特別企画
【静岡商談会】ハセガワ、「1/24 トヨタ カローラ レビン AE92 GT APEX 前期型」が新金型で登場!
ここでもスープラ祭り! 「トヨタ スープラ 3.0GT TURBO LIMITED」も現わる
2020年7月2日 09:47
静岡商談会、ホビースクウェア会場のど真ん中に位置したハセガワ。筆者にとって”ハセガワ”は航空機を多数手がけるクオリティの高いキットを輩出するメーカーのイメージだ。同社がマクロスシリーズを展開したころからのラインナップやジャンルの拡充には驚きをもって毎月の新製品発表を楽しみにしているほどだ。
今回のハセガワの出展商品の多くは車のプラモデルだった。筆者が好きなジャンル、”クルマ”である。出展商品の多くが、80年代、90年代のいわゆる”旧車”が”新金型”で登場するとのこと。懐かしの名車を、あえて今新商品として売り出すハセガワと、それを求めるファンの思いはどういうものか、なぜ今”新金型”で”旧車”なのか担当者に話を聞くことができた。
「1/24 トヨタ カローラ レビン AE92 GT APEX 前期型」ではリアやサイドにエアロパーツが付けられ、スチールかアルミのホイールを選んで組めるようになっているところがポイント。当時AE92を購入したオーナーがドレスアップしたであろうパーツが付属しており、購入した方が当時を思い出しながら組み上げることができる。
新規金型で見直されたパーツ構成はランナーに整然と配置されることでそれさえも美しく見える。担当者曰く、そうすることで作りやすさも上がっているとのこと。過去に同車種を作られた方でもその設計や金型の進化を感じてほしいとのことだった。
そして「1/24 三菱 ランサーEX 1800GSR ターボ(インタークーラー)」も”新金型”での登場。1983年にマイナーチェンジが行われたランサーEXターボ。フロントグリルが変更され、空冷式インタークーラーターボで大人気となり、その後の「ランサーエボリューション」への礎となったモデルをキット化したもの。ヘッドライト・テールライト・ミラー面がメッキ化されスタイルをグッと引き締めてくれる。
さらに「1/24 ニッサン ブルーバード 4ドアセダン SSS-R(U12型) 前期(以下、SSS-R)」も新製品として展示されていた。こちらは新金型追加での登場。SSS-Rはラリー仕様のベース車両として1987年に市販されたもので、ラリーカーベースということで市販車でありながら乗員を守る”ロールバー”を装備していた特別な車両である。
新規パーツとして競技車両の証であるエアインテーク付きボンネットをはじめロールバー、大型補助灯(と、そのレンズ)などラリーカーを彷彿とさせるパーツが付属するとのこと。特徴的なボディーのカラーリングを再現するデカールも付属する。
今回ハセガワでの会場発表新製品となったのが「1/24 トヨタ スープラ 3.0GT TURBO LIMITED」だ。展示されたモデルは3D出力されたものではあるが、もちろん”完全新金型”で設計され、12月登場予定とのこと。
2019年にトヨタ自動車から17年ぶりに復活したフラッグシップスポーツカー”GRスープラ”の登場によりにわかに活気づいているホビー業界はハセガワに”70スープラ”を開発させてしまった。
すでにタミヤでは「GRスープラ」をプラモデル、ミニ4駆、ラジコンで展開。そしてスープラの前身である「トヨタ セリカXX 2800GT」(初回発売:1981年10月)や「トヨタ スープラ 3.0GT ターボ」(初回発売:1986年7月)のプラモデルを2020年にリバイバル発売するなど”スープラ”という車種が復活するというだけでこれだけの盛り上がりを見せている。
そして我々模型ファンはプラモデルでその車種の歴史を追うことができる。1989年に登場した実車は3リッターターボエンジンで240馬力を発生するハイパワーのスペシャリティカーだった。そのスタイルは直線的でありながら優雅さを携えて走る姿は洗練されていたのを覚えている。
今回は3D出力品ということで詳細は不明ではあったのだが車内を見るにだいぶ細かい造形がなされているようだ。純正シートもリアルな造形で懐かしさを覚える。リトラクタブルヘッドライトも開閉できそうだし純正ホイールもイメージ通り。ボディサイドの空力処理もぬかりなく再現しているようでこれは発売が待ち遠しい1台。
AE92をはじめ、ハセガワというメーカーはシブイチョイスのラインナップが多い。そしてその作りはいつも質実剛健だと感じさせてくれる。とても”まじめにモデル化する”といった印象だろうか。と言いながらもマクロス関連等のアニメキットを手掛けるなど”ハセガワクオリティ”を渇望するアニメキットファンに対しての振り幅の広さも垣間見えるのが嬉しい。
その振り幅の最たる商品が「80's ガールズ フィギュア」だろう。80年代を彷彿とさせる出で立ちの彼女たちは当時の雑誌やテレビでよく見られた”クルマ+女性”というある種の憧れだったシチュエーションを再現できるアイテムだ。
筆者は新しもの好きであるので基本的に”新型車”が好きだ。80年代や90年代は収入的にもきびしかったためさすがに”クルマ”を買うことができなかった。CMや街中でみかけるカッコイイクルマたちを見るたびに”欲しいなぁ……”と思うのが関の山。スープラなんて中古車でも高すぎで手が出せなかった。年月が過ぎ、新型のクルマを買えるようになった今となっては憧れだった”あの時代のクルマ”は様々な理由で手にすることは難しい。
それを今回のハセガワをはじめ、各ホビーメーカーは現時点の最新技術で我々に提供してくれる。もちろんプラモは乗ることはできないが、古いクルマを新しい技術で現在によみがえらせてくれて手元で当時の思いを満たしてくれるのは模型ならでは。特に今回の激シブラインナップをそろえてきたハセガワの今後の展開に期待したい。そして”ハセガワクオリティ”の変化球もいっぱい感じてみたい!