスイッチの設定に加え、出力1~6まで個別の制御が可能となっている。項目は「ON」、「点滅」、「明滅」、「ゆらぎ」、「蛍光灯」、「マズルフラッシュ」、「回転灯」の7パターン。例えば「ON」の場合、「初期遅延時間」と、「輝度」が設定できる。「何秒後にどのくらいの強さで輝かせるか」が設定可能なわけだ。
「点滅」なら「初期遅延時間」と「輝度」に加え、「ON時間」と「OFF時間」を設定し、点滅間隔を調整できる。「明滅」はゆっくり明るくなり、ふわっと消える。こちらも間隔を設定できる。「ゆらぎ」はろうそくの炎のような演出。「蛍光灯」はちらつく感じなど、LEDの光らせ方で様々な光を演出でき、パラメーター設定によってそのタイミングを調整できるのだ。
「模型電光」と同時発売で「模型電光」に接続できるLEDユニットとして「0805チップ型LEDユニット」、スイッチの「トグルスイッチユニット」、「プッシュスイッチユニット」、さらにLEDケーブルを伸張できる「伸張ケーブル」といった多様なオプションが発売される。
「0805チップ型LEDユニット」は、ケーブル長200mm。「白」、「赤」、「青」、「緑」など多彩な色が用意されている。「模型電光」にはピンを差し込むだけで接続できる。ハンダ付けなどいらず、いつでも抜き差しできる簡単設計だ。取り付けには極性を意識する必要があり、基板の赤いマークと、LEDユニット側のマークを合わせる必要がある。
「模型電光」のアクセサリーとしては「トグルスイッチ」か「プッシュスイッチ」を取り付けが可能となっている。トグルスイッチはスイッチを入れることでON/OFFが切り替わる。プッシュスイッチは押しているときにONとなる。これらスイッチによる動作もアプリで制御可能だ。
こういった回路の場合、極性を間違えてつけたり、作動中にケーブルを抜き差しすると壊れてしまう場合もあるが、「模型電光」はスイッチに関しては極性無し。LEDユニットももし逆につけたり、抜き差ししても壊れたりはしないので手軽に挑戦できる。
「模型電光」は従来マイクロチップの制御や、ハンダ付けといったハードルの高い技術無しに複雑なLED制御を可能にしてくれる。ユーザーのイマジネーションでその可能性はさらに大きく広がっていく。実際にフィギュアや模型を光らせてみよう。
マクロス 要塞艦の巨大感をLEDで演出
今回、「模型電光」の話を聞いたとき、最初に浮かんだアイデアが「劇場版 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」の冒頭シーン。宇宙の闇から浮かび上がるマクロス艦だった。LEDをプラモデルに取り付けることで、闇から浮かび上がる巨大宇宙戦艦を表現できるのではないか? と思ったのだ。
実際に映画を確認してみると、光の明滅は非常に細かい。マクロス艦は全長1,210m、5万人以上の避難民を乗せ宇宙をさまよう巨大宇宙戦艦だ。特に「劇場版 超時空要塞マクロス」では非常に気合いの入った描き込みで表現されている。
今回、スミ入れと部分塗装を施したハセガワのプラモデル「SDF-1 マクロス 要塞艦 “劇場版”」に1つの「模型電光」で制御できる6つのLEDを取り付け、宇宙を進む要塞艦の雰囲気に近づけるか試してみた。
使用したLEDの色は白を2つ、赤を2つ、青を1つに、黄色を1つ使用した。最初はLEDを船体の左右に取り付けてみた。タイミングは前後と中央のLEDの発光するタイミングを合わせてみたのだが、戦艦の巨大感や、船体各部から光を放ち宇宙を航行する雰囲気が出ないと感じた。
そこでLEDの位置を片側に集中させ、さらにそれぞれのLEDの点滅タイミングをずらしてみた。それがこちらの映像となる。船体各部が点滅することで、まるでUFOのような、宇宙を航行する船の感じが出たのではないだろうか?
各部の取り付けを見ていこう。今回、プラモデルには両面テープを使った非常に簡単な方法でLEDを取り付けた。こうすることで容易にLEDの位置を変えることができる。さらにPCに接続することで光り方を見ながらタイミングも調整できた。実際の撮影時にはPCとではなく、モバイルバッテリーを取り付け電源としている。
両面テープを使った取り付けは、光ってないときは配線がむき出しでちょっと見栄えが悪いところもある。模型に本格的な電飾をする場合は、まず両面テープの方法で光る場所の“位置決め”をしてから模型内部に組み込む、というのもいいかもしれない。一方で両面テープ方式は簡単に取り外すことができるので、同じシステムを使って、簡単に他の模型を光らせることができるというメリットがある。次は「VF-1 バルキリー」を光らせてみよう。
VF-1の航空灯や噴射炎をプログラムで再現!
LEDの点滅の表現にぴったりなのが、飛行機の「航行灯」だ。夜に顕著だが飛行機は翼端など様々な場所のライトを点灯・点滅させ飛んでいる。これは乗り物の位置や方向、状態を他者に知らせる役割がある。
「マクロス」の灯りも航行灯だと思うが、飛行機の翼端などに取り付ければ、より現実の航空機のような雰囲気が出るのではないか? と考えたのだ。取り付ける素体としてBANDAI SPIRITSの完成品アクションフィギュア「HI-METAL R VF-1A バルキリー(柿崎速雄機)」のファイター形態を使ってみた。
こちらでは光に変化を持たせてみた。ランディングギア部分には光を強めに「点灯」させ着陸灯をイメージさせ、翼端と尾翼に取り付けた「点滅」する航空灯と差別化してみた。
さらに後方、エンジンノズル部分には「ゆらぎ」により、ジェット噴射を意識した演出をおこなった。「VF-1」を後ろから見るとエンジンのノズルが噴射炎を吹き出しているような雰囲気になった。
「HI-METAL R VF-1A」はファイター形態だけではなく、ガウォーク、バトロイドに変形できるフィギュアなので、各所が可動する。エンジンノズル部分は足に変形するので、LEDをノズルで挟み込んで配置することができる。「ゆらぎ」はバーニアなどの表現にも使え、模型に“動き”をもたらすことができる。
「模型電光」は6つのLEDの光り方を個別で制御できる。「HI-METAL R VF-1A」では、左右の翼端と、垂直尾翼の上のライトを「点滅」させ、前方のライトを着陸灯として「点灯」、そしてエンジンノズルには「ゆらぎ」の効果を付与している。複数のLEDをどうつければメカの魅力が表現できるか、想像を膨らまし、実際にやってみるのはたまらなく楽しい。
「マズルフラッシュ」のパラメーター変化で武器の特性を表現!
最後はVF-1を変形させガンポッドの銃口に「マズルフラッシュ」の特性を持たせてみた。闇夜でガンポッドを連射する雰囲気が良く出たと思う。
パラメーターでは「点射数」、「点射速度」、「点射間隔」を調整。ガンポッドを連射している雰囲気を出すために、点射数を「20」、点射速度を「0.1秒」、点射間隔を「2秒」に設定してみた。ガンポッドの内部は多銃身のガトリングガンの構造になっており、速い速度で連射しているイメージだ。
次にパラメーターを調整し、射撃間隔を調整してみた。点射数を「5」、点射速度を「1秒」、点射間隔を「3秒」にして射撃速度を遅らせ連射数も下げることで重い攻撃をイメージしてみた。単車で攻撃しているような映像となった。
光の色、射撃速度、光量などを調節することで、ライフルのような単発の攻撃、マシンガンの発射レートの調整、さらに光を変えたり、明滅間隔を調整すればビームライフルのような武器も表現できるだろう。
使用者のイマジネーションで「模型電光」の可能性はさらに広がる!
「模型電光」は様々な効果を付与できるので、例えば「明滅」のタイミングを調整しビームライフル風の演出を目指してみたり、光を組み合わせることでアイドルのステージを表現したりと、使い手の想像力で様々な見せ方が可能となるだろう。
点灯パターンは「模型電光」のチップに書き込まれる。お気に入りのパターンができた場合は、アプリの「エクスポート」を使って保存しておくのがいいだろう。「インポート」でいつでも設定を呼び出し、書き込むことが可能だ。
そして「模型電光」はさらに発展できる可能性を秘めている。本商品はオープンソースとして開発されており、アプリ、ファームウェア、設計データを公開している。これらを活用しさらなる工夫が可能となる。どのように活用されるかも注目したい。
「模型電光」は手軽にプラモデルやフィギュア、ジオラマなどに電飾ができるツールだ。配線をつなぎ制御するというこれまでハードルが高かった作業が、ハンダ付けを必要としない配線、マイクロプロセッサ知識を必要としないアプリにより非常に手軽にできるようになった。ぜひ一度挑戦し、お気に入りのプラモデルやフィギュアを光らせてみて欲しい。
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