レビュー

模型用塗料「水性ガンダムカラー 水星の魔女シリーズ」レビュー

グエルの「ディランザ」をネオンカラーで仕上げる

【水性ガンダムカラー 水星の魔女シリーズ】

発売元:GSIクレオス

出荷開始日:2022年10月28日

価格:各253円(税込)

「水性ガンダムカラー 水星の魔女シリーズ」全5色、1瓶10ml

 GSIクレオスは、模型用塗料「水性ガンダムカラー 水星の魔女シリーズ」全5色を10月28日に出荷開始しました。その名の通り、10月より放送中のアニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の世界観を表現した塗料です。今回のレビューでは、同塗料の特徴を検証すると共に、同作に登場するキットを用いた作例でその実力を見ていきましょう。

 作例に使用するキットは、10月8日発売のガンプラ「HG 1/144 ディランザ(グエル専用機)」です。今回は明色と暗色のツートンカラーでネオンカラーに仕上げていきます。塗料は「水性ガンダムカラー 水星の魔女シリーズ」から「ガンダムエアリアルグレー」と「ガンダムルブリスピンク」の2色を使用しました。

「水性ガンダムカラー 水星の魔女シリーズ」にてネオンカラーに塗装した「HG 1/144 ディランザ(グエル専用機)」

設定の絶妙な色合いを完全再現した水性塗料シリーズ

 「水性ガンダムカラー 水星の魔女シリーズ」は、GSIクレオスが展開する「水性ガンダムカラーシリーズ」の新色で2022年10月28日に全5種類が出荷開始となりました。「機動戦士ガンダム 水星の魔女」に登場する「ガンダムエアリアル」と「ガンダムルブリス」の特徴的なカラーを再現した水性カラーシリーズとなります。水性塗料であることで臭いもほとんどなく、希釈も専用溶剤もしくは水で希釈可能と非常に使いやすくなっています。

 まずは塗料の素性を見るためにテストピースに塗装を行ないました。塗装方法による発色の違いを見てみましょう。筆塗とエアブラシによる仕上がりを比較してみます。

塗装方法による発色の違い。上段がエアブラシ、下段が筆塗による塗装。各色しっかりと発色しており筆塗とエアブラシに違いはあまり見られません。
【テストピース:筆塗り(左)とエアブラシ(右)】
XHUG01 ガンダムエアリアルブルー
XHUG02 ガンダムエアリアルホワイト
XHUG03 ガンダムエアリアルグレー
XHUG04 ガンダムルブリスピンク
XHUG05 ガンダムルブリスグレー

 今回使用した「水性ガンダムカラー 水星の魔女シリーズ」は水性塗料ということもあり塗装中に溶剤臭はほとんどありませんでした。しかしながら、塗膜強度はラッカー塗料ほど強力ではなく、爪などで強くこすると剥離してしまう場合もあるようです。乾燥時間は常温で30分から1時間必要でした。また、本塗料は希釈なしで筆塗に適した濃度になっており、約1.5~2倍に希釈することでエアブラシに適した濃度になりました。個人的な感想ですが、前回レビューした「水性ガンダムSEED DESTINYカラー」よりも扱いやすくなったと思います。

「機動戦士ガンダム 水星の魔女」人気キャラクター専用機がHGで立体化

 今回作成する「HG 1/144 ディランザ(グエル専用機)」はTVアニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」にて横恋慕さんことグエル・ジェタークが操る「ディランザ(グエル専用機)」を立体化したプラモデルです。最新の技術を使用して開発されたこのキットは、ポリキャップレスになっており組み立てやすいだけでなく、塗装も行ないやすいキットとなっています。

ガンプラ「HG 1/144 ディランザ (グエル専用機)」パッケージ

「HG 1/144 ディランザ(グエル専用機)」をツートンカラーで塗装

 それではキットを作っていきましょう。今回は特に改造等を行なわずカラーリングのみ変更します。使う塗料は「水性ガンダムカラー 水星の魔女シリーズ」から「XHUG03 ガンダムエアリアルグレー」と「XHUG04 ガンダムルブリスピンク」の2色です。

今回使用したツール類。特別な加工は行なっていないので、使用したのはニッパーとやすりのみです。写真下の細長いやすりは、ピットロードの「フィルムスティックやすり」。
今回使用した塗料。「水性ガンダムカラー 水星の魔女シリーズ」2種のほかにサーフェイサーとトップコートを用いました。

 まずは仮組でキットの素性を確認します。

仮組を行なった「ディランザ(グエル専用機)」。最新キットなだけあって可動域も抜群です。

 全体のカラーリングは「XHUG03 ガンダムエアリアルグレー」をベースに「XHUG04 ガンダムルブリスピンク」を差し色として塗装することにしました。仮組みしたキットを分解して、まずはGSI クレオスの「水性サーフェイサー1000スプレー」を使用して下地を整えます。

サーフェイサーで下地塗装を行なった胸部パーツ。均一なライトグレーに仕上がりました。

 下地塗装が完了したらベース色となる「XHUG03 ガンダムエアリアルグレー」の出番です。今回はパーツ全体が「XHUG04 ガンダムルブリスピンク」となるパーツ以外は全て「XHUG03 ガンダムエアリアルグレー」にて塗装していきます。

「XHUG03 ガンダムエアリアルグレー」にて塗装を行なった脚部パーツ。少し明るめのダークグレーに仕上がりました。

 ベース色の塗装が完了したら差し色として「XHUG04 ガンダムルブリスピンク」を塗っていきます。この色は差し色とするためにパーツ数を絞って塗装していきます。全体の比率でいうと、グレー7:ピンク3といったところです。

「XHUG04 ガンダムルブリスピンク」で塗装した胸部パーツ。鮮やかなピンク色に仕上がりました。
塗分けが完了したディランザ(グエル専用機)のパーツ。「XHUG04 ガンダムルブリスピンク」は全体の3割程度にしました。

 塗分けが完了したらつや消しコートを行ない完成です。トップコートにはGSIクレオスの「プレミアムトップコート<つや消し>スプレー」を使用しました。

上品なネオンカラーでグエルのディランザが復活!

 ネオンカラーに生まれ変わった「HG 1/144 ディランザ(グエル専用機)」を見ていきましょう。まずは塗装前後の比較です。細部は拡大してご確認ください。

【正面】
塗装前
塗装後
【側面】
塗装前
塗装後
【背面】
塗装前
塗装後

 明暗をはっきりさせることで無塗装状態とは違った印象になりました。

ビームパルチザンを構えてみました。ディランザといえばこのポージングですね。
頭部センサーは付属のシールを使用して塗分けを行なっています。
背面スラスターをピンクで塗り分けアクセントをつけています。
ビームライフルを構えてみました。大きなボディに小さいライフルがかっこいいです。
ビームライフルはポイントを絞ってピンクの塗装を施しました。
ビームトーチを構えた姿も様になります。
膝関節を曲げた時のみ差し色が見える塗分けとしました。

 いかがでしょうか。今回使用した「水性ガンダムカラー 水星の魔女シリーズ」は前回レビューした「水性ガンダムSEED DESTINYカラー」よりも使用感がよくなったように思います。また、水性塗料であることから関節など可動部分では注意が必要であるとは思いますが気軽に塗装を楽しむことができる便利なツールだと思います。この記事をきっかけに塗装を楽しんでみてはいかがでしょうか。

今回使用した工具一覧
使用工具品名
ニッパーGSIクレオス Mr.シャープネスニッパー両刃タイプ
ニッパーゴッドハンド アルティメットニッパー5.0
ナイフタミヤ モデラーズナイフ
やすりピットロード PY07「フィルムスティックやすり 400番」
やすりピットロード PY06「フィルムスティックやすり 600番」
やすりゴッドハンド 神ヤス!3mm厚#400
やすりゴッドハンド 神ヤス!3mm厚#600
今回使用した塗料一覧
工程使用塗料
下地色GSIクレオス 水性サーフェイサー1000スプレー
上塗りGSIクレオス 水性ガンダムカラー 水星の魔女シリーズ ガンダムエアリアルグレー
上塗りGSIクレオス 水性ガンダムカラー 水星の魔女シリーズ ガンダムルブリスピンク
トップコートGSIクレオス プレミアムトップコート<つや消し>スプレー