レビュー

模型用塗料「水性ガンダムSEED DESTINYカラー」レビュー

調色不要で作中パイロットの専用機カラーをイメージ通り再現。水性塗料なので臭いもナシ!

【水性ガンダムSEED DESTINYカラー】

発売元:GSIクレオス

発売日:2022年6月下旬/7月中旬/8月下旬

価格:各253円(税込)

「水性ガンダムSEED DESTINYカラー」にてイザークをイメージしたカラーリングで塗装した「HGCE 1/144 エールストライクガンダム」

 今回はGSIクレオスより新発売となった「水性ガンダムSEED DESTINYカラー」の特徴を検証します。6月以降順次発売しており、7月末時点で全8色中の6色が発売中です。調色不要でイメージ通りの発色を得られ、臭いも気にならない水性塗料の実力を見てみましょう。

 使用するキットはBANDAI SPIRITSから2014年発売のガンプラ「HGCE 1/144 エールストライクガンダム」。劇中に登場するキャラクターであるイザーク・ジュールをイメージしたカラーリングで仕上げていきます。使用するのは「水性ガンダムSEED DESTINYカラー イザーク専用機スカイブルー」と「ブラストインパルスグリーン」です。

ガンプラ「MG 1/100 スラッシュザクファントム(イザーク・ジュール専用機)」。「水性ガンダムSEED DESTINYカラー イザーク専用機スカイブルー」は本機の水色を再現しています。

調色不要でアニメの発色を再現、臭いもない水性塗料

 「水性ガンダムSEED DESTINYカラー」はGSIクレオスが展開する模型用塗料「水性ガンダムカラーシリーズ」の新色です。調色せずに設定色を気軽に塗装できる人気シリーズに、TVアニメ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」登場機体の設定色が加わりました。水性塗料なので臭いもほとんどなく、希釈も専用溶剤もしくは水で希釈可能と非常に使いやすくなっています。

 内容量は1瓶10mlで、価格は253円(税込)。7月現在、シリーズ8色のうち5色が発売中。模型店などで購入できます。シリーズ残りの3色は8月下旬に発売予定です。

  • 発売中の「水性ガンダムSEED DESTINYカラー」
    HUG201 ソードインパルスレッド
    HUG202 ブラストインパルスグリーン
    HUG203 イザーク専用機スカイブルー
    HUG204 ルナマリア専用機ピンク
    HUG205 レイ専用機パープル
  • 8月下旬発売予定の「水性ガンダムSEED DESTINYカラー」
    HUG206 デスティニーレッド
    HUG207 ライブコンサートピンク
    HUG208 ハイネ専用機オレンジ
現在発売中の「水性ガンダムSEED DESTINYカラー」1瓶10mlのパッケージで販売中

 まずは塗料の素性を見るためにテストピースに塗装を行ないました。塗装方法による発色の違いを見てみましょう。筆塗とエアブラシによる仕上がりを比較してみます。

塗装方法による発色の違い。上段が筆塗、下段がエアブラシによる塗装。各色しっかりと発色しており筆塗とエアブラシに違いはあまり見られません。
HUG201 ソードインパルスレッド
HUG202 ブラストインパルスグリーン
HUG203 イザーク専用機スカイブルー
HUG204 ルナマリア専用機ピンク
HUG205 レイ専用機パープル

 今回使用した「水性ガンダムSEED DESTINYカラー」は水性塗料ということもあり塗装中に溶剤臭はほとんどありませんでした。塗膜強度はラッカー塗料ほど強力ではなく、爪などで強くこすると剥離してしまう場合もあるようです。乾燥時間は常温で30分から1時間必要でした。また、本塗料は少し希釈することで筆塗に適した濃度に、約2倍に希釈することでエアブラシに対応した濃度となるため、筆塗およびエアブラシ両方で使用しやすい塗料と感じました。

エールストライクガンダムを現代的な新プロポーションで立体化

 今回作成する「HGCE 1/144 エールストライクガンダム」はTVアニメ「機動戦士ガンダムSEED」にて主人公の操るエールストライクガンダムを現代的なプロポーションにて立体化したプラモデルです。HGオールガンダムプロジェクトに合わせた新規ポリキャップと関節機構により組み立てやすさが向上しています。

素組みしたガンプラ「HGCE 1/144 エールストライクガンダム」

「HGCE 1/144 エールストライクガンダム」にイザークをイメージしたカラーリングで塗装

 それではキットを作っていきましょう。今回は改造等を特に行なわずイメージカラーに合わせた塗装のみを行ないます。なお、今回使用する「水性ガンダムSEED DESTINYカラー」は水性塗料のため、そのほかの塗料も水性塗料を使用して組み立てていきます。まずはキットを仮組していきましょう。

仮組を行なった「HGCE 1/144 エールストライクガンダム」。2014年のキットだけあり組み立てやすく、色分けもほぼ完璧です。

 今回はホワイト部をイザーク専用スカイブルーに、ブルー部分はネイビーブルーに、アンテナのイエローはオレンジで、レッド部分はブルーにて塗装を行ないます。また、エールストライカーも赤の部分をブラストインパルスグリーンで塗装を行ないます。

塗装を行なった各種パーツ。ホワイト部以外は発色をよくするため下地にGSIクレオスの「水性サーフェイサー1000スプレー」を使用して下地を整えました。

 塗装が完了したら組み立ててつや消しコートを行ない完成です。早速完成した「HGCE 1/144 エールストライクガンダム」を見ていきましょう。まずは塗装前後の比較です。

【正面】
塗装前
塗装後
【側面】
塗装前
塗装後
【背面】
塗装前
塗装後

 イザーク専用スカイブルーを基調にすることで雰囲気が大きく変わりました。この塗料は「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」でイザークが搭乗したモビルスーツ「スラッシュザクファントム」の専用機カラーを再現したものです。今回の作例では「機動戦士ガンダムSEED」で彼が搭乗した「デュエルガンダム」の配色をイメージしてみました。

ビームライフルを構えてみました。ストライクガンダムといえばやっぱりこのポーズですね。
胸部のアップ。主人公機体もカラーが変わるだけで雰囲気がガラッと変わります。
背面のアップ。エールストライカーのカラーをあえてグリーンにすることでいいアクセントになりました。
様々なポーズをさせてみた結果、塗装が一部剥離していました。やはりラッカー塗料ほど塗膜強度はないようです。

 いかがでしょうか、水性塗料は溶剤臭もなく扱いやすい塗料だと思います。また、塗膜が剥離する可能性があるため可動部分では少し注意が必要かもしれません。しかしながら水でも希釈可能なことも考えると十分に使いやすい塗料だと思います。これから塗装を始めてみたいと思い方は水性塗料からチャレンジしてみるのもいいかもしれません。

今回使用した塗料一覧
工程使用塗料
下地色GSIクレオス 水性サーフェイサー1000スプレー
上塗りGSIクレオス 水性ガンダムSEED DESTINYカラー イザーク専用機スカイブルー
上塗りGSIクレオス 水性ガンダムSEED DESTINYカラー ブラストインパルスグリーン
上塗りGSIクレオス 水性ホビーカラー ブルー
上塗りGSIクレオス 水性ホビーカラー オレンジ
上塗りGSIクレオス 水性ホビーカラー ネイビーブルー
トップコートGSIクレオス プレミアムトップコート<つや消し>スプレー