レビュー
アオシマ、「超獣機神ダンクーガ+断空剣オプションパーツセット」レビュー
断空剣をカッコ良く持たせたい! ポージングに最大注力したプラモデル
2026年6月3日 00:00
- 【超獣機神ダンクーガ+断空剣オプションパーツセット】
- 発売元:アオシマ
- 発売日:2026年5月
- 価格:15,180円
- ジャンル:プラモデル
- サイズ:全高約290mm
アオシマが5月下旬に発売したプラモデル「超獣機神ダンクーガ+断空剣オプションパーツセット」は、“断空剣(だんくうけん)をカッコ良く構える”というテーマに挑んだプラモデルだ。
ダンクーガはアニメ作品において、アニメーター・監督の大張正己氏への注目度を高めた作品と言える。当時弱冠19歳で「超獣機神ダンクーガ」の原画を担当した大張氏は、設定画を大胆にアレンジしたダンクーガを描きファンを驚かせた。OVAではよりスタイリッシュなプロポーションでの設定画が描かれ、頭が小さく、鋭角的なデザインのダンクーガがその後の立体物のベースになっていく。
そして本プラモデルは全高29cm、手足も、そして断空剣もとても大きく、たっぷりのボリュームでダンクーガを表現している。関節可動と共に、この大きな手足や剣をしっかり支える強度も考えられて設計されているだけでなく、接着剤のいらないスナップフィット、パーツも大きめで、細かい色分けによって初心者でもカッコ良く遊べるダンクーガを組み立てられる。組み立てた後は、どこまでもカッコイイポージングを追求できるキットである。商品の魅力を紹介していこう。
「獣を超え、人を超え、そして神になる!」4つの獣戦機が合体するダンクーガ
最初にダンクーガの設定や、本商品のモチーフを説明していこう。アニメ「超獣機神ダンクーガ」は、宇宙からの侵略者「ムゲ帝国」により各国の戦力が壊滅的な被害を受けた状態からスタートする。世界各地ではゲリラ活動でムゲ帝国と戦っているが、正規軍はまだ立ち直ることができない。
そんな中、この状況を予想し対抗策を考えていた組織があった。ロス・イゴール長官と葉月博士は密かに操縦者の持つ“野生”に反応する超兵器・「獣戦機(じゅうせんき)」を開発、4人の若きパイロットを選抜し、ムゲ帝国に敢然と戦いを挑む。
この獣戦機は戦闘機や戦車、重戦車の形態から、操縦者の精神力に応じて獣型の「アグレッシブモード」に変形、さらに人型メカ「ヒューマノイドモード」に変形する。そして「獣を超え、人を超え、そして神になる!」という言葉通り、4人の精神エネルギーが高まったとき、4機の獣戦機が合体、ダンクーガとなるのだ。ダンクーガになったときの戦闘力は無敵と思わせるほどに強く、拳や蹴りといった格闘戦で敵戦力を圧倒する。
アニメ「超獣機神ダンクーガ」は作品としては話数を短縮されたいわゆる“打ち切り”となってしまうが、ファンの人気は高く、その声に応え、物語の完結を描くOVA「超獣機神ダンクーガ 失われた者たちへの鎮魂歌」、さらに後日談となるOVA「超獣機神ダンクーガ・GOD BLESS DANCOUGA」、全4話のOVA「超獣機神ダンクーガ・白熱の終章」までもが制作される。
ゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズでダンクーガの存在を知ったという人も多いだろう。ダンクーガは「スーパーロボット大戦」の様々な作品で登場し、強いロボットとして活躍する。アニメ、ゲームで人気の高いダンクーガはこれまでも様々な立体物が商品化されている。その商品の多くは作中のアレンジを利かせたスタイリッシュなプロポーションのものである。本商品もその1つだ。
本商品「超獣機神ダンクーガ+断空剣オプションパーツセット(以下、プラモデル「ダンクーガ」)」は、必殺武器・断空剣を持ち、背中に飛行用ウイングを装備した「強化型ダンクーガ」と呼ばれる形態がモチーフとなっている。この姿はアニメ本編では登場せず、OVAでの強化された機体だ。そして商品では変形合体機能を再現せず、プロポーションと可動を重視、組み立てた後、アクションフィギュアのようにポージングを楽しめるよう設計されている。
また、アオシマはオンラインショップ限定版として「超獣機神ダンクーガ+ダイガンオプションパーツセット アオシマオンラインショップ限定版」も販売している。こちらは大型射撃武器「ダイガン」と、飛行用ブースターを装備した、TV版終盤でのダンクーガを再現している。ファンはこちらもチェックしたいところだ。
成型色と使用素材にこだわったパーツ
ここからはパーツ構成を紹介しよう。本商品のランナー数は27。ここでは一部を見せていく。プラモデル「ダンクーガ」は黒と明るい灰色の基本色に加え、金属光を放つような成型色のパーツ、赤、金色のパーツをアクセントとして加え、彩色しなくてもモチーフに近い雰囲気に組み立てられる。
注目は使用素材の使い分けだ。基本パーツは成型しやすいPS樹脂を使いながら、足の基部や胸の可動など負荷のかかりそうな所にABS樹脂を使用、関節はポリキャップを使い保持力を増している。本商品は大きなサイズのためパーツの保持にかなりの負荷がかかる。こういった素材の使い分けにより、大サイズのダンクーガがしっかりポーズをとれるようにしているのだ。
また目や各コクピットキャノピーにはクリア素材を使用。胸部のビッグモス、頭部のイーグルファイターはハッチのフレームが彩色されている。シールで色を補う場所は最小限で、非常に組み立てやすい。「大きなサイズのカッコイイダンクーガが欲しい」という人の思いを叶える商品となっているのだ。
腕の引き出し、胸の自由度、そして蹴り上げすら可能な脚の付け根、優れた関節設計
それでは組み立てていこう。最初は頭部だ。プラモデル「ダンクーガ」の頭部は特に色分けが細かい場所だが、パーツを組んでいくだけでしっかりと雰囲気が出せる。特に効果的なのがクリアパーツ。コクピットハッチと、両目の質感が秀逸だ。
ダンクーガの頭部は主人公・藤原忍が搭乗する「イーグルファイター」が変形する。設定ではもっと大きいはずだが、プラモデルではスタイリッシュなプロポーションバランスにより、かなり小顔に設計されている。
だからこそ情報密度が濃く、カッコイイ。加えて今回の組み立てではウォッシングによるスミ入れを行っているので、ディテール表現がさらに強調され、デザインのシャープさが増した。
次は胴体の組み立てだ。ダンクーガは両足、くるぶしから下の部分の左が結城サラが搭乗する「ランドクーガー」、右が式部雅人の「ランドライガー」。つまり手、脚、胴体というダンクーガのほとんどは司馬亮の「ビッグモス」で構成されているのだ。ビッグモスは大きく長い鼻を持つマンモスがモチーフのアグレッシブモードに変形する。ダンクーガの胸から腹にかけてビッグモスの長い鼻が収納された蛇腹状の意匠がある。
プラモデル「ダンクーガ」は、このデザインを大胆にアレンジ、本来繋がっている鼻パーツが分割され、可動の自由度を確保している。背中にはロケットランチャーを装備できるのでこのランチャーを可動させるアームも搭載している。
ダンクーガは全体的に黒と白のカラーで構成されているが、胴体前面は細かく色分けされており、プラモデルでも腹部分の赤いパーツ、胸部のキャノピー、胸部左右の金色のパーツと成型色でしっかり配色を表現している。
また、胸部の自由度に加え、腕の付け根には引き出し関節を用意している。これが完成時に「断空剣」をしっかり両手で構えられるギミックとなっていくのだ。また、胸部分は前後に可動し前屈みにできたり、胸を反らせたりできるだけでなく、左右に傾かせることも可能なので、ポーズ付けの時細かく調節し、より力の入ったポージングを可能にしている。最新のアクションフィギュアに勝るとも劣らない関節設計がなされている。
そして腰部だ。左右の腰ブロックそのものに回転軸を設けるという非常に大胆なアレンジがなされている。本来のデザインでは脚の付け根を覆う装甲としてデザインされているため脚の動きそのものが制限を受けてしまうデザインだが、腰ブロックが分割されているので、かかと落としのような大胆に脚を振り上げる動きまで可能にしている。
さらに脚の付け根そのものも上下左右に可動し、太もももにもロール軸が設けられている。パイロットの1人・司馬亮は中国拳法の達人であり、ダンクーガの格闘戦では彼の技を使って戦う。プラモデル「ダンクーガ」では多彩な蹴り技、格闘時のポージングができるように、多数の関節が仕込まれている。商品の持つ潜在的な"可動能力“を実感できるのは、プラモデルならではの魅力と言えるだろう。
多彩な関節に加え、大型のパーツを支えるフレーム構造
プラモデル「ダンクーガ」は完成時には全高29cmというビッグサイズになる。このため、手足もかなり大きい。パーツが大きいということはそのまま重量増加を意味する。この重いパーツを支えるため、プラモデル「ダンクーガ」は関節にポリキャップを配すことで渋みを持たせしっかりとした保持力を確保している。
加えて、前腕や脛部分にはしっかりしたフレームを配置し、パーツそのものの強度も持たせてある。左右の大きなパーツを貼り合わせ中が空洞の、いわゆる「モナカ構造」ではなく、芯がしっかり設定されていることで、ポーズ付けの時に手足をしっかり動かせるし、特に脚の重さが安定した接地を可能としているのだ。
ダンクーガは、前腕とふくらはぎにクローラー(キャタピラ)が配されたデザインも楽しい。手足に人型時には使用しないクローラーがあることでこのメカが変形機構があることが直感的にわかる。他の変形ロボでも積極的に使われている意匠だが、こういったメカデザインがロボ好きにはたまらない。プラモデル「ダンクーガ」ではキャタピラ部分に鈍く金属光を放っているような成型色が使われており、スミ入れでディテールを強調すると質感がアップする。素組み派の人にもこの一手間はオススメしたい。
ランドクーガー、ランドライガー、そしてウイングと断空剣
いよいよ完成まであと一歩だ。両足部分、左のランドクーガー、右のランドライガーを組み立てるのはダンクーガに思い入れのある人は楽しいだろう。それぞれが戦車形態から獣形態、人型に変形した上でダンクーガの足パーツになる。
2つのメカは合体形態はかなりコンパクトな姿となってしまうが、アニメ「超獣機神ダンクーガ」はロボットアニメでありながら、キャラクターに強くフォーカスされており、ダンクーガそのものよりも各キャラクターが好きというファンも多かった。だからこそ結城サラが乗るランドクーガー、式部雅人が乗るランドライガーを組み立てるという所に特別な思い入れを感じる人も多いのではないか。プラモデルとしては「足パーツ」だが、作る人にとって特別な思いが乗る、これこそが合体ロボを組み立てる楽しさと言えるだろう。
プラモデル「ダンクーガ」ではどちらもフレームに外装をつける構造となっており、パーツもそれほど多くないが、砲身は金属風成型色で、コクピットのキャノピーはクリアパーツ。色分けもしっかりされていて、組み立てることで独特の感慨がわくし、それぞれのメカ単体でデザインをチェックしたくなる。
ビッグモスの大砲、ダンクーガの背部に取り付けられる「断空砲」はプラモデル「ダンクーガ」では2種用意される。大きさが全然違うところが、アニメでの場面ごとに大きさが変わる作画の面白さを表現している所でもある。特に右の小さく表現される断空砲はダンクーガの腰がひねられるように分割されている。「アクションとポージングに特化」という本商品の設計思想が色濃く表れたパーツと言える。
次が飛行用ウイング。実は合体後のダンクーガは「空を飛べない」という弱点があった。このため宇宙に攻め込むアニメ終盤では飛行ユニットと合体していたが、その後の物語を描くOVAではビッグモスの背部からこのウイングが飛び出し、飛行可能となった。翼を広げれば、地上からそのまま宇宙までも飛んで行けるのだ。
しかもこれだけ大きな翼がビッグモスのどこに収納されているのか、メカデザイン的な説得力は全くない。アニメではいきなり生え、そして宇宙まで突き進んでいく。こういう”ケレン味”も特にOVA版では楽しいところ。ダンクーガのシルエットをド派手に変えるとても大きなウイングである。
最後が本商品の最大のポイント「断空剣」である。特に「スーパーロボット大戦」のプレーヤーならば思い入れのある武器だと思うが、断空剣はTVアニメ本編では登場しない、OVAから追加された武器だ。プラモデルではイメージイラストでもおなじみの銀色のものと、戦闘母艦「ガンドール」のガンドール砲のエネルギーを取り込んだ赤い斬撃「断空光牙剣」をイメージした真っ赤なクリアパーツで作られた刀身が用意されている。
この刀身は柄でしっかり固定される。プラモデルははめ込み式のスナップフィットのため、理論上は交換可能だが、再度分解すると破損する可能性もあり、「選択式」となっている。今回は派手さに魅力を感じたので、赤い刀身で組み立てた。大きなクリアパーツは大迫力で、ポージングのモチベーションも上がった。
これらのパーツを組み付けて、完成だ。プラモデル「ダンクーガ」は組み立てるだけでなく、ポージングをさせてからが本領発揮となる。その魅力の”核心”に迫っていこう。
格闘ポーズ、そして断空剣を構えるポーズにこだわる!
完成。まずはウイングをつけない状態で全身を撮影した。4つの獣戦機が合体、拳やチョップで敵を圧倒するダンクーガは、TVアニメで特に印象的な姿だ。
完成したダンクーガそのものは全高25cm(ウイングをつけると29cm)。手に持つとしっかりした重さがあり、ボリュームたっぷりの立体物を完成させたこと、ハイディテールのダンクーガを手にしていることに満足感がこみ上げてくる。
可動も非常に充実している。腕の付け根の可動、肩アーマーの位置も細かく調整しシルエットにこだわるのも楽しい。足は前述の付け根の大胆な可動で高く上げることも可能。膝は深く曲げる際、デザイン的に干渉するはずのクローラーが連動してスネの内部に移動するので膝を深く曲げることが可能。背中の大砲、腹部の鼻部分も分割されているので腰を大きくひねられる。デザインでの制約を受けない可動を可能としている。
これらの特性がポージングに昇華する。パンチを振るう際の腰のひねり、上半身の角度、それを支える足の開き、ダンクーガならではの徒手空拳で奮戦するそのアクションをこだわりを活かして再現することができる。特に楽しいのは「目線」である。ぐっと顎を引いたり、首を曲げてポーズに勢いを足したり表情付けがとても楽しい。
断空剣を持つとスーパーロボットとしてのケレン味が増す。巨大な刀身を持つ断空剣はかなりのボリュームだが、プラモデル「ダンクーガ」はしっかり支えることができる。腕の付け根を引き出して両手持ちもしっかりできる。
そしてウイングを展開した「ダンクーガ強化型」を再現してみよう。背中に巨大なウイングを装着するとシルエットが変わる。飛行ポーズをとらせるのも楽しい。
最後は翼を展開した上での断空剣でのポージング。本商品のクライマックスである。翼の生えた大きなシルエットに、赤く輝く巨大な刀身の断空剣を構えるダンクーガは、このキャラクターのケレン味が最大限に発揮された姿で、ヒーローロボットとしての魅力にあふれている。
そしてこの姿で断空剣を両手で構えることこそが本商品が生み出されたコンセプトであり、メインテーマだ。右腕は少し曲げた方がいいか、伸ばした方がいいか、左手をどう添えるか、腕の付け根は、足の開き具合は、目線の向け方は……。無限の選択があり、さらに撮る画角、距離も工夫したい。究極の構え方を求めたくなる。
プラモデル「ダンクーガ」は組み立てた上でアクションフィギュアのようにポージングが楽しい商品だ。一方で大サイズであり、脚が大きいというデザイン的な宿命のため、脚の付け根に負荷がかかりやすく、手で持って遊んでいると脚の付け根が自重に負けて動いてしまったり、太ももが抜けやすかったりする。
本商品はやはりガシガシ動かして遊ぶのではなく、豊富な関節を活かして究極のポージングを目指すのがいいと感じた。一方で格闘する姿、構える姿、断空剣の取り扱い、背中の砲を差し替えての全砲門発射態勢など様々な遊びの幅があるだけにどのポーズで飾っていいか悩ましいし、見ているとつい動かしたくなる。悩ましいところだ。
プラモデル「ダンクーガ」は、「ダンクーガのカッコイイ立体物が欲しい」という人の思いを叶えるアイテムだ。組み立てやすくどこまでもポージングにこだわれるポテンシャルがある。そして何よりプラモデルなので、塗装したり、ディテールを書き込むなど加工することで「自分の究極のダンクーガ像」を追求できるところも強みだ。今回の作例のようにただ組み立てるだけでもとても満足できるし、技巧派にも魅力的だ。何よりこの大きさが素晴らしい。ぜひ手にして欲しい。
(C)DANCOUGA Partner
































































































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