特別企画
「マジック・ザ:ギャザリング」の最新セット「イニストラード:真夜中の狩り」が発売開始!
滅茶苦茶気合いの入ったPRキットとセット・ブースター1箱をさっそく開封してみた
2021年9月24日 00:00
- 【マジック・ザ:ギャザリング イニストラード:真夜中の狩り】
- 9月24日発売
- ドラフト・ブースター 440円(税込)
- セット・ブースター 550円(税込)
- コレクター・ブースター 2,420円(税込)
- 統率者デッキ 4,400円(税込)
ウィザーズ・オブ・ザ・コーストは、トレーディングカードゲーム(以下TCG)「マジック・ザ・ギャザリング」の最新セット「イニストラード:真夜中の狩り」を9月24日より発売を開始した。今回リリースに先立ち、豪華なPRキットが贈られてきたので、さっそく開封しつつ、プレリリースで手に入れた「イニストラード:真夜中の狩り」のセット・ブースターも楽しんでみた。
なんだこの巨大な箱は!? ちょっとやりすぎじゃないですか?
「マジック・ザ・ギャザリング」は、1993年に発売された世界初のTCGであり、その後に登場した遊戯王やデュエル・マスターズなどのTCGにも大きな影響を与えている。また、全世界で70以上の国と地域で販売されており、プレイヤー数は4,000万人を超える。まさに、TCGの元祖かつ究極ともいえる存在だ。
「マジック・ザ・ギャザリング」では、さまざまな次元から構成される多元宇宙を舞台とした壮大な物語が展開されているが、今回の拡張セットの舞台となるイニストラードは、イニストラードは、吸血鬼や狼男などが闊歩するゴシックホラーをモチーフにした次元であり、2011年9月30日に発売された「イニストラード」、2012年2月4日に発売された「闇の隆盛」、2012年5月3日に発売された「アヴァシンの帰還」がイニストラードを舞台としている(イニストラード・ブロックと呼ばれる)。その後、イニストラード次元を舞台にしたセットとして、2016年4月8日に「イニストラードを覆う影」、2016年7月22日に「異界月」が登場しており、今回で約5年振り、3度目の訪問となる。イニストラードも、ファンが多い次元の一つであり、再訪を待ち望んでいたプレイヤーも多かった。
今回、「イニストラード:真夜中の狩り」が発売されることを記念して、メディア関係者に発売記念PRキットを送りますという案内をいただいたので、「ありがとうございます。是非お願いします。」と返事をさせていただいたのだが、数日前にウィザーズ・オブ・ザ・コーストから大きな荷物が送られてきた。大型ゲーミングノートPCの箱くらいの大きさで、重さもそれなりにある。早速外箱を開封したところ、イニストラードで活躍する種族の狼男の絵が大きく描かれた化粧箱が出てきた。箱の横幅は余裕で40cmを超えている。
一体何が入っているのか? ちょっと心配になったが、思い切って開けてみたら、中には、ワイングラスと赤いキャンドル、ボトルオープナー、赤ワイン(と思ったら果汁100%のぶどうジュース)、謎の小袋、サイドローダー、手紙が入っていた。小袋の中身はチーズアソート(6種類のチーズの詰め合わせ)である。赤いキャンドルはイチゴの香りがする。
なるほどこのPRキットは、イニストラードでの晩餐をイメージしたものなのだろう。現代の吸血鬼は、血の代わりに赤ワインを飲むという。まあそれは分かるが、ボトルオープナーには、しっかりと「INNISTRAD」という文字が刻まれており、このPRキットのためにわざわざ作られたのだ。さらに気に入ったのは、ワイングラスだ。ワイングラスには、「INNISTRAD」という文字だけでなく、その下に「UNTAP&UPKEEP&DRINK」という文字が刻まれている。
「マジック・ザ・ギャザリング」では、自ターンの開始時に、必ず「アンタップ・ステップ」と「アップキープ・ステップ」を経て、「ドロー・ステップ」を行う。これらのステップをあわせたものが開始フェイズとなるのだが、必ず「アンタップ」、「アップキープ」、「ドロー」の順番を守らなければならない。そのため、マジック・ザ・ギャザリングのベテランが、初心者にマジック・ザ・ギャザリングを教えるときに、「自分のターンが来たら、アンタップ、アップキープ、アンド、ドローと順に声に出すといいよ」ということが多い。筆者や筆者の娘も、自分のターンが来ると、念仏のように「アンタップ、アップキープ、アンド、ドロー」という癖がついてしまっている(「デュエル・マスターズ」とか、他のTCGでもつい言ってしまうほど)。
このPRキットのワイングラスに刻まれている「UNTAP&UPKEEP&DRINK」という文字は、もちろん、この「アンタップ、アップキープ、ドロー」をもじったものであり、「アンタップ、アップキープ、そして飲もう!」みたいなことだ。マジック・ザ・ギャザリングプレイヤーの飲み会のかけ声にもよさそうだ。
早速、このワイングラスで同梱されていた100%ぶどうジュースを飲んでみた。ジュースはかなり甘かったが、色は赤ワインそのものであり、イニストラード次元に想いをはせることができた。チーズも大好物なので、後で美味しくいただく予定。
なお、サイドローダーは、「イニストラード:真夜中の狩り」セット・ブースターを1箱買うごとに1枚サイドローダーがもらえるというキャンペーンが行われており、その景品と同じものだ(全4種類のうちの1種類がランダムでもらえる)。
なんにせよ、PRのためにここまで手の込んだグッズを用意するというのは、「マジック・ザ・ギャザリング」で初めてというだけでなく、他のTCGやDCGでもあまり例がないだろう。大会景品などのために、ロゴ入りグッズを用意することはよくあるが、今回のPRキットは大規模に配るタイプのものではない。それだけ、今回の新セット「イニストラード:真夜中の狩り」に大きな期待をかけているということなのだろう。その心意気に感動した。
「イニストラード:真夜中の狩り」セット・ブースターを1箱開封!
「イニストラード:真夜中の狩り」の正式発売日は9月24日だが、その1週間前からプレリリースというイベントが行われており、一足先に新セットでのプレイを楽しめる。コロナ禍で、店舗でのプレリリース開催は中止となっているが、予約者に対してプレリリースキットやパックの販売が行われている。筆者も、「イニストラード:真夜中の狩り」セット・ブースターを1箱予約して入手したので、早速開封しつつ、「イニストラード:真夜中の狩り」の新能力について紹介していきたい。
なお、現在「マジック・ザ・ギャザリング」は、従来からあるリミテッドを楽しむためのドラフト・ブースター、開封を楽しむためのセット・ブースター、さらに豪華な開封を楽しむためのコレクター・ブースターと全部で3種類のブースター・パックがあり、価格やパックあたりのカード枚数、封入率などが異なる。今回購入したセット・ブースターには、通常のカードが12枚とアートカード(ゲームには使えない)が1枚、トークンまたは「ザ・リスト」(後述)のカードが1枚入っており、運がいいと1パックからレアが4枚出ることもある、ロマンにあふれたパックだ(レア以上が最低1枚保証されている)。セット・ブースター1箱には全部で30のパックが入っている。
セット・ブースター1パックの内訳は、アートカード1枚、両面または片面カード(レア/神話レア)1枚、フォイル仕様の両面または片面カード(全レアリティ)1枚、両面または片面カード(全レアリティ)2枚、両面または片面カード(コモンまたはアンコモン)2枚、片面カード(アンコモン確定)2枚、片面カード(コモン確定)3枚、「永遠の夜」仕様フルアート版基本土地1枚、トークンまたは広告カードまたは「ザ・リスト」1枚となっている。「マジック・ザ・ギャザリング」のレアリティは、上から神話レア、レア、アンコモン、コモンとなっているが、セット・ブースターの場合、レアまたは神話レアの確定枠が1枚あるほか、全レアリティの可能性がある枠が合計3枚あるので(うち1枚はフォイル仕様)、運が良ければ1パックで最大4枚のレア以上のカードが手に入る。ちなみに、セット・ブースタのパックのうち、レア以上が2枚入っているのは約27%、3枚入っているのは約3%、4枚入っているのは1%未満だそうだ。
「ザ・リスト」というのは、過去に活躍したカードのうち特定のものをリストアップしたもので、その中から1枚が約25%の確率で、セット・ブースターのパックに収録される。ザ・リストには全部で300種類のカードがリストアップされているが、新しいセットが出る度に一部が差し替わることになっており、今回は75種類が差し替わっている。「ザ・リスト」で出たカードはもちろん最新のスタンダードフォーマットで使えるわけではないのだが、「Cavern of Souls」や「Snapcaster Mage」といった高額なカードも出る可能性があるので、ロマン枠といえるだろう。「ザ・リスト」で出るカードは全て英語版となっている。
パックには必ずフルアート版の基本土地が入っているが、一定の確率でフォイル仕様となっている。フォイル仕様とはいわゆるキラカードのことだが、「マジック・ザ・ギャザリング」のフォイルはあまり派手にキラキラせず、上品で落ち着いた光沢を持つ。デッキの全てのカードをフォイル仕様で揃えることに尽力するプレイヤーもいる(フォイラーなどと呼ばれる)。
「イニストラード:真夜中の狩り」では、条件によってカードが裏返り、効果が変わる両面カードが採用されている。「マジック・ザ・ギャザリング」で両面カードが登場するのは今回が初めてではなく、以前のイニストラードでも登場していた。「イニストラード:真夜中の狩り」では、新たに昼と夜の概念が加わっており、夜になると狼男が変身して裏返り、より強くなるといったギミックが採用されている。両面カードをデッキに入れる場合、裏側が不透明なスリーブに入れる必要があるが、両面カードの代わりに差し替えカードを使うことも許されている。パックのトークン枠にこの差し替えカードや、昼と夜を示すカードが入っていることもある。昼と夜は、自分のターンに呪文を一切唱えないか、または2つ以上唱えることで切り替わるため、自分側の有利な展開になるように、昼夜の切り替えの攻防も面白くなるだろう。
今回1箱、30パックをあけたところ、2枚レアか神話レアが入っていたパックは全部で9パックあった(うち2パックは「ザ・リスト」がレアであった)。レア以上が2枚ある確率は約27%ということなので、ほぼ確率通りだ。今回の箱から出た「イニストラード:真夜中の狩り」のレアは31枚、神話レアは6枚の合計37枚である。そのうちフォイル仕様は3枚となった。トップレアの一つである「レンと七番」と、個人的に強いと思った「食肉鉤虐殺事件」が出たので、ボックスとしては当たりかなと思っている。また、「ザ・リスト」は7枚でており、こちらも約25%という確率どおりだ。レア以上で2枚かぶったのは2種類だが、どちらも通常版と絵違い版(「秋分」仕様や「永遠の夜」仕様と呼ばれる)だったのも、幸運といえるだろう。
今回の「イニストラード:真夜中の狩り」は、魅力的なカードが多数収録されており、新スタンダードの幕開けともなるパックなので、ボックス買いをしてもがっかりすることは少なそうだ。娘と一緒に開封したのだが、娘も「パック開封楽しかったので、もっとパック開けたいね。ハゲ(注:テフェリーのこと)まだ出てないし」と言っていた。