特別企画

「水星の魔女」からガンプラ「HG ガンダムルブリスウル」をミリタリー調に全塗装

ウェザリングで地上運用時の姿を表現

【HG 1/144 ガンダムルブリスウル】

発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:2023年3月4日

価格:2,090円(税込)

 今回は「機動戦士ガンダム 水星の魔女」より「HG 1/144 ガンダムルブリスウル」の作例を紹介します。ガンダムルブリスウルが所属する反スペーシアン組織「フォルドの夜明け」は地球を活動拠点としているため、地上での運用を妄想してミリタリー調に全塗装していきます。

反スペーシアン組織「フォルドの夜明け」が運用するガンダムルブリスのカスタム機

 今回作成するガンダムルブリスウルは機動戦士ガンダム 水星の魔女にて反スペーシアン組織「フォルドの夜明け」が運用するMSです。改修元となったガンダムルブリス量産試作型のGUNDフォーマットの基本コンポーネントのみを流用し、外装やフレームなど、そのほとんどが新規で製造されています。

最新フォーマットを使用したハイディテールキット

 今回作成する「HG 1/144 ガンダムルブリスウル」は2023年3月4日に発売されたキットです。これまでの水性の魔女キットと同様にポリキャップ、ABS不使用で塗装派のユーザーにも優しい仕様となっています。本キットの成型色は外装部分が劇中の配色と比較して、青みが強い成型色となっていることが特徴です。付属のカラーガイドは成型色の配色を再現するためのものなので、アニメカラーの再現をする場合はアレンジが必要です。

素組みした「HG 1/144 ガンダムルブリスウル」

「HG 1/144 ガンダムルブリスウル」をミリタリー調に全塗装

 それではガンダムルブリスウルを制作していきましょう。ガンダムルブリスウルは地球で活動する反スペーシアン組織が運用するMSということで、地上での運用を行なったという想定でミリタリー調に全塗装を行なっていきます。

今回使用したツール類。今回は大きな改造を行なわなかったためこれまでに使用したものと特に変わりはありません。
今回使用した塗料類。ミリタリー調の塗装ということでクレオスの塗料を使用し塗装を行なっていきます。

 まずは仮組を行なっていきます。

仮組を行なったガンダムルブリスウル。最新のガンプラということもあり、合わせ目がほぼ発生していません

ディテールアップの第一歩、アンテナのシャープ化

 HGシリーズのガンプラは安全対策のためにアンテナ端部にフラッグが取り付けられています。今回の作例でもディテールアップの第一歩としてアンテナのシャープ化を行なっていきます。

【アンテナのシャープ化】
加工前のアンテナパーツ。大きな安全フラッグが成形されています。
安全フラッグをニッパーでカットしていきます。この際に切りすぎてしまわないよう、ある程度切り残しておきます。
カットしたアンテナをやすりで仕上げていきます。やすり掛けを行なう際はあまり力を入れずに行なうことでエッジが丸くなってしまう危険性を減らすことができると思います。
アンテナのシャープ化が完了したアンテナパーツ。アンテナがシャープになると見た目が引き締まります。

本キットの合わせ目は一か所だけ!パーツの合わせ目消し

 アンテナのシャープ化が完了したら次は合わせ目消しを行なっていきます。しかしながら、本キットの合わせ目はほとんどなく、段落ちモールドとなっています。唯一合わせ目が発生する箇所としてビームガトリングガンの砲身部分があります。今回はこの部分のみ合わせ目消しを行なっていきます。

【合わせ目消し】
合わせ目の発生する砲身パーツ。本キットの合わせ目はこの個所のみ発生します。
合わせ目消しにはクレオスのMr.セメントSPB(ブラック)を使用していきます。付属の筆を使用して合わせ目に接着剤を流し込んでいきます。
合わせ目を圧着して接着を行ないます。この際に接着剤がしっかりと合わせ目からはみ出すようにします。
接着剤が乾燥したらはみ出た接着剤をやすりで削り取って合わせ目消しの完了です。

エッジのシャープ化とモールドの彫り直しでよりメリハリを与える

 本キットは平面を組み合わせたデザインとなっていますが、そのままではパーツのエッジが丸みを帯びているほか、分割されている装甲板が1パーツにまとめられています。そのため、エッジのシャープ化とモールドの彫り直しでメリハリを与えていきます。

【ディテールアップ】
パーツのエッジ出しはゴッドハンドのエッジ出しヤスリやタミヤのモデラーズナイフを使用してエッジを立てていきます。
モールドの彫り直しは溝の幅に合わせてファンテックのスジ彫りカーバイト0.15、クレオスのMr.ラインチゼル0.2mm、0.3mmを使い分けます。
加工前のパーツ(右)と加工後のパーツ(左)の比較。エッジとモールドがはっきりすることでパーツのメリハリが出ます。

お手軽にパーツの肉抜き穴を塞ぐ

本キットのかかとパーツはワンパーツで成型されており、足裏部分に肉抜き穴があります。これまでの作例ではポリパテを使用して肉抜き穴を塞いでいましたが、今回のかかとパーツは肉抜き穴が平面で構成されているのでプラ板を使用して肉抜き穴を埋めていくこととしましょう。

【肉抜き穴の加工】
肉抜き穴のあるかかとパーツ。今回はプラ板を使用して肉抜き穴を塞ぎます。
パーツの面に合わせて0.3mm厚のプラ板を張り付けていきます。接着剤には作業性を考慮して瞬間接着剤を使用しました。
はみ出た部分をやすりで成型すれば完成です。この上から塗装すれば肉抜き穴はわかりません。

 これにて加工は完了です。パーツを洗浄したら塗装作業に入っていきましょう。

Mr.カラー AFV・戦車模型用特色をベースにミリタリー調に仕上げる

 それでは塗装を行なっていきましょう。まずは下地にサーフェイサーを塗布していきます。サーフェイサーにはガイアノーツの「サーフェイサーエヴォ」を使用していきます。

サーフェイサーを塗布した脚部パーツ。滑らかなグレーに仕上がりました。

 サーフェイサーの塗布が完了したら仕上げ色を塗装していきます。今回は地上での運用があったと想定して配色を決定していきます。ガンダムルブリスウルの設定色はグリーン系のカラーリングとなっています。そこで、今回はクレオスのMr.カラー AFV・戦車模型用特色からよさそうな色を選択していきます。今回は「ロシアングリーン”4BO”」を使用していきます。

グリーン部分を塗装した脚部パーツ。戦車用のカラーなのでこれを塗装するだけで実在の兵器のような仕上がりとなります。

 次にホワイト部分を塗装していきます。先ほどグリーン部分をミリタリーカラーで塗装したため設定色のホワイトのままでは浮いてしまうと考え、黄色がかったカラーを選択していきます。今回はクレオスの「Mr.カラー 飛行機模型用カラー 黄土色」を使用します。

黄土色を塗装した大腿部パーツ。元のホワイトよりも落ち着いたカラーに仕上がりました。

 次は関節部のカラーを塗装していきます。関節部は成型色のままでも十分にいい色ではありますが、これまでに塗装した外装色に比べると少し暗い印象を受けました。そこで、明るめのグレーを塗装することとしました。今回はクレオスの「Mr.カラー 軍艦色(2)」を使用していきます。

軍艦色(2)を塗装したガトリングガン。少し青みのあるグレーに仕上がりました。

関節色の塗装が完了したら、顎パーツの塗装を行ないます。ガンダムルブリスウル唯一の赤色パーツでありこれも成型色のままでは明るすぎるので暗めのレッドで塗装していきます。クレオスのミリタリー系の塗料には赤系の色は種類が少ないので、今回は「Mr.カラー ガンダムカラー MSシャアレッド」を使用していきます。

MSシャアレッドを塗装した顎パーツ。落ち着いた赤色に仕上がりました。

 最後にセンサー部分の塗装を行ないます。センサー部分は設定のメタリックグリーンに合わせて塗装することとしました。今回はクレオスの「Mr.メタリックカラーGX GXメタルグリーン」を塗装していきます。

GXメタルグリーンを塗装したセンサーパーツ。鮮やかに仕上がりました。

 仕上げ色の塗装が完了したらトップコートを塗布していきます。トップコートはセンサー部のみつや有り、その他はつや消しで仕上げました。トップコートの塗布が完了したらウェザリングを行なっていきます。

MSの運用背景を考察し、ウェザリングを行なう

 今回制作しているガンダムルブリスウルは地上での運用があったと想定しています。また、反スペーシアン組織「フォルドの夜明け」はテロ組織でしょうから、前線に投入するMSの整備は十分に行なえていないのではないでしょうか。そこで、今回のガンダムルブリスウルにはサビや土汚れといったウェザリングを施していきます。

 まずは作業しやすいようにパーツをある程度のブロックまで組み上げます。組み立てが完了したらウォッシングを行ないます。塗料はクレオスの「Mr.ウェザリングカラー グランドブラウン」を選びました。

希釈した塗料を筆でパーツ全体に塗広げていきます。
ウォッシングを行なった脚部パーツ。全体に焦茶色を塗布することで土汚れを表現しています。

 ウォッシングが完了したら次はオイルシミの表現としてピンウォッシュを行なっていきます。塗料はガイアノーツの「ガイアエナメルカラー オイル」を使用します。

ピンウォッシュは墨入れと同じ要領で汚す個所に塗料を流しいれていきます。
ピンウォッシュを行なった脚部パーツ。ピンウォッシュを行なった箇所がかすかに光を反射し、オイルが溜まっているように見えます。

 ピンウォッシュが完了したら次はスポンジチッピングで機体のサビを表現します。今回はガイアノーツの「ガイアエナメルカラー 赤サビ」と「ガイアエナメルカラー 黄サビ」を使用しました。

スポンジチッピングは塗料を含ませたスポンジをスタンプのようにパーツに押し当てることでランダムパターンをパーツに塗装していきます。
スポンジチッピングを行なった脚部パーツ。スポンジチッピングを行なうことで経年劣化が表現できます。

 ここまでウェザリングが完了したら最後に塗装の剥離表現を追加します。塗料はタミヤの「エナメル塗料 クロムシルバー」を使用しました。

面相筆を使用してパーツのエッジにクロムシルバーを塗布していきます。塗布する箇所をランダムにすることがポイントです。
塗装が完了した脚部パーツ。過酷な運用によるダメージが表現できました。

過酷な環境で運用されるガンダムルブリスウル

これにてウェザリングは完了です。それでは完成したガンダムルブリスウルを見ていきましょう。

【正面】
左:塗装前、右:塗装後
【側面】
左:塗装前、右:塗装後
【背面】
左:塗装前、右:塗装後

 実在の兵器のようにずっしりとしたカラーリングになりました。

ビームガトリングガンを構えてみました。設定上はビーム兵器ですがカラーリングも相まって実弾兵器のようにも見えます。
機体自体のボリュームがあるため、立っているだけでも威圧感があります。
頭部のサイズは他のMSと比較して大きめなので配色も相まってヘルメット着用しているようにも見えます。
大型のバックパックが目立つ背面。ランダムに配置したサビや塗装剥げがいい味を出しています。
大腿部など白は黄色がかったホワイトにしたので全体的に落ち着いた雰囲気があります。
エッジのシャープ化とモールドの彫り直しを施した脚部

 いかがでしょうか。今回は地上での運用を妄想した配色としました。プラモデルは作り手によって自由に配色やその機体が置かれた状況を表現できます。この記事をきっかけに自分オリジナルのストーリーを持ったガンプラを作ってみてはいかがでしょうか。

今回使用した工具一覧
使用工具品名
ニッパーGSIクレオス Mr.シャープネスニッパー両刃タイプ
ニッパーゴッドハンド アルティメットニッパー5.0
ナイフタミヤ モデラーズナイフ
やすりピットロード PY07「フィルムスティックやすり 400番」
やすりゴッドハンド エッジ出しヤスリ
カンナHEMIxIPD ぷら用カンナ
スジ彫りファンテック スジ彫りカーバイト0.15
スジ彫りクレオス Mr.ラインチゼル0.2mm
スジ彫りクレオス Mr.ラインチゼル0.3mm
スジ彫りゴッドハンド スピンブレード
接着剤クレオス Mr.セメントSPB(ブラック)
接着剤ウェーブ ×3G高強度
今回使用した塗料一覧
工程使用塗料
下地色ガイアノーツ サーフェイサーエヴォ
上塗り(外装グリーン)クレオス Mr.カラー AFV・戦車模型用特色 ロシアングリーン”4BO”
上塗り(外装ホワイト)クレオス 飛行機模型用カラー 黄土色
上塗り(外装関節)クレオス Mr.カラー 軍艦色(2)
上塗り(外装レッド)クレオス Mr.カラー ガンダムカラー MSシャアレッド
上塗り(センサー)クレオス Mr.メタリックカラーGX GXメタルグリーン
トップコート(つや消し)クレオス Mr.スーパークリアーつや消し
トップコート(光沢)ガイアノーツ Ex-クリアー
ウォッシングクレオス Mr.ウェザリングカラー グランドブラウン
ピンウォッシュガイアノーツ ガイアエナメルカラー オイル
チッピングガイアノーツ ガイアエナメルカラー 赤サビ
チッピングガイアノーツ ガイアエナメルカラー 黄サビ
塗装剥げタミヤ エナメル塗料 クロムシルバー
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