特別企画
赤いユニコーンガンダムがお出迎え! 「ガンダムベース福岡」訪問レポート
ファンやスタッフの自由な作品を展示、より親しみやすいガンプラ文化の発信地
2022年4月19日 20:13
- 【ガンダムベース福岡】
- 2019年11月より営業
- 場所:キャナルシティ博多
ガンダムベース福岡は2019年11月よりスタート。ガンダムベース東京に続く、日本国内のガンダムベース2店舗目に当たる。ガンプラは日本だけでなく東アジアで特に人気が高く、海外の玄関口でもある福岡に、というのがガンダムベース福岡のスタートの理由だという。
今回、筆者はららぽーと福岡のプレオープンイベントの取材に合わせ福岡にきたが、この機会に以前から取材したかったガンダムベース福岡にいき、スタッフに話を聞くことができた。
ガンダムベース福岡は「ファンとの交流」を重視しておりファンの持ち寄ったガンプラの作例やスタッフが作成したガンプラ作品のテンンジなども積極的に行っている。店舗の写真とともに、スタッフの想いも取り上げていきたい。
ファンの持ち寄る作品やスタッフの作品も積極的に展示、ファンとの交流を心がける
ガンダムベース福岡は、ガンダムベース東京と同じに「ガンプラの一大拠点」である。ガンプラを最大で1,600種も販売できるスペースを持っている。「ガンプラ」の大きな特徴は最新モデルだけではなく、40年近く前、1980年代の「ガンプラブーム」に販売されていた商品も再販していること。ガンプラブームの時に憧れた商品を今でも手にすることができるのだ。
もちろん古いものだけでなく、ザクやドムなどの一年戦争の機体、「ガンダムSEED」の、「Gガンダム」といったモチーフ、マスターグレード(MG)、パーフェクトグレード(PG)、といったグレードの種類……多彩なガンプラ商品が、ガンダムベース福岡に来れば出会えるのである。
ただし、昨今ガンプラはユーザー人気が過熱しており、店舗で販売しても売り切れてしまう商品が少なくない。ガンダムベース福岡も東京同様土日を中心に来場者の入場制限を行なっており、制限中はあらかじめ公式ページでの抽選に当選した人しか入場できない。こういった状況を知らないユーザーに入場制限中であることを説明することは心苦しいとのこと。メーカー側も安定した供給を目指した体制を目指している。この状況が改善されることを望みたいところだ。
ガンダムベース福岡は博多駅に近いショッピング施設「キャナルシティ博多」のサウスビル1階にある。レストランやブランドショップなどが集まる人気スポットで、ガンプラファンはもちろん、ショッピングに来たお客や観光客なども訪れる。コロナの流行が収束すれば外国人観光客でも賑わうこととなるだろう。多くの人が多彩なガンプラを手にできる場所なのだ。
店舗に入るとやはりその多彩なガンプラに圧倒される。ガンプラ人気で売り切れが多く最盛期の頃と比べると種類は少なくなっているとのことだが、それでも「ガンプラ」という1ジャンルの商品が広大な店舗の棚を占めているというのは改めてすごい。モチーフの多彩さだけでなく、初心者入門用の「エントリーグレード(EG)」や「BB戦士」から、数万円の高価格ガンプラ「パーフェクトグレード(PG)」など対象とするユーザーもまちまちだ。
ただ、プラモデルの箱を並べているだけではなく、「作例」の多彩さもガンダムベースの大きなセールスポイントだろう。商品を購入し、組み立てる未塗装の「素組み」ならばどうなるかがしっかりわかるようになっている。プラモデルは"半完成品"の商品だが、購入して組み立てるとどのような姿になるのかがわかるのだ。
作例展示は商品の紹介のための素組が中心だが、腕があるモデラーが手をかければどうなるかもきちんと展示されている、特に簡単に組むことができる「EG」ではあえて凝った作りをし、塗装や改造などでその可能性を提示している。商品の展示作例はガンダムベース福岡のスタッフが行なっている。「このように組み上がる」というものを提示するだけでなく、印象的なシーンを再現したり、可動域をアピールするなどポーズや展示方法にもこだわりを見せている。
また、スタッフ以外の現地モデラーたちの作品も受け付けている。現在ガンダムベース福岡は他のガンダムベース同様「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の企画展示を行っているが、ここではモデラーたちの作品や、スタッフの作品も併せて展示している。
展示も様々で、柱状のライトを多用したコーナーは多くのMSを並べたり、多数のエフェクトパーツを活用するなど、「普通の部屋ではできないような豪華な展示」を意識したド派手な作例を配置している。ガンプラのポテンシャルと派手な作例という"憧れ"を見せてくれる場所だ。
また、ガンダムベースは「限定品」が多いところも特徴。特別なコーティングを施した「プレミアムフィニッシュ」や、「アイアンブラッドコーティング」などガンダムベース限定商品を多数並べて展示、販売しているコーナーも注目ポイントだ。
そして「ガンダムベース福岡」を象徴し、ここでしか手に入らない限定商品が「ユニコーンガンダム ペルフェクティビリティ(デストロイモード) (最終決戦仕様)」である。ガンダムベース福岡では「HG 1/144 ガンダムベース福岡限定 ユニコーンガンダム ペルフェクティビリティ(デストロイモード) (最終決戦仕様)Ver.GSF」と、「BB戦士 ガンダムベース福岡限定 ユニコーンガンダム ペルフェクティビリティ(最終決戦仕様)Ver.GSF」である。
この赤いユニコーンガンダムはガンダムベース福岡の様々な場所で見ることができ、スタッフが他のガンプラをこのカラーリングで塗った作例も見ることができる。赤いユニコーンガンダムは福岡を代表するMSとしてキャナルシティの噴水に映像を映し出すシアターアクアパノラマでの「GUNDAM SCRAMBLE in FUKUOKA」という作品でもフィーチャーされている。ここに来たら思わず買わずに入られない商品だ。
ガンプラの一大拠点として大きな存在感を持つガンダムベース福岡だが、スタッフが特に大事にしているのが「ファンとの交流」であるという。交流のツールとなるのはもちろんガンプラだ。ファンの作例を積極的に展示する、スタッフ自身も自由な発想や様々なアプローチでのガンプラを見せ来場者の「モデラー魂」を刺激する。ガンダムベース福岡では公式のスタッフブログで作例紹介なども積極的に行なっているとのこと。
今回話を聞いたスタッフはファンに向け、「ガンプラをやったことない人も、熱心な人も楽しめるのがガンダムベース福岡です。ガンダムパークもスタートし、福岡ではさらにガンダムが盛り上がっていきます。皆さん、ガンダムベース福岡に、ぜひお越しください」と語った。
筆者はガンダムベース東京は何度も訪れている。比べるとガンダムベース福岡は面積では少しだけ小さいものの、企画コーナーなどが大きく、「売り場」という視点で見れば福岡の方が通路も広めにとっており、より見やすく感じた。
そして何より「親しみやすさ」だろう。東京はガンプラ文化の発信地として有名人モデラーや芸能人によるガンプラ作例が提示しているのに対し、より身近なガンプラファンの作例や、スタッフの楽しい展示作品が目立つ。"福岡の顔"として、赤いユニコーンガンダムをアピールしているのも印象に残る。福岡ならではのガンダムベースとしての存在感をしっかり感じることができた。機会があればまた取材したい。
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