特別企画
「水星の魔女」ガンプラ「HG 1/144 ガンダムエアリアル」を全塗装仕上げ
合わせ目消し・肉埋め・スジ彫り・シャープ化で最新キットが更に映える!
2022年10月26日 00:00
- 【HG 1/144 ガンダムエアリアル】
- 発売日:2022年10月1日
- 価格:1,430円(税込)
今回は10月より放送されている「機動戦士ガンダム 水星の魔女」より、ガンダムエアリアルの作例を紹介します。使用するキットはアニメ放送に合わせて発売された新キット「HG 1/144 ガンダムエアリアル」です。主人公のスレッタ・マーキュリーがアスティカシア高等専門学園に持ち込んだMSを、今回はディテールアップの加工を施したうえで設定どおりのカラーリングで制作していきます。
令和初のガンダムテレビシリーズ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」
今回制作する「HG 1/144 ガンダムエアリアル」は2022年10月2日より放送開始したTVアニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」に登場するMSです。水星にて開発され、主人公のスレッタ・マーキュリーによりアニメの舞台となるアスティカシア高等専門学園に持ち込まれました。MSの基本構造は劇中の他MSと共通しているものの、主人公であるスレッタが搭乗した際は禁じられたシステムであるGUND-ARM、通称「ガンダム」に酷似した挙動を示します。
塗装にも配慮されている新作ガンプラ「HG 1/144 ガンダムエアリアル」
本キットはこれまでのHGシリーズでは多用されていたポリキャップが廃止されています。そのため、塗装はユーザーにも嬉しい仕様となっています。詳細なキットの構造は掲載中のレビュー記事をご覧ください。
「HG 1/144 ガンダムエアリアル」を設定色通りに全塗装
それではガンダムエアリアルを制作していきましょう。まずは仮組にてキットを組み立てます。
本キットは素組状態でも完成度が高く、そのままでも十分にかっこいいです。しかし、もう少し手を加えることでよりかっこよくしていきます。
本キット唯一の欠点、合わせ目をどう消すか
素組状態でも十分にかっこいい本キットですが、一部欠点もあります。それが合わせ目です。本キットは最近のHGシリーズとしては比較的多くの合わせ目が存在するため気になってしまいます。
今回は一番目立つ太もも部分の合わせ目処理について紹介します。この個所は挟み込みとなっているためそのまま合わせ目消しを行なってしまうと塗装が大変になってしまいます。そこで後ハメ加工を行ないます。今回はキットの一部に分割線を追加し、後ハメ加工を行なうこととしました。
メカとしての密度を上げる肉抜き穴埋め
プラモデルには成型の都合上、本来であれば機器が詰め込まれている部分が空洞となっている個所が存在します。本キットではバックパック、肩関節、膝関節、くるぶし部に肉抜き穴が存在しました。このままでは完成時にスカスカの印象を持ってしまうため、この肉抜き部分を埋めていきましょう。今回はポリエステルパテを使用して肉埋めをしていきます。
お手軽改造、フロントアーマーの分割
HGシリーズのガンプラは左右のフロントアーマーが一体化している構造が多くあります。本キットもこれまでと同様に分割されていないフロントアーマーとなっています。このままでは片足を挙げた際に反対側のフロントアーマーも持ち上がってしまいます。中央のパーツを分割し、独立稼働が可能になるように加工します。
少しの違いが印象を変えるアンテナのシャープ化
ガンダムにおいて特徴的な装置の一つとしてブレードアンテナが挙げられます。このブレードアンテナは安全対策として先端にフラッグが付いている他、切り欠きが追加されています。設定画を確認するとブレードアンテナは鋭利となっています。そこで設定画に合わせアンテナをシャープ化していきます。
なお、サイド部のアンテナはやすりだけで整形するとアンテナの長さが短くなってしまいかっこ悪くなりそうなので、長さを保つためにプラ板を使用してシャープ化をしていきます。
目立たないひと工夫、スジ彫り直しとエッジシャープ化
ガンプラは成型時に装甲の分割線がモールドとして刻印されています。しかし、そのままではモールドが浅く、サーフェイサーや塗料によってモールドが埋まってしまうことがあります。そのため、既存のモールドを彫り直します。また、スジ彫りの彫り直しと並行してエッジのシャープ化をしていきます。ガンプラは成型時にパーツの角が丸くなってしまうことがあるので各面にナイフでカンナ掛けを行ない、エッジをシャープにしていきます。
これにて工作は全て完了です。パーツをいつも通り超音波洗浄機にて洗浄し、塗装を行なっていきましょう。
設定を参考に色調を決定。エアブラシで全塗装
今回は設定どおりの配色とするため説明書のカラーチャートを参考にしながら塗装を行ないます。なお、説明書に記載の塗料を全てそのままそろえることは難しいので手に入る塗料の中から組み合わせて色を作っていきます。まずは下地として全パーツにサーフェイサーを塗布していきます。今回はガイアノーツの「サーフェイサーエヴォ」を使用しました。
次にホワイト部分を塗装します。ホワイト部分は純粋なホワイトとなっているので今回はガイアノーツの「Ex-ホワイト」を使用します。
ブルー部分はガイアノーツの「サイバーフォーミュラーカラー コバルトブルー(2)」が設定色とほぼ同じなのでそのまま使用することとしました。
レッド部分はガイアノーツの「ナチュラルブラウン」をベースにガイアノーツの「ブライトレッド」とガイアノーツの「Ex-ホワイト」を加えて調色しました。
イエロー部分はガイアノーツの「純色イエロー」をベースにガイアノーツの「NAZCAカラー マンダリンオレンジ」を加え赤みを持たせた後、ガイアノーツの「ニュートラルグレー IV」とガイアノーツの「Ex-ホワイト」で色味を調整しました。
関節等のグレー部分はやや紫がかったグレーのため、ガイアノーツの「ニュートラルグレーIV」にガイアノーツの「純色バイオレット」を加えて色味を調整しています。
最後にアイ部分の塗装を行ないます。アイ部分はアニメ等を見ると設定色よりも明るいグリーンに見えるのでその配色に合わせて調色します。ガイアノーツの「Ex-シルバー」をベースにガイアノーツの「Ex-ゴールド」とGSIクレオスの「GXクリアグリーン」を調色しました。
簡単にメリハリアップするスミ入れ
ここまで塗装が完了したら各部にスミ入れを行なっていきます。今回は関節部分にタミヤの「スミ入れ塗料(ブラック)」を、その他の部分をタミヤの「スミ入れ塗料(ダークグレー)」を使用してスミ入れを行ないました。
これにて塗装は完了なので最後にトップコート行ないます。センサー部などに用いる光沢のトップコートはGSIクレオスの「Mr.スーパークリアーUVカット光沢」、装甲などつや消し部にはGSIクレオスの「Mr.スーパークリアーUVカットつや消し」を塗布しました。乾燥したら組み立てを行なって完成です。
メリハリの利いたボディライン、ガンダムエアリアル
それでは早速完成したガンダムエアリアルを見てみましょう。
いかがだったでしょうか。10月より放送が開始された「機動戦士ガンダム 水星の魔女」は目の離せない展開が続いています。ストーリーに思いをはせながら水星の魔女キットを制作してみてはいかがでしょうか。
工程 | 使用塗料 |
下地色 | ガイアノーツ サーフェイサーエヴォ |
上塗り(ホワイト) | ガイアノーツ Ex-ホワイト |
上塗り(ブルー) | ガイアノーツ サイバーフォーミュラーカラー コバルトブルー(2) |
上塗り(レッド) | ガイアノーツ ナチュラルブラウン+ガイアノーツ ブライトレッド+ガイアノーツ Ex-ホワイト |
上塗り(イエロー) | ガイアノーツ 純色イエロー+ガイアノーツ NAZCAカラー マンダリンオレンジ+ガイアノーツ ニュートラルグレー IV+ガイアノーツ Ex-ホワイト |
上塗り(グレー) | ガイアノーツ ニュートラルグレー IV+ガイアノーツ 純色バイオレット |
上塗り(メタリックグリーン) | ガイアノーツ Ex-シルバー+ガイアノーツ Ex-ゴールド+GSIクレオス GXクリアグリーン |
スミ入れ | タミヤ スミ入れ塗料(ブラック)、タミヤスミ入れ塗料(ダークグレー) |
トップコート | GSIクレオス Mr.カラーGX スーパークリアーUVカット<つや消し>、GSIクレオス Mr.カラーGX スーパークリアーUVカット<光沢> |
©創通・サンライズ・MBS