特別企画

今じわじわ広がっている漢字カードゲーム「カンジモンスターズ」が楽しい!

簡単! 爽快! 合体! カードゲームオタクの”大人”が本気で遊んでレビューしてみた

【カンジモンスターズ】

発売中

価格:2,500円

 今巷で少しずつ認知度を広げているボードゲーム「カンジモンスターズ」をご存じだろうか。本作は漢字が部首同士の”合体”で生まれている性質を利用して様々なモンスターを生み出し、漢字を覚えながら対人バトルを楽しめるボードゲームとなっている。

 漢字や部首に因んだモンスター達のイラストが可愛らしくキャッチ―で、なおかつゲームのルールは単純ながらデッキ構築や戦術面で奥深い戦いが可能だったりと、知育ゲームの側面を持ちつつ大人が遊んでも楽しめる作品となっている。最近では一部のカードが月刊誌「コロコロイチバン!」の付録として同梱されていたり、全国規模でイベントや体験会が開催されたりしている。

カンジモンスターズ

 さらに3月30日まではクラウドファンディングサイト「Makuake」上で、第2弾パッケージ「カンジモンスターズ2」の先行販売を行っている。通常1,200円のパッケージが960円で購入できるチャンスとなっている。ほかにも、「コロコロイチバン!」での漫画連載が決定していたり、7月には新たなキャラクターの登場が予告されているなど、非常に精力的な動きが見られるボードゲームなのだ。

□「カンジモンスターズ2」の先行販売ページ

 実際に遊ぶ前は、その見た目やテーマから低い年齢層に向けた知育ゲームの一種くらいに捉えていたのが、これがまったく違った。ゲーム性が思いの外しっかりしていて、デッキ構築やモンスターチョイスで頭を悩ませたりなど、カードゲームとしての醍醐味を味わう事ができた。加えて、テーマとなっている「漢字」の成り立ちについて、PCやスマホの変換機能に頼り切った生活の中では特に新鮮に感じられた。

 今回はそんな本作の紹介をしつつ、大の大人が本気で遊んでみて強いと感じたカードや戦術等も一緒に紹介していきたいと思う。

【カンジモンスターズ2 1stティザー】

パッケージ買い切り! 分類的には「ボードゲーム」

 まず「カンジモンスターズ」は、プレイする前にデッキ構築などを行う都合上、非常にトレーディングカードゲーム(TCG)のようなのだが、商品内容としてはTCGではなくボードゲーム作品となる。

 1つのセットを購入するだけでデッキ構築に必要なカード・アイテム等が全て揃う内容となっているので、非常にお財布に優しい。第2弾パッケージの発売が予定されているとはいえ、現行発売中の「カンジモンスターズ」1つで十二分に遊ぶことが可能だ。第2弾が登場した際は、他のボードゲームでよくあるような感覚で遊び方を拡張していく事もできるだろう。

 また1つのセットを使って2人で対戦することも十分可能ではあるのだが、同じモンスターを使いたかったり、使いたい色が被ってしまった場合にカードが足りなくなる事もあるため、可能であれば1人1セットずつ所持するのが理想となりそうだ。ちなみに公式サイトでは、追加用のカードセットも販売している。

「カンジモンスターズ」内容

・カード 102枚
 - モンスターカード 18枚(18種類, 各1枚ずつ)
 - マナ カード 80枚(内訳は以下に記載)
 - ガイドカード 4枚
・布製プレイシート 1枚
・おすすめチーム紹介シート 1枚
・マナカード内訳
口:16枚
辛:6枚
人:6枚
歹:8枚
刀:6枚
戈:6枚
手:10枚
木:10枚
止:6枚
斤:6枚

パッケージと中身はこのようになっている。パッケージデザインが黒基調かつ真ん中のイラストも神秘的で何だかとてもスタイリッシュ…! 1セットに全てのモンスターカードは入っているが、マナカードの枚数は種類によって変わっている

速攻型に回復型……デッキ構築が奥深い!

 本作は2人で対戦するゲームで、お互いにモンスターカード3枚とマナカード20枚の内容でデッキを構築する。モンスターカードは、3枚を場に出し、裏側にしてセット。マナカードはそのまま山札として場に置いておく。手札はない。

 プレイは交互に行うターン制で、山札を引き、自分のターンが回ってきたら、山札からマナカードを1枚引いて、モンスターカードの対応する箇所に「合体」させていく。全ての合体パーツを揃えると、モンスターカードを表にひっくり返してモンスターの持つ効果を発動することができる。

 これを繰り返してモンスターカードの効果を発動させながら、最終的に相手がデッキからカードを引けない状態にすれば勝利となる。

 モンスターカードと「合体」についてもう少し説明する。例えばモンスターが「言(ゲン)」の場合、その裏面は白色のマナカード「口(コウ)」1つと黄色のマナカード「辛(シン)」1つが空いている。

 ターンを繰り返して「口」と「辛」の両方を埋めると、「言」が表になって効果が発動。「言」の効果は、「じゃんけんをする。かち→相手の山札を6枚減らす まけ→自分の山札を1枚減らす」となっていて、これを実行する、ということになる。なお、表になった時点で合体していたマナカードは墓地へと移す。

 モンスターカードは使用後、再び裏側になりマナカードさえ付け直せば何度でも使用できる。つまり、プレイ自体は「山札からカードを取ってモンスターに付ける」だけなのだが、主軸となる3体のモンスターのチョイスで、戦略が大幅に変わるゲームシステムとなっている。

 チョイスも大事だし、場合によってはマナをモンスターに付ける順番も大事だ。シンプルながら、ゲームに奥深さを感じるのはこの部分にある。

 なお気付いている方も多いと思うが、マナカードのモチーフは漢字の”部首”。部首を指定の形に集める事で1つの”漢字”(モンスターカードのモチーフ)にするというニュアンスをゲームに落とし込んでいるのだ。

漢字の成り立ちが分からなくてもマナカードが「色」によって分かれてる事から小さい子でもゲームを遊ぶことができ、ゲームをプレーする中で漢字がどの部首による合体で生まれたかを学習できる仕組みだ。

 モンスターカードには、それぞれ固有の能力がある。例えば「列(レツ)」は、「歹(ガツ)」と「刀(トウ)」1枚ずつで「相手の山札を3枚減らす」効果を発動できる。上に挙げた「言」ならジャンケンで勝利する必要はあるが「列」よりも多くのデッキを削れる。

 また自分のデッキを回復できる「品(ヒン)」(墓地のマナを5枚選んで山札に戻しシャッフルする)や「友(ユウ)」(墓地のマナを3枚選んで山札に戻しシャッフルする)のようなカード、墓地のマナカードを直接モンスターカードに付けられる「各(カク)」や「兄(ケイ)」(好きなマナを自分の墓地から1枚選ぶ。自分モンスターにそのマナをつける)などサポート効果も持ったカードも多数用意されている。

 中にはマナカードを4枚以上使うが、揃える難易度が高い代わりに一撃でゲームエンドまで持って行けるような超破壊力のカードも存在している。着実に相手のデッキを削れるカードを大量に入れたデッキも良し、サポートカードを駆使して強大なモンスターカードを繰り出す構築も良し、ひたすら相手の妨害を繰り返すデッキも良し……と、単純ながらデッキ構築が非常に多岐に渡るゲームシステムとなっている。

 詳しいルール解説動画や実際のゲームの流れ等は「カンジモンスターズ」公式チャンネルに色々な動画が公開されていたのでそちらをチェックして欲しい。

 長々と語ったがゲームの流れやルールも簡単なため、小さいお子さんでも問題なく遊ぶことができ、親子で一緒に遊ぶゲームとしても非常にオススメしやすい作品と言えるだろう。

【【カンジモンスターズ(カンモン)】ルール説明!】

大人が真剣になってデッキ考察してみた

 ではここからは、1人のカードゲーマーとして本作を真剣に考察していきたいと思う。まず戦略の基盤かつ本作のキモになる3体のモンスターチョイスとそれに伴う20枚のマナカードによるデッキ構築は、ある程度の部首(色)を揃えないとモンスター効果をまともに使用できるか怪しくなってしまうため、オーソドックスなデッキを構築する際には部首を3~4色ほどに抑えるのがベターになるだろう。

 マナカードのデッキ総数が20枚である事を考えると、デッキの方向性次第な部分もあるが、目安としては使用頻度の高い部首(色)に7~10枚、特定のモンスターにしか使用しない予定の部首は4~6枚、重めの強力なモンスターを使用する際などピンポイントで必要なマナカードは2~4枚を想定すると一先ずバランスの良いデッキが完成すると思われる(一応、数字が苦手ながら手元で確率計算等もしている)。

モンスターカードは全部で18種類。同じような効果に見えてもデッキを削るのに条件が必要だったり、揃えるマナカードの数や色が異なっていたりなど全てがオンリーワンの性能となっている。マナカードのデッキ構築も選んだモンスター次第になるが、なるべく色が被っているモンスターを選んでおかないと引いた際に腐ってしまうマナカードが発生するので、色の互換性なども考慮してデッキ構築する必要があのだ

 とは言えバランスの良いデッキを組んだから勝てるという訳でもないのがカードゲームの面白い所。次に必要なのは”デッキコンセプト”や”勝ち筋”と呼ばれる部分だ。デッキを構築する際に自分がどのようなルートやプランを駆使して勝つのか、1つコンセプトを決めてデッキを構築する事でゲームがグッと面白くなるのである。

 本作の場合だとその部分を担うのは3体のモンスターチョイスだろう。実質ゲーム中に自分が扱える効果は3つだけとなる本作で、それらをどの方向に尖らせるかがキーポイントとなってくるのである。

コンセプト1:「競」「械」「操」のビッグカードから考える

 まずパッと見で簡単にコンセプトになりえそうなカードは、揃えるマナカードの難易度が高い「競」「械」「操」などのビッグカードだ。これらのモンスターカードはこのカードを使う事自体が勝利に直結しつつ、このカードを使う事に尖らせたデッキを構築する事で真価を発揮するという分かりやすいコンセプトを持っている。

「競(キョウ)」

必要マナ:口×2、辛×2、人×2
効果:じゃんけんをする。かち→相手の山札を20枚減らす まけ→自分の山札を3枚減らす

「械(カイ)」

必要マナ:手×2、木×1、戈×1
効果:相手のマナの色をひとつ言う。その色のマナを相手の山札からすべて墓地へ

「操(ソウ)」

必要マナ:口×3、手×1、木×1
効果:相手のモンスターを1つ選ぶ。そのモンスターの効果を使う

 加えてこれらの強大なモンスターカードはそれぞれが能力を使うため労力を必要としながらも色がバラバラなため、基本的に同じデッキには入る事がない(現実的ではない)カードとなり、使えるカードも必要な色的にそれぞれ限られる事から、コンセプトが明確であるがゆえに比較的構築がしやすいタイプのカードだと言えるのだ。

「競」であれば「口」「辛」「人」をベースに、「械」であれば「手」「戈」「木」をベースに、「操」であれば「手」「木」「口」をベースにデッキ構築すれば良いので色で悩む必要があまりないのもありがたい

コンセプト2:攻撃を繰り返す「速攻」デッキ

 ビックアクションのデッキ以外でカードゲーマーが真っ先に思い浮かぶ構築といえば……そうアグロ構築、すなわち「速効」を仕掛けるタイプのデッキだ。

 今作の場合だと必要なマナカードが少ない事を利用して何度もモンスター効果を使用し、相手がもたついてる間に相手のデッキを削りきるといったプランであれば、アグロも十分可能な戦術となりそうである。筆者がモンスターカードを眺めていてこのプランに似合いそうだと思ったカードは「列」と「告」の2種類。

「列(レツ)」

必要マナ:歹×1、刀×1
効果:相手の山札を3枚減らす

「告(コク)」

必要マナ:木×1、口×1
効果:自分の山札の一番上のマナを予想して言う。山札から1枚めくり墓地へ置く。あたり→相手の山札を6枚減らす はずれ→何も起こらない

 お互いに2枚のマナカードで効果を使用する事ができつつ、「列」なら確実に3枚のカードを、「告」なら自分の山札のトップを当てる必要があるが6枚ものカードを一気に削る事ができる。カラーリング的にも他のカードと組み合わせがしやすい事からこの2枚のカードはアグロ構築の主軸として運用しやすそうだ。

どちらにも共通している事はマナコストが軽くてすぐに動き出せるカードという点だ。基本的にデッキトップ勝負となる今作のシステム上、安定して出力を出せるアグロ戦略は決して悪くないパワーになるだろう

 他の候補としては同じく2色かつ2枚のマナカードで出せる「言」や、必要マナカードが少し多いが安定して5枚以上削れる「残」「例」などが存在する。

「言(げん)」

必要マナ:辛×1、口×1
効果:じゃんけんをする。かち→相手の山札を6枚減らす。まけ→自分の山札を1枚減らす

「残(ザン)」

必要マナ:歹×1、戈×2
効果:相手の山札を6枚減らす

「例(レイ)」

必要マナ:人×1、歹×1、刀×1
効果:相手の山札を5枚減らす

 が、まず「言」は”じゃんけん”という運ゲーに勝つことが前提となっており、同じギャンブルでもデッキ構築である程度方向性を固められる「告」よりも運の比重が大きいように思う。というより、筆者が使うとじゃんけんに負けすぎて「2色で自分のデッキから1枚削るカード」にしかならなかったので思考から外す事にした(構築としては全然主軸にできるレベルのカードではある)。

 「残」や「例」はしっかりと安定して強いカードではあるのだが、3枚揃えるとなると速効と言うよりはミッドレンジ(中盤に勝利を目標とするバランスの良いデッキタイプ)寄りのカードだったため、他のコンセプトで組むべきカードかなという印象だ。

「言」のような”じゃんけん”に勝つ事が必須となるカードは他にも存在するが、強力な効果の代償に負けると自分のデッキが減るという恐ろしいデメリットが存在する。筆者には使いこなせなかったぜ……
「残」や「例」のようなバランスの良いタイプのカードは、その色基盤に合わせてサポートカード2枚を差す構築や1枠をビッグアクションカード1枚に差し替えたりなどしてミッドレンジ構築にするのが楽しそうだ

コンセプト3:相手のマナーカード破壊! 妨害デッキも作れてしまう

 さて、もしカードゲーマー諸君がいた場合、相手を妨害しまくる”いやらしいカード”はないのか、と思ったのではないだろうか。本作は知育ゲームとしての側面もあるのにそんな相手が嫌がる教育に悪そう事ができるカードなんて……と思っていたのだが、しっかりと用意してあるから流石である。

 という事で、3つ目のアプローチとして次は相手を妨害しまくって自分は耐久勝負で勝つというコンセプトを考えてみよう。(子供向けゲームでやる事だろうか……)。

 主軸となるカードは「兵」と「折」というカード。このカード達の効果を完結に言うと、相手のモンスターの上にセットされたマナカードを破壊するという内容になっている。

「折(セツ)」

必要マナ:木×1、斤×1
効果:相手のモンスターを1つ選ぶ。そのモンスターについているマナを全て墓地へ

「兵(ヘイ)」

必要マナ:斤×1、手×2
効果:相手の全てのモンスターについているマナを全て墓地へ

 それぞれ必要なマナカードと破壊枚数に違いがあり、「折」なら2色2マナで1体のモンスターのマナを全て墓地に送り、「兵」なら2色3マナの代わりに相手の場のマナを全て墓地に送るというド派手な効果だ。これらのカードを駆使してなるべく相手にはモンスターカードをプレイさせず、ターン開始時のドローを繰り返させてデッキ切れを狙うというコンセプトが可能なのである。

本作で唯一と言って良い相手の場に干渉できる2種類のカード。完成したタイミングで強制的に効果が発動してしまう事から多少の使いづらさはあるものの、的確に相手の思惑を潰せた時の爽快感はカードゲームならではだろう……!

 しかしこの場合だと、お互い同じペースでデッキが削れる事から運よく相手にカードを使わせないプレイができたとしても、自分も同じタイミングでデッキ切れを起こすのでは? となるところだが、今作にはサポート効果を持ったモンスターカードとして山札を回復できる「友」と「品」というカードが存在している。

「友(ユウ)」

必要マナ:手×2
効果:墓地マナを3枚選び、山札に戻しシャッフルする

「品(ヒン)」

必要マナ:口×3
効果:墓地のマナを5枚選び、山札に戻しシャッフルする

 それぞれ必要マナ数と色が異なるのだが、1色で山札を回復できる事から色々なデッキに入れる事が可能なスペックとなっており、上記のコンセプトの場合であれば相手のデッキ回復は「兵」や「折」で阻害しつつ、自分のデッキ回復は行うと言った芸当も対面次第では可能だろう。これによって自分は安全圏を確保しつつ相手の妨害に専念できる非常に陰湿(強力)なコントロールデッキも作れたりもするのだ。

本作における回復カードは必需品レベルで強力! 相手が自分のデッキを削ってくるゲームシステム上、必要なマナカードが墓地に送られた場合に特定のモンスターが使えなくなる可能性もあるため、保険でどちらか1枚は差しておきたいモンスターだ

実際に3つのデッキを作ってみた

 ここまで3つのコンセプトを例として上げてきたので、最後にこれらをデッキとして1つずつ形にしてみようと思う。

 まず最初にビッグアクションを狙う重量級デッキとして「械」デッキからだ。モンスターカードに「械」「友」「残」を採用し、「械」によるド派手なデッキ破壊を主軸として戦う事をコンセプトにしている。

 「械」の効果で相手のデッキから確定で1色のカードを全て奪い去る事ができるため、相手のモンスターから推察して一番多いカラーを指定する事で相手のデッキ枚数だけでなくコンセプトすらもズタズタにしたり、先に「口」か「手」を宣言しておくことでケア手段である「友」や「品」の発動を封じるなど、1色を確実に潰すというこのゲームでは致命傷レベルのプレイングが可能となっている。

 とはいえ必要マナも多くなる事から長期戦になりがちであり、採用できる他モンスターも色的に限られるのが厳しいところ。今回は速効対策や緊急事態に有用な「友」と、1色を抜いた後にトドメをさせる「残」を採用する事である程度安定したゲームメイクを可能としてみた。

 他の候補として「残」の代わりに「折」を投入する事で妨害能力がアップし遅延性能を上げる事も可能だが、その場合勝ち筋が「械」を3回使うか相手が自然にデッキ切れを起こすかのどちらかになるため、試合時間がメッチャ長くなることを考慮すると筆者はコチラの方が好みである。

マナカードの比率は「手」が9枚、「戈」が5枚、「木」が4枚、「歹」が2枚となっている。「手」は「械」と「友」の作製に必須かつ、とりあえず「友」を作製する事で耐え耐えプランが可能なのでかなりの枚数を割いている形だ。「械」の発動が決まれば一気に形勢逆転も可能だが、マナカード破壊の影響を受けやすいカードでもあるため、諦めずに粘り強く揃えに行く姿勢が大事になるだろう

 次に速効のアプローチとして考えたのがモンスターカードに「告」「折」「品」を採用した「告アグロ」だ。「告」のデッキ破壊の確率を高めるためにデッキ内のマナカード比率を「木」に寄せつつ、相手のデッキ回復やビックアクションを事前に破壊できる「折」と、「告」と色が被りつつ1色な事でデッキのカラーリングを増やさずに回復まで行える「品」でモンスターを構成してみた。

 キモとなるのが「木」を引いた場合に「告」と「折」のどちらを優先して作製するかだ。相手の盤面に完成間近のヤバそうなモンスターがいる場合は「折」を優先し、それ以外の場合は基本「告」で果敢に攻める事を優先する。

 これ以外にも「折」の使い方としては先に「斤」を設置した状態で構えるのがかなり強力で、その状態で「木」を引いた際に「告」の上スペースが空いてるのなら「折」の発動タイミングを後ろに調整する事が可能だ。相手の盤面を見てもう1ターンは大丈夫だと判断した際に「折」をキープし、モンスターが完成間近のタイミングでマナカードを墓地送りにしてやれば、十分に「告」で攻撃できる時間を稼いでくれるだろう。

マナカードの比率は「木」が10枚、「口」が6枚、「斤」が4枚の構築だ。序盤の「告」の宣言は基本的に「木」だが、墓地の状況を鑑みてデッキに残ってる一番多いカードを宣言する方が良いだろう。常に相手のデッキを削る事を意識しつつも、妨害するべき所はしっかり妨害したり、相手によっては自身の回復も視野にいれたり等手数が多く、このゲームらしい攻防を特に味わえるデッキだった

 入れ替え先の候補としては単純にデッキ破壊が可能な「格」があり、こちらを採用する場合は「品」が抜ける形となる。「格」を採用するメリットとしては上記で挙げた「折」の発動タイミング調整として「木」を一旦置いて置ける場所をもう一つ作れる事と、加えて「告」と殆どカラーリングが被っているためデッキの方向性を崩さずに入れ替える事もできる点だ。単純ながら確定5枚デッキ破壊はフィニッシュプランとしてかなり重宝するので、4色になったとしても入れる価値は十分あるだろう。

「格(カク)」

必要マナ:木×1、止×1、口×1
効果:相手の山札を5枚減らす

シンプルなカードだが色合い的にも最後に安定して決める為の1枚としても貴重な存在。色をさらに散らせる事で引いて腐ってしまうマナカードの確率も下げてくれる事にも繋がるため、全然採用の候補になるカードだ

 最後に自分からは派手なアクションを行わずに相手への妨害と回復を繰り返す少し陰湿なタイプのデッキ、「兵」「折」「友」をメインモンスターに添えた「耐久”兵”コントロール」を紹介しよう。

 このデッキは「兵」と「折」を駆使して相手の場のマナを的確に破壊する事で相手の行動を抑制しつつ、自分はひたすら「友」の効果でデッキを回復し続けるというコンセプトのデッキだ。

 自分からデッキを破壊しにいくカードはないため、相手が自らカードを20枚ドローするまでひたすらマナ破壊を繰り返すのである。カラーリングもこの3枚の場合だと3色に収まる事でデッキの回転率も良く、「斤」の配置場所が2カ所ある事によって相手の盤面のマナ事情によって全体破壊か単体破壊かを比較的選びやすいというのもコントロールデッキを使ってる感がして面白いポイントだろう。

 ここまで聞くと相手を妨害しまくるいやらしい強デッキに聞こえるかもしれないが、少ないマナでこちらのデッキ破壊が行える速効系のカードがあると一番軽い「折」の発動も間に合わなかったり、「木」が重なってしまうなど自分の引きが弱い時は好き勝手されてしまうタイミングもある事から意外とバランスの良いシーソーゲームになる事が多い。

 本作の基本ルールとして手札を抱えるのではなく毎ターン引いたカードを設置しなければならないゲーム設定上、上手い事相手をコントロールするには運と技量が必要になってくるため、意外とやり応えの強いデッキだったりするのだ。

マナカードの比率は「手」が10枚、「斤」が6枚、「木」が4枚の構築となっている。3色構築かつマナカードの受け皿が1つしかない部首が「木」だけなのでカードがダブつく可能性がかなり低いのが嬉しいポイント。「兵」「折」をあと1枚で発動できる状態をキープしながら、暇なターンに「友」で解決できるムーヴを維持できれば相当相手にいやがらせする事ができる!

個人的ベストカードを選出!

 ではここまで遊んでみて筆者が個人的に最強だと思ったモンスターと、個人的に大好きになったモンスターを紹介して本記事を締めたいと思う。

 まず最強モンスターに感じたのは「友」だ。単色2マナでデッキ回復が行える効果がここまで強いとは思わなかった。同じようなカードに「品」が存在しているが、2マナで発動できるという部分がデッキ切れスレスレの勝負になった際に大きく響いて来る事があり、加えてデッキ構築の際にも単色2マナであるなら最後に差し込むような軽い気持ちで色々な場所に投入できるのだが、単色3マナとなると色が揃っていないと採用しづらいような場面が多々あるように感じた。

 加えて本作の場合はデッキを回復する行為は自分のデッキのマナカード比率を調整する事にも繋がる。例えばそこまで必要のないマナカードがあった場合はあえてそれらを墓地に残し、逆にデッキに必要なマナカードのみをデッキに戻す事で、その先で安定してモンスター効果を駆使する事ができるようになったりなど、回復行為自体がそのまま攻めのプランにも繋がると言う点で非常に強力なアクションなのである。

 それをどのデッキにも採用できる2マナ単色で行えるようなカードが弱いわけがなく、強さが安定していて汎用性が高いという面から鑑みても最強カードだと筆者は思った。

このゲームの中で唯一の汎用カードと言っても差支えない程、あらゆるデッキに「手」と一緒に採用して良いカードだと個人的に思っている

 次に筆者が一番好きなカードとして「折」を挙げたい。ここまでのデッキ構築を見ていて分かるとは思うがこのカードが本当に面白く、正直筆者はかなり優先して使っていた節がある。

 相手のマナを墓地に送るという妨害効果は、本作において唯一相手のプランを明確にズラセるカードとなっているため、使っていて非常に”カードゲームをしている感”が味わえるカードとなっていた。

 カードプールを覚える事で相手のやりたい事を察知して的確に邪魔を行う等、自分のゲームの理解度がカードの強さに直結するという面においても使い応えのあるモンスターカードだったと言えるだろう。

カードゲーマーは自分のプレイが色濃く反映されるカードを好む(個人的な偏見)傾向があるため、このカードを好きになるプレーヤーはかなり多いのではないだろうか。ぜひ使ってみて欲しい!

 今回大の大人がかなり真剣に本作を遊びまくってしまったが、それだけ真剣に遊べるほど内容が濃く、面白い作品になっていると筆者は思っている。

 実際今回のデッキも選択肢の1つというだけで、他にも多くのデッキを構築する事が可能だろう。覚える事も少ないためとりあえず2セット持っていれば誰とでも遊べるボードゲームらしい手軽さも兼ね備えている。流行が広がる兆しが見えている本作、気になる人は是非遊んでみてはいかがだろうか。