特別企画

「水星の魔女」ガンプラ「HG 1/144 ガンダムファラクト」全塗装でパッケージアートの姿を再現!ホログラムを効かせたGUND-ARMの輝き

【HG 1/144 ガンダムファラクト】

発売日:2022年12月17日

価格:2,090円(税込)

全塗装した「HG 1/144 ガンダムファラクト」

 今回は2022年12月にBANDAI SPIRITSより発売されたガンプラ「HG 1/144 ガンダムファラクト」の作例を紹介します。目を引くカッコイイパッケージアートを参考に、キャンディ塗装およびホログラムコーティングを施していきます。

ガンプラ「HG 1/144 ガンダムファラクト」パッケージアート。宇宙空間をバックに、大型ライフルを構えた「ガンダムファラクト」の装甲は粒子状のエフェクトで輝いて見えます。

ペイル・テクノロジーズが開発したガンダムタイプモビルスーツ

 今回作成する「HG 1/144 ガンダムファラクト」は先日第1クールが放送終了したアニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」に登場したガンダムタイプのモビルスーツです。ペイル社製モビルスーツの特徴である飛行性能は、新型大推力ユニットとGUNDフォーマットの採用により重力下でも宇宙空間とほぼ変わらない3次元戦闘能力を有しています。また、本機の装備するガンビット「コラキ」は電磁ビームによるスタン効果を有しており、相手のモビルスーツを追い詰めます。

 「ガンダムファラクト」は、劇中では第6話「鬱陶しい歌」に登場しました。パイロットは強化人士4号であるエラン・ケレス。スレッタ・マーキュリーの操るガンダムエアリアルとの決闘において、パイロットの操縦技術も相まってエアリアルを追い詰めますが、驚異的な力を発揮したエアリアルによって撃破、機体は大破しています。その後劇中では修理中とされ、第1クール最終話となる第12話までに再登場は叶いませんでした。第2クールでの活躍に期待したいところです。

【『機動戦士ガンダム 水星の魔女』予告PV第二弾】

無加工で合わせ目の発生しない最新式キット

 今回作成するキットは2022年12月17日に発売されたキットであり、これまでの水星の魔女キットと同様にポリキャップレスで塗装派にも優しい構成となっています。また、本キットの素晴らしい点として合わせ目が一切発生しない点が挙げられます。キット各部の合わせ目は全て段落ち処理が施されているため、素組でもかっこよく仕上がります。

「HG 1/144 ガンダムファラクト」をキャンディ塗装ホログラムコーティングにて全塗装

 それでは、「ガンダムファラクト」を作成していきましょう。今回はパッケージイラストをイメージした仕上がりを目指すので、外装部の塗装がポイントとなります。

今回使用したツール類。クリアパーツのゲート処理のためやすりは400番、600番、800番、1000番、4000番、6000番、8000番を使用しています。また、エッジ出しの新ツールとしてボークスのプラカンナを導入しました。
今回使用した塗料類。キャンディ塗装を行なうためクリアカラーが主体となっています。

 まずはこれまでの作例と同様に仮組を行なっていきます。

仮組を行なったガンダムファラクト。前述したとおり合わせ目もなく仮組でも十分にかっこいい仕上がりとなっています。

設定に合わせたアンテナのシャープ化

 本キットもこれまでのHGシリーズと同様に頭部のアンテナに安全フラッグが付いていました。塗装前にシャープ化を行ないます。

加工前の頭部パーツ。安全フラッグが付いています。
ニッパーにて安全フラッグを大まかにカットします。
ニッパーでカットした個所をやすりで整えれば完了です。
加工が完了した頭部パーツは設定どおりの形状となりました。

肉抜き埋めで密度感アップ

 本キットでは首ジョイントと背部スラスターのアーム部に肉抜き穴が存在しています。アーム部分は肉抜き部にもディテールが施されていますが、このままでは重量感を感じられないため、肉抜き穴を埋めていきます。

穴埋め前のアームパーツ。ディテールはある物の重量感を感じられません。
肉抜き穴をポリパテで埋めていきます。この際、パテの肉痩せを考慮して多めに盛り付けます。
硬化後やすり掛けを行なったアームパーツ。これに塗装を行なえば肉抜き穴は目立ちません。

エッジのシャープ化とモールドの彫り直しで、メリハリアップ

 今回制作するガンダムファラクトは曲面とエッジが多くデザインされた設計をしており、エッジ出しとモールドの彫り直しを行なうことでよりメリハリの利いたカッコイイスタイルにすることが可能です。全パーツにエッジ出しとモールドの彫り直しを行なっていきます。

各パーツをカンナ掛けすることでエッジ出しを行なっていきます。今回の作例では新ツールとしてボークスの「プラカンナ」を使用してみました。
モールドの彫り直しにはこれまでと同様にファンテックのスジ彫りカーバイト0.15を使用していきます。
加工前パーツ(左)と加工後パーツ(右)の比較。メリハリが効いたことで塗装後の仕上がりも変わってきます。

 これにて塗装前の加工は完了です。一度パーツを洗浄して塗装に入っていきましょう。

下地を整えるサーフェイサー

 今回の塗装は初めにキャンディ塗装を行ないますので、下地色はシルバーを塗布します。サーフェイサーは、下地のシルバーの発色を助けるべく、ガイアノーツの「サーフェイサーエヴォ ブラック」を採用しました。全パーツの下地色をシルバーで塗装するため、下地も全て「サーフェイサーエヴォ ブラック」で塗ります。

「サーフェイサーエヴォ ブラック」を塗布した外装パーツ。マットなブラックに仕上がります。

完成時の印象が変化するキャンディ塗装の下地色

 キャンディ塗装の下地色にはシルバーが多く使われますが、同じシルバーでも種類によって完成時の印象が変化します。今回の作例ではしっとりとしたキャンディ塗装に仕上げるべく、粒子の細かいシルバーを使いたいところ。選んだのは、ガイアノーツの「Ex-シルバー」です。

下地色を塗装した外装パーツ。しっとりした仕上がりとなりました。

調色により、イメージ通りの配色に仕上げる

 キャンディ塗装の仕上げ色はクリアカラーによって行ないます。しかし、クリアカラーは販売されている色数が少なく単色では求める色がないことが多いです。そこでクリアカラー同士の調色によって好みの色を作成していきます。今回の作例では外装のネイビーとゴールドを調色で作ります。ネイビーはクレオスの「スモークグレー」をベースにクレオスの「クリアブルー」、「クリアレッド」を調色して作成します。また、ゴールドにはクレオスの「クリアイエロー」と「クリアオレンジ」を調色して作成します。

ネイビーを塗装した外装パーツ。深く、ツヤのある仕上がりとなりました。
ゴールドを塗装した外装パーツ。明るいカラーに仕上がりました。

簡単に輝きが増す魔法の塗料、SHOW UP「究極レインボー」

 今回の作例では「ガンダムファラクト」のパッケージアートを目指してキャンディ塗装にもうひと手間加えます。今回は全パーツにSHOW UPの「究極レインボー」を塗布し、ホログラムの輝きを与えました。この塗料は、希釈不要でそのままエアブラシで塗布することが可能です。塗布を行なう際は、噴霧した塗料がパーツに軽くかかる程度にし、塗りすぎないようにしましょう。

究極レインボーを塗布した外装パーツ。虹色の輝きを簡単に表現することができます。

深い機体色から放たれる鮮やかな輝き、「ガンダムファラクト」

 これにて塗装は完了です。塗装が完了したパーツを組み立て、完成したガンダムファラクトを見てみましょう。

【正面】
塗装前
塗装後
【側面】
塗装前
塗装後
【背面】
塗装前
塗装後

 光沢の仕上がりはパッケージイラストを連想させる仕上がりとなりました。

パッケージイラストのポーズをとらせてみました。パッケージイラストの輝きとは異なる結果になりましたが、これはこれでかっこいいのではないでしょうか。
上半身のアップ、光の当たる角度によってレインボーに輝きます。
飛行ポーズを背面から撮影してみました。ネイビーの渋い機体色が映えます。
ビームサーベルを取り出すポーズをしてみました。前腕展開の際にちらりと見える内部フレームがかっこいいですね。
ビームサーベルを構えてみました。このキットは平手が付属しているため表情がつけやすいです。
頭部はガンダムエアリアルのヒロイックな見た目に反したヒールな人相が魅力的です。
特徴的な肩部はホログラムでしっかりと輝いています。
膝関節は外装に比べ元の色が明るいためホログラムの輝きは控えめになっています。
立ち姿を下から撮影してみました。ガンダムファラクトは全体的に細身のデザインとなっているため立ち姿でもかっこよく決まります。

 いかがでしょうか。結果としてはパッケージアートそっくりではなかったかもしれませんが、ガンダムファラクトの魅力を十分に引き出すことができたのではないかと思います。設定どおりの配色というわけではなく、少しだけアレンジを加えることで劇中の機体イメージを損なうことなく違ったかっこよさを表現できます。これをきっかけにいつもとは違った方法で劇中イメージの再現に挑戦してみてはいかがでしょうか。

今回使用した工具一覧
使用工具品名
ニッパーGSIクレオス Mr.シャープネスニッパー両刃タイプ
ニッパーゴッドハンド アルティメットニッパー5.0
ナイフタミヤ モデラーズナイフ
やすりピットロード PY07「フィルムスティックやすり 400番」
やすりゴッドハンド 神ヤス!#400
やすりゴッドハンド 神ヤス!#600
やすりゴッドハンド 神ヤス!#800
やすりゴッドハンド 神ヤス!#1000
やすりゴッドハンド 神ヤス!#4000
やすりゴッドハンド 神ヤス!#6000
やすりゴッドハンド 神ヤス!#8000
カンナHEMIxIPD ぷら用カンナ
スジ彫りファンテック スジ彫りカーバイト0.15
彫刻刀ゴッドハンド スピンブレード
ポリエステルパテウェーブ パテ革命モリモリ
ラッカーパテタミヤ ベーシックパテ
今回使用した塗料一覧
工程使用塗料
下地色ガイアノーツ サーフェイサーエヴォ ブラック
下塗りガイアノーツ Ex-シルバー
上塗り(外装ネイビー)クレオス Mr.カラー スモークグレー+クリアブルー+クリアレッド
上塗り(外装ゴールド)クレオス Mr.カラー クリアイエロー+クリアオレンジ
上塗り(関節色)クレオス Mr.カラー スモークグレー
上塗り(レッド部分)クレオス Mr.カラー クリアレッド
ビームサーベルのコーティングクレオス Mr.カラーGX スーパークリアーUVカット<光沢>